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狼の怨歌【レクイエム】〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA) 文庫 – 2018/1/10
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- 本の長さ408ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2018/1/10
- ISBN-104150313121
- ISBN-13978-4150313128
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
切断された手首が生えてくる! 人狼を巡る凄絶な戦い
人体実験も辞さぬ狂気の医師・大和田の研究施設に運び込まれた少年・犬神明(いぬがみあきら)。瀕死の重傷を負った少年は驚くべき回復力を示し、あろうことか切断されたはずの手首までが完全に再生していた。
人間の不死につながる秘密があるのかもしれない。そう考えた大和田は少年に致死量を遥かに超える毒物を注射した。たちまち少年を死の痙攣が襲う。そのときだ、激しく苦悶する少年の顔が変容を始めた。犬歯が伸びて牙と化し、獣毛が皮膚を覆ってゆくではないか! 悲鳴が上がる、
「獣人現象だ! 」
平井和正が一九七二年に発表、若者を熱狂させた『狼の怨歌』である。この名作が、生賴範義の口絵と挿絵の入った新版で復活した。
『狼の怨歌』は、狼男である少年・犬神明を主人公とする「ウルフガイ・シリーズ」の第二作。学園アクションだった第一作『狼の紋章』からスケールを大幅に拡大させた謀略アクションとなっている。
本シリーズには、もう一人の人狼が登場する。軽妙なハードボイルド探偵のような雑誌記者・神明(じんあきら)だ。人狼の不死の秘密を狙う暗闘に巻き込まれる彼の死闘が前半の展開を担い、銃撃戦にカーチェイス、CIAと中国情報機関の謀略戦と壮絶なアクションを満載しながら、犬神明の物語と合流して大きくうねり出す。
その熱量はただごとではない。悪は徹底して悪辣かつ強大。そこに向けられた憤怒が、熱病じみた脈動となって過激な物語に問答無用の説得力をもたらす。そして物語が進むにつれて熱と怒りはヴォルテージを増し、血を吐くような言葉がページに刻まれてゆくのだ。美麗にして荘厳な挿絵が彩る激情の嵐。それに翻弄されていただきたい。(紺)
評者:徹夜本研究会
(週刊文春 2018年2月15日号掲載)内容(「BOOK」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1938年、神奈川県生まれ。中央大学法学部在学中の1961年、「殺人地帯」が第1回空想科学小説コンテスト努力賞を受賞して、作家デビュー。2015年1月、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 早川書房; 新版 (2018/1/10)
- 発売日 : 2018/1/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 408ページ
- ISBN-10 : 4150313121
- ISBN-13 : 978-4150313128
- Amazon 売れ筋ランキング: - 182,563位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 318位ハヤカワ文庫 JA
- - 1,697位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

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カスタマーレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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「あれ?犬神明って死んだんじゃなかったの?」と思いながら、こづかいから290円で購入しました。
その時いっしょにいた友人に、「カバーの絵がすごい」と言ったことを覚えています。
前作の『狼の紋章(エンブレム)』は、学園が舞台にもかかわらず羽黒獰との一騎打ちなど、
SFという分野である気がせず中学生には刺激が大きすぎる暴力描写の内容でした。
『狼の怨歌』では、CIAの非合法工作員西城や中国情報局虎部隊の女戦士虎4が登場し、
アクションシーンがスケールアップして俄然おもしろくなりました。
この作品は、ただ読むのではなく真摯に向き合わなければいけないと中学生ながら思い、
すぐに作者に手紙を送ったところ、しばらくして作者からかなり太字の万年筆で書かれた
返信をいただきました。
その中で『狼の怨歌』には「レクイエム」とルビを振ったけれど、出版されたとき脱落してしまった、
と記されていたことが強烈な印象を残しました。
それ以来、私は『狼の怨歌』を『レクイエム』と呼んでいました。
ところが2年ぐらい経ってSFマガジンで本物の『狼のレクイエム』の連載が始まったときは、
そのタイトルに驚きましたが、それよりも続編が読める喜びの方が大きかった。
しかし、1か月待つことが苦痛なくらい楽しみだったその連載も3回ぐらいで健康上の理由だったかで
途切れ、更に翌月SFマガジンから退場する旨の文章が掲載されました。
それから1年ぐらい待った後、ようやくノンノベルから第一部・第二部として『狼のレクイエム』が出版
されました。
私の中での少年ウルフガイは、この4冊で終わっていますが、中でも『狼の怨歌』は何回も繰り返して
読んでいます。
また、生頼範義氏の挿絵が絶妙で脳内映像化を大きく助けてくれました。
中でも虎と2頭の狼が闘った松の木の場面は、映画のワンシーンを観ているようでした。
林の中で西城が虎4を裸にした場面などノンノベルに比べてハヤカワ文庫版の方がイメージどおりの、
挿絵だと思うのは私だけでしょうか。
『狼の紋章』(ハヤカワSF文庫)は、カバーのイラストが好きで今も目に見えるところに置いています。
新版では、タイトルを大きく強調しイラストが小さくなってしまっていることが残念です。
今回「レクイエム」のルビが振られたことは、作者の思いが叶い感動する反面『レクイエム』との区別が
ややこしいことになってしまって複雑な思いを抱いています。
新版では文字が大きくなり読みやすくなっていることが大変嬉しい。
「狼の紋章」「狼の怨歌」と、タイトルが分割されてしまっているけれど、この二作品はワンセットであるとお考えください。
作品は古典となるべき傑作クラス。狼の紋章の直截的続編にして、1972年初版作品。この年、作者の平井和正(1938-2015)は34歳であった。
主人公の少年の秘められた孤独で愛に飢えた心を丁寧に描いた前作のあと、タイトルも新たに、ここから狼人間の血をめぐる長い物語に突入する。
殺戮を好む凶悪な大男や、狼人間よりも強靭な虎人間の女など、かなり個性的なキャラクターが登場し、物語の歯車が力強く動き出す。
人間の妄執や狂気をどこまでも暴力で押し進める物語に、まだ繊細さの残る若き主人公は否応もなく呑みこまれ、悲しくも過酷な運命と対峙する。
もう、あと戻りはできない現実。取り戻すことのできない人。己れより大きなものを失いながら、手放すことのない、静かな熱い愛。
かつて、70年代の頃、多くの読者は魔力を孕む如きウルフガイ・シリーズに心を鷲掴みにされ、続編を熱望した。
この作品の直截的続編は、1975年、祥伝社から「狼のレクイエム第一部」「狼のレクイエム第二部」というタイトルで発表された。
閑話。もともと、「怨歌」にはレクイエムとルビを振っていたけれど、完成した本にはルビが付けられていなかった……というのが作者の言である。
のちのち出版社数社から出されたヴァージョンにも、このルビが打たれることはなかった。
そして、2018年、新装版の登場である。
その表紙にルビが打たれている。表紙デザインにも大きく強調されている。
実に46年の年月を経て、ハヤカワは初めて作家の意向を汲みいれたのだ。感動を禁じ得ない。
それでも、本作前半部分ではマッドサイエンティスト大和田医師の狂いぶりと看護婦の変貌と逆襲、後半部分ではCIA特殊工作員西城という類まれな存在感を見せる登場人物が物語をぐいぐいと牽引していきます。
本作では、「狼の紋章」のストイックさに比べると、ブラックなユーモアさえ感じさせます。
そして、そのブラックユーモアの中に、本シリーズのテーマたる「人間の卑劣さ、邪悪さ、愚かさ」を描き出しています。
本作は、余韻を残したまま終了するため、続きを読まずにおれません。
ウルフガイシリーズ第3作目「狼のレクイエム」も傑作ですが、他社から出版されたため、厳密には早川文庫での復刊というわけにはいかないでしょうが、できれば同じ装丁で本棚に並べたいところです。
(現在の私の書棚には、日焼けした祥伝社ノン・ノベル版と角川文庫版、そして今回の早川復刻版が並んでおります。)
早川文庫さん、なんとかなりませぬでしょうか。
狼の怨歌
狼のレクイエム 第1部
狼のレクイエム 第2部 と読み進めるも
平井和正氏のあとがきにあるように、スランプでペンが進まず
結局、この1部2部はなくても良かったのではないかという感じです。
西城恵の物語と言ってもいいほどで、やたら情景描写を増やして
ページ数を水増しした感が否めない。
その前の2冊が面白かっただけに残念。