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猛スピードで母は 単行本 – 2002/2

5つ星のうち 4.0 56件のカスタマーレビュー

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商品の説明

受賞歴

第126回(平成13年度下半期) 芥川賞受賞

商品説明

   文學界新人賞受賞作「サイドカーに犬」と芥川賞受賞作「猛スピードで母は」がカップリングされた長嶋有の第1作品集。

 「サイドカーに犬」は、語り手の女性が小学4年生の夏休みに体験した、母親の家出に始まる父親の愛人との共同生活を回顧(懐古)する物語。ムギチョコや500円札、パックマンといったアイテムとともに描かれる1980年代初頭の時代風景が懐かしさをそそる。父の若い愛人である洋子さんの強烈な個性と存在感は、「猛スピードで母は」の母親の姿と相まって、自立的で自由な新しい女性のイメージを提示している。「サイドカーに犬」というタイトルには、大人と子どもの間の微妙な距離感がメタファー(暗喩)として込められている。大人と子どもの相互的なまなざしの交錯が、すぐれて文学的な「間」を演出している。

 「猛スピードで母は」は、北海道で暮らす小学5年生の慎と母親の1年あまりの生活を描いた作品。大人の内面にはいっさい立ち入らず、慎の視線に寄り添う三人称体による語りが、子ども独特の皮膚感覚や時間感覚をうまく描き出している。さまざまな問題に直面しながらも、クールに現実に立ち向かう母親の姿を間近で見ることで、自らも自立へと誘われていく慎の姿が感動的だ。先行する車列を愛車シビックで「猛スピード」で追い抜いていく母親の疾走感覚は、この作品のテーマに直結している。物語の結末で示される国道のシーンは、読者の心に強く残るだろう。(榎本正樹)

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登録情報

  • 単行本: 160ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2002/02)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4163206507
  • ISBN-13: 978-4163206509
  • 発売日: 2002/02
  • 商品パッケージの寸法: 19 x 12.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0 56件のカスタマーレビュー
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

形式: 文庫
映画にもなっている【サイドカーに犬】と芥川賞受賞作【猛スピードで母は】の
中篇2つで出来ている本。長嶋さんの作品は初めて読んだのだけれど、
全体にとても良質な児童文学の匂いがして好感が持てました。

破天荒な父親と大喧嘩して出ていった生真面目な母親。そこに突然現れた謎の女性洋子さんと
薫とのヘンテコな夏の友情が描かれた、サイドカー。職業も付き合う男性も、
どんどん変わっていく母と小学六年生の慎の暮らしぶりが淡々と書かれている、猛スピードで。

共通して出て来るのは、どこか欠落してるハグレ大人。と、彼や彼女らに振り回されながらも、
「大人にも色々な大人がいて、それぞれに事情があるんだ」って事がわかっている子供。
両者の不思議な信頼関係の質感が凄くリアルで好きだった。サイドカーでの、
洋子さんと薫が子供と大人の関係だけじゃなく、女同士で友情を育んでる感じ、

もらったテープの思い出を大切にしてる点。猛スピードの母が、
女手一つで息子を育てる為に選んだ仕事。その職種ならでは、の嫌な場面を見てしまった後
ドキマギする慎と、サバサバした母の対比。さらりとした文体の中に
子供と大人の向き合い方の核心書けてるのに驚きました。今度長編も読んでみたいと思います。
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形式: 文庫
 長嶋有の小説を読んで、何だか「これが小説ってもんだよなあ。」という気がした。特にどこが目立ってるわけでも派手さがあるわけでもないのだけれど・・・。

 いったい他の作家と、どこが違うのか。

 それはきっと人間を書こうとしていることかなと思う。彼は物語を書こうとしない。書いているけど、それを作り出すことにとらわれていないように感じる。ただ、「人」は書こうとしている。で、ちゃんと書いている。だから、登場人物の何でもない言葉に人の生きた思いが乗る。自然に、うるさくなく、乗る。

 最近の若手の作家は、どうも物語を作ることに目を奪われ過ぎて、小説を薄っぺらなものにしてしまっている。

 でも、長嶋有の小説には人がいる。

 そんな気がする。
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投稿者 みけだ 投稿日 2005/10/13
形式: 単行本
こんなに無駄ない文章はすてきだ。話の脱線の仕方も好みだ。媚びるところがなくていい。
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形式: 文庫
文庫になって早速買いました。すごい。ぐいぐい読めました。
感動させられたりはっとさせられるときって、書き手の読者への裏切りかたがどこか冷たかったり鋭く感じたりするものですが、
これは素直な描写で淡々と書かれているおかげで、おっかなびっくりさせられることなく自然なリズムで読んでいけました。
なのに、泣けてくるのです。その感情は、実際私が今まで感じたことのある気持ち(家族とのいざこざだったり、気持ちのすれ違いだったり。)
にすごく近くて、本当なのです。だから作者は女の人だと思っていたら二度びっくり。なんでこんなに女の人の気持ちが分かるのでしょう。
1970年代前半うまれの読者にはなつかしいいろいろなグッツが出てくるあたりも、リラックスさせる一因かも。
芥川賞を受賞した表題作も良いですが、私は「サイドカーに犬」が好きです。
読み進むのがもったいなくなるくらい、私にとっては面白い本でした。長嶋さんのほかの作品も読もうと思います。
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形式: 文庫
子供っていうのは、孤独感っていうものに凄く敏感なんだと思う。
この本で描きたいところって言うのはまさにそこだった。
特に母という存在との関係は、意識的にたとえ小さいと思っていても、やっぱり深くて。
だから、この本の主人公の言葉が強く胸に刺さった。あー、やっぱり母とのちょうど良い距離を持つことは、重要なんだなあと感じさせてくれる。
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投稿者 伽羅 投稿日 2016/5/26
形式: 文庫 Amazonで購入
芥川賞受賞作品 ゛猛スピードで母は゛ は、舞台が北海道 。女性が物凄く強い土地と、北海道の、大学を出た兄から聞きました。女性の喫煙率も全国一とか。今は判りませんが。
北海道のとてつもない寒さと、母親と二人暮らしの子供のお話。
人間は、子供を作ります。子供は、親を選べずに産まれます。ロシアンルーレットが始まってる…この作品中の子供は、幸せなんだろうか。母親は、猛烈に働き、自分の人生の為に恋をし、子供を突き放す様に、愛する。突き放している様でも、子供に対する母親の愛情がひしひし伝わるのは、どうしてなんだろう。男性の陰もあるのに、母親と子供は、静かに絆で結びついている。
霧の濃い朝が本土にも、たまにあります。濃霧注意報とか出ます。
なかなか幻想的叙情的風景です。しかし、運転中の方の不安たるや幾ばくか!。自分の身体が霧に包まれる感覚は、熱をだしている。恥ずかしながら、まさに、今。
…霧の中、アパートから子供の忘れ物をダイハード並の荒業で、取りに行く母。
キレても子供の為にやってくれるんだ。
めちゃくちゃな様な、親に見えるけれど、どうしてこんなに温かい気持ちになるのだろう。

母って凄い。
私も母していますが、やっぱり決断力は、凄いらしい。キレるのも早いらしい。愛情は、伝わっているらしい。
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