ごくごく平凡なことが書かれていますが、作者の体験に基づいており説得力のある内容かと思います。
他人の評価と自己評価がズレてしまうのは世の常なのでご容赦願いたいのですが、独学で進学・資格試験に挑もうと思われる方が最初に手に取る一冊としてはいささかハードルが高いと感じました。
私は、地方の公立高校出身で大学受験や資格試験の際あらゆる勉強法を試し自分でも考え実行し結果を残して来ました。その結論として言えるのは、勉強は「暗記すること」と「反復継続をいかに上手にやるか」がすべてです。これ以外はありません。
そして、巷にあふれる、勉強本の内容は主に「暗記」のためのテクニックであったり、勉強に対する「マインド」を書き綴ったものしかありません。そのため、本来ならばA4用紙にまとめられるような内容を無理やり引き伸ばして本にしているという格好になってしまっています。
ここで、「暗記」と「マインド」について、これらの効果的な方法というのは個人差があります。したがって、いくら科学的に効果的でも、合うやり方、合わないやり方はあるし、科学的に否定された方法でも人によっては効果的だったりするわけです。
例えば、英単語を100回書いて覚えると言った方法は、科学的には否定する意見が多いです。しかしながら、この方法がしっくりくると言って、実際に高校3年間反復継続してやり続け、東大模試の英語で100番以内に入った友達がいます。ただ、これほどの結果を普通は出せませんし例外だと思います。ひとつ言えるのは、試験で実力(知識)を吐き出せたということです。
つまり、非効率的な方法で「暗記」しても本番で再現できれば高得点が取れるということです。
ここで伝えたいのは、「どんな方法でも暗記すること」と「継続すること」の2つが勉強法の原理原則であり、結果がすべてということです。なので、「やり方」という形にこだわらず自分自身が納得し信じられることを見つけ、実行し、修正して結果を出して下さい。独学はその意味で1番効率的かつ効果的だと私は思います。ただ、独学もひとつの勉強法のひとつでしかないということも理解して下さい。こだわる必要はありません。
レビューとは関係ないところで盛り上がって長くなりましたが、ここまで読んで下さった方々全員の成功を願って、乾杯!
独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2020/9/29
読書猿
(著)
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本の長さ788ページ
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言語日本語
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出版社ダイヤモンド社
-
発売日2020/9/29
-
ISBN-104478108536
-
ISBN-13978-4478108536
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商品の説明
出版社からのコメント
<本書で紹介している主な技法>
●志を立てる
1 やる気の資源を掘り起こす「学びの動機付けマップ」
●目標を描く
2 学びの出発点を見極める「可能の階梯」
3 学びの地図を自分で描く「学習ルートマップ」
●動機付けを高める
4 未来のミニチュアを組み立てる「1/100プランニング」
5 重い腰を蹴っ飛ばす「2ミニッツ・スターター」
●時間を確保する
6 自分も知らない自分の行動を知る「行動記録表」
7 クズ時間を生まれ変わらせる錬金術「グレー時間クレンジング」
●継続する
10 日課を習慣の苗床にする「習慣レバレッジ」
12 独学の進捗と現在地を知る「ラーニングログ」
●環境を作る
13 他人は意志にまさる「ゲートキーパー」
14 会えない者を師と仰ぐ「私淑」
●知りたいことを発見する
16 脳内知識の棚卸し「カルテ・クセジュ」
17 古代弁論術に始まる自己問答「ラミのトポス」
●資料を探し出す
19 思い付きの検索を卒業する「検索語みがき」
21 巨人の肩によじのぼる「文献たぐりよせ」
●知識への扉を使う
23 可能性としての博識「事典」
24 調査の達人からの贈り物「書誌」
25 入門書・事典・書誌を兼ねた独学者の友「教科書」
●集めた資料を整理する
28 多くの文献を一望化する「目次マトリクス」
29 文献のネットワークを掌握する「引用マトリクス」
30 文献の群れを貫通して読む「要素マトリクス」
●情報を吟味する
31 デマの矛盾をあぶり出す「タイム・スケール・マトリクス」
32 トンデモ主張を暴き出す「四分割表」
●読む
34 知らずに使っている最速の読書法「転読」
35 必要なものだけを読み取る「掬読」
41 読むことを考えることに接続する「刻読」
43 難所を越えるための認知資源を調達する「筆写」
45 思考訓練としての訳読「鈴木式6分割ノート」
46 逆境を乗り越える要約注釈術「レーニンノート」
●覚える
49学習前後に描くことで準備する/定着する「プレマップ&ポストマップ」
50 古代ギリシア発祥のイメージ技法「記憶術(ニーモニクス)」
●わからないを克服する
52 思考の過程を声にする「シンクアラウド」
53 わからなくても迷わない「わからないルートマップ」
●自分の独学法を生み出す
55 自分という学習資源「メタノート」
●志を立てる
1 やる気の資源を掘り起こす「学びの動機付けマップ」
●目標を描く
2 学びの出発点を見極める「可能の階梯」
3 学びの地図を自分で描く「学習ルートマップ」
●動機付けを高める
4 未来のミニチュアを組み立てる「1/100プランニング」
5 重い腰を蹴っ飛ばす「2ミニッツ・スターター」
●時間を確保する
6 自分も知らない自分の行動を知る「行動記録表」
7 クズ時間を生まれ変わらせる錬金術「グレー時間クレンジング」
●継続する
10 日課を習慣の苗床にする「習慣レバレッジ」
12 独学の進捗と現在地を知る「ラーニングログ」
●環境を作る
13 他人は意志にまさる「ゲートキーパー」
14 会えない者を師と仰ぐ「私淑」
●知りたいことを発見する
16 脳内知識の棚卸し「カルテ・クセジュ」
17 古代弁論術に始まる自己問答「ラミのトポス」
●資料を探し出す
19 思い付きの検索を卒業する「検索語みがき」
21 巨人の肩によじのぼる「文献たぐりよせ」
●知識への扉を使う
23 可能性としての博識「事典」
24 調査の達人からの贈り物「書誌」
25 入門書・事典・書誌を兼ねた独学者の友「教科書」
●集めた資料を整理する
28 多くの文献を一望化する「目次マトリクス」
29 文献のネットワークを掌握する「引用マトリクス」
30 文献の群れを貫通して読む「要素マトリクス」
●情報を吟味する
31 デマの矛盾をあぶり出す「タイム・スケール・マトリクス」
32 トンデモ主張を暴き出す「四分割表」
●読む
34 知らずに使っている最速の読書法「転読」
35 必要なものだけを読み取る「掬読」
41 読むことを考えることに接続する「刻読」
43 難所を越えるための認知資源を調達する「筆写」
45 思考訓練としての訳読「鈴木式6分割ノート」
46 逆境を乗り越える要約注釈術「レーニンノート」
●覚える
49学習前後に描くことで準備する/定着する「プレマップ&ポストマップ」
50 古代ギリシア発祥のイメージ技法「記憶術(ニーモニクス)」
●わからないを克服する
52 思考の過程を声にする「シンクアラウド」
53 わからなくても迷わない「わからないルートマップ」
●自分の独学法を生み出す
55 自分という学習資源「メタノート」
内容(「BOOK」データベースより)
読むのが遅い。時間がない。続かない。頭が悪い。お金がない。やる気が出ない。何を、どう学べばいいか迷ったときの羅針盤。「自分を変えたい」すべての人へ。
著者について
読書猿(どくしょざる)
ブログ「読書猿 Classic: between/beyond readers」主宰。「読書猿」を名乗っているが、幼い頃から読書が大の苦手で、本を読んでも集中が切れるまでに20分かからず、1冊を読み終えるのに5年くらいかかっていた。
自分自身の苦手克服と学びの共有を兼ねて、1997年からインターネットでの発信(メルマガ)を開始。2008年にブログ「読書猿Classic」を開設。ギリシア時代の古典から最新の論文、個人のTwitterの投稿まで、先人たちが残してきたありとあらゆる知を「独学者の道具箱」「語学の道具箱」「探しものの道具箱」などカテゴリごとにまとめ、独自の視点で紹介し、人気を博す。現在も昼間はいち組織人として働きながら、朝夕の通勤時間と土日を利用して独学に励んでいる。
『アイデア大全』『問題解決大全』(共にフォレスト出版)はロングセラーとなっており、主婦から学生、学者まで幅広い層から支持を得ている。本書は3冊目にして著者の真骨頂である「独学」をテーマにした主著。なお、「大全」のタイトルはトマス・アクィナスの『神学大全』(Summa Theologiae)のように、当該分野の知識全体を注釈し、総合的に組織した上で、初学者が学ぶことができる書物となることを願ってつけたもの。
ブログ「読書猿 Classic: between/beyond readers」主宰。「読書猿」を名乗っているが、幼い頃から読書が大の苦手で、本を読んでも集中が切れるまでに20分かからず、1冊を読み終えるのに5年くらいかかっていた。
自分自身の苦手克服と学びの共有を兼ねて、1997年からインターネットでの発信(メルマガ)を開始。2008年にブログ「読書猿Classic」を開設。ギリシア時代の古典から最新の論文、個人のTwitterの投稿まで、先人たちが残してきたありとあらゆる知を「独学者の道具箱」「語学の道具箱」「探しものの道具箱」などカテゴリごとにまとめ、独自の視点で紹介し、人気を博す。現在も昼間はいち組織人として働きながら、朝夕の通勤時間と土日を利用して独学に励んでいる。
『アイデア大全』『問題解決大全』(共にフォレスト出版)はロングセラーとなっており、主婦から学生、学者まで幅広い層から支持を得ている。本書は3冊目にして著者の真骨頂である「独学」をテーマにした主著。なお、「大全」のタイトルはトマス・アクィナスの『神学大全』(Summa Theologiae)のように、当該分野の知識全体を注釈し、総合的に組織した上で、初学者が学ぶことができる書物となることを願ってつけたもの。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
読書猿
ブログ「読書猿Classic:between/beyond readers」主宰。自分自身の苦手克服と学びの共有を兼ねて、1997年からインターネットでの発信(メルマガ)を開始。2008年にブログ「読書猿Classic」を開設。ギリシア時代の古典から最新の論文、個人のTwitterの投稿まで、先人たちが残してきたありとあらゆる知をカテゴリごとにまとめ、独自の視点で紹介し、人気を博す。現在も昼間はいち組織人として働きながら、朝夕の通勤時間と土日を利用して独学に励んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ブログ「読書猿Classic:between/beyond readers」主宰。自分自身の苦手克服と学びの共有を兼ねて、1997年からインターネットでの発信(メルマガ)を開始。2008年にブログ「読書猿Classic」を開設。ギリシア時代の古典から最新の論文、個人のTwitterの投稿まで、先人たちが残してきたありとあらゆる知をカテゴリごとにまとめ、独自の視点で紹介し、人気を博す。現在も昼間はいち組織人として働きながら、朝夕の通勤時間と土日を利用して独学に励んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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著者の読書猿氏。
知的好奇心を持つ読書好きや研究者たちの間ではちょっと知られた人物です。
著者のブログには、様々な分野の知(識・恵)とその学び方からアウトプット全般に関し、
我々が抱く疑問や悩みに答えるノウハウや技法について紹介されており、
本書はそれらをさらに深め、体系化した決定版と言えます。
先に断ると、本書は大学受験などをゴールとした狭義の「勉強」「独学」を目指す方にはオススメしません。
他のレビューアー様がお書きのように、そこまでであれば地道な予習や復習などで間に合うからです。
大学受験のみならず難関の各種試験は、目的やゴールどころか動機さえ明確で、客観的評価である点数や合否もありますし。
こうした「勉強」「独学」が念頭にあるのなら、本書は必要なく、ただ「テキスト」に向き合って合格点まで反復学習をすればいいでしょう。
もちろん、読書猿氏はそうした狭義の「勉強」も包摂してはいますが、むしろ大学入学以降や社会人に向けた独学論を展開しています。
そうした人々こそ学ぶ必然性や外圧がない中で、何を学ぶかはそれぞれですが、自身で学ぶ「独学」こそが身を立てる環境にあるわけです。
そして己のために己で学ぶ、その目的や必然性を内発的に見出し、継続していくゆえの固有の難しさがあり、それらを扱い論じているのが本書です。
例えば、ある学問や分野を修めるならどのような形で入っていくべきか、
入門書の選び方、ノートの取り方、記憶法、難解な本の読み方、図書館やDBの利用の仕方。
そもそもなぜ学ぶのかという動機付けや挫折の克服、継続法など、
「独学」の前提であり屋台骨ともいえる部分まで。
およそ「学習者」が遭遇することになる課題について、著者の独りよがりな極論や持論ではなく、
我々の先達である「学習者」たちの知見を著者が吸収し、噛み砕いた形で紹介してくれています。
私自身、幼少より常に劣等生としてコンプレックスを抱えて生きてきました。
人よりも読むのが遅く、理解も浅い、覚えていない、答えられない。
学びを喜び、いや、悦びとまで感じる人たちと己を比べるたびに、
一冊の本さえ読み切れずにいる自分の弱さを呪っていましたし、
いくつもの学習法や読書法、記憶法の本などを読み漁って(正確には挫折して)きました。
読書猿氏のブログとの出会いはそうしてもがいている中でした。
彼のブログは、必ずしも誰にでも簡単に理解できる記事ばかりではありませんが、
学ぶことを諦めたくない人が何とかその手を放さないでいるための手掛かりを、
求める人に与えてくれるものです。
読書猿氏の過去2冊の著作『アイデア大全』と『問題解決大全』は、
膨大に学んで得た「知識のエッセンス」にあたるでしょう。
一方で、本書は彼のように知識をエッセンスとして「吸収する方法」といえます。
学習法、読書法、記憶法、自己管理など、
あえて広い意味で自己啓発と呼べるものに関する本は、
これまで膨大な数が出版され、これからも出版され続けるでしょう。
しかし、その多くはタイトルや技法名は変わっていても、表面的に手を変え品を変えただけで、
本質はどれも同じことを言っているだけです。
それは我々の悩みやコンプレックスの本質が変わっていないからであり、
多くの人は耳障りがよく、ある日寝て起きたら奇跡が起きて、
自分を変えてくれているようなものに憧れているからでしょう。
本書には、魔法のような方法は紹介されていませんが、
学ぶことを諦めたくないと欠片でも思っている人が貫徹すれば、
確実に習得できる実用的な技法が網羅されています。
凡百の自己啓発書のほとんどは、実際には、
数百ページもある割に1冊の中で肝心の部分は数行や数ページであって、
さらにその要諦(要点)は「読むだけではなく、実践してはじめて習得できるもの」です。
しかし、我々はそうした1冊を数日もしくは数週間費やして読み、要諦が何であったかより、
「読んだという満足感」だけ得て、また次の本に飛びつきます。
本書は我々が欲し、習得すべき本質的ともいえるいくつかの要諦を示してくれているのであって、
あえていうなら、もう新たなものは買う必要のない、最後とすべき学びに関するものです。
知的好奇心を持つ読書好きや研究者たちの間ではちょっと知られた人物です。
著者のブログには、様々な分野の知(識・恵)とその学び方からアウトプット全般に関し、
我々が抱く疑問や悩みに答えるノウハウや技法について紹介されており、
本書はそれらをさらに深め、体系化した決定版と言えます。
先に断ると、本書は大学受験などをゴールとした狭義の「勉強」「独学」を目指す方にはオススメしません。
他のレビューアー様がお書きのように、そこまでであれば地道な予習や復習などで間に合うからです。
大学受験のみならず難関の各種試験は、目的やゴールどころか動機さえ明確で、客観的評価である点数や合否もありますし。
こうした「勉強」「独学」が念頭にあるのなら、本書は必要なく、ただ「テキスト」に向き合って合格点まで反復学習をすればいいでしょう。
もちろん、読書猿氏はそうした狭義の「勉強」も包摂してはいますが、むしろ大学入学以降や社会人に向けた独学論を展開しています。
そうした人々こそ学ぶ必然性や外圧がない中で、何を学ぶかはそれぞれですが、自身で学ぶ「独学」こそが身を立てる環境にあるわけです。
そして己のために己で学ぶ、その目的や必然性を内発的に見出し、継続していくゆえの固有の難しさがあり、それらを扱い論じているのが本書です。
例えば、ある学問や分野を修めるならどのような形で入っていくべきか、
入門書の選び方、ノートの取り方、記憶法、難解な本の読み方、図書館やDBの利用の仕方。
そもそもなぜ学ぶのかという動機付けや挫折の克服、継続法など、
「独学」の前提であり屋台骨ともいえる部分まで。
およそ「学習者」が遭遇することになる課題について、著者の独りよがりな極論や持論ではなく、
我々の先達である「学習者」たちの知見を著者が吸収し、噛み砕いた形で紹介してくれています。
私自身、幼少より常に劣等生としてコンプレックスを抱えて生きてきました。
人よりも読むのが遅く、理解も浅い、覚えていない、答えられない。
学びを喜び、いや、悦びとまで感じる人たちと己を比べるたびに、
一冊の本さえ読み切れずにいる自分の弱さを呪っていましたし、
いくつもの学習法や読書法、記憶法の本などを読み漁って(正確には挫折して)きました。
読書猿氏のブログとの出会いはそうしてもがいている中でした。
彼のブログは、必ずしも誰にでも簡単に理解できる記事ばかりではありませんが、
学ぶことを諦めたくない人が何とかその手を放さないでいるための手掛かりを、
求める人に与えてくれるものです。
読書猿氏の過去2冊の著作『アイデア大全』と『問題解決大全』は、
膨大に学んで得た「知識のエッセンス」にあたるでしょう。
一方で、本書は彼のように知識をエッセンスとして「吸収する方法」といえます。
学習法、読書法、記憶法、自己管理など、
あえて広い意味で自己啓発と呼べるものに関する本は、
これまで膨大な数が出版され、これからも出版され続けるでしょう。
しかし、その多くはタイトルや技法名は変わっていても、表面的に手を変え品を変えただけで、
本質はどれも同じことを言っているだけです。
それは我々の悩みやコンプレックスの本質が変わっていないからであり、
多くの人は耳障りがよく、ある日寝て起きたら奇跡が起きて、
自分を変えてくれているようなものに憧れているからでしょう。
本書には、魔法のような方法は紹介されていませんが、
学ぶことを諦めたくないと欠片でも思っている人が貫徹すれば、
確実に習得できる実用的な技法が網羅されています。
凡百の自己啓発書のほとんどは、実際には、
数百ページもある割に1冊の中で肝心の部分は数行や数ページであって、
さらにその要諦(要点)は「読むだけではなく、実践してはじめて習得できるもの」です。
しかし、我々はそうした1冊を数日もしくは数週間費やして読み、要諦が何であったかより、
「読んだという満足感」だけ得て、また次の本に飛びつきます。
本書は我々が欲し、習得すべき本質的ともいえるいくつかの要諦を示してくれているのであって、
あえていうなら、もう新たなものは買う必要のない、最後とすべき学びに関するものです。
2020年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく分厚い。少しずつ読み進めています。
余白が十分に取られているので書き込みながら読書をする方にはもってこい。紙質は厚めで、ペンでメモを入れても裏写りしないです。
独学の道は厳しいものだと分からせてくれる1冊。楽な道を探そうとする自分の弱さと向き合い、それを受け入れること。独学をする上でこれが重要であると説く導入部分に大いに引き込まれました。技術面の記述も重厚。
この本とも自分自身とも、じっくり向き合っていきたいです。
余白が十分に取られているので書き込みながら読書をする方にはもってこい。紙質は厚めで、ペンでメモを入れても裏写りしないです。
独学の道は厳しいものだと分からせてくれる1冊。楽な道を探そうとする自分の弱さと向き合い、それを受け入れること。独学をする上でこれが重要であると説く導入部分に大いに引き込まれました。技術面の記述も重厚。
この本とも自分自身とも、じっくり向き合っていきたいです。
2020年10月11日に日本でレビュー済み
この本が気になった方は、ダイヤモンド社のサイトにて、1つ目の技法「学びの動機付けマップ」の試し読みができますので、まずはそちらを。
(「ダイヤモンド社 独学大全」などと検索すればすぐに出てくると思います)
【どんな本?】
ロングセラー『アイデア大全』『問題解決大全』の著者による勉強の百科事典。
最新の学習科学・心理学・哲学・行動分析学・心理療法などあらゆる分野の知識をもとに、それらを学習用に最適化した55の技法が収録されています。
帯には、独学で東大教授への道を開いた柳川範之氏、独学を武器にする独立研究者の山口周氏らによる推薦文が寄稿されています。
10/11現在、Amazonや各地の書店では品薄になっており、著者のTwitterではすでに3刷目の増刷の発表がされています。
(2021/1 追記 刊行から3ヶ月経った今では、すでに14万部を突破しているとのことです。)
【どんな内容?】
この本では「どのように学ぶか」よりも「何を学ぶか」、そしてそれよりも「まず始めること、そしてどうやって続けるか」が最も重要と述べられています。
「独学を始めることは難しくない。しかし続けることは容易くない(53ページ)」
ですから本書の構成は以下のようになっています。
・第1部 なぜ学ぶか(まず始めること、そして続けるためのやり方)
・第2部 何を学ぶか(資料の探し方から、デマを見抜くための情報の精査まで)
・第3部 どうやって学ぶか(本の読み方、記憶の仕方などの勉強法)
・第4部 本書の技法の活用例として、国語と英語、そして数学の学び方
各章の冒頭は「親父さん」と「無知くん」というキャラクターによる対話で構成されています。
また紙面の余白が広く取られていたり、図面も多く収録されているなど、読みやすくする工夫が詰め込まれているように感じました。
【この本の読み方】
この本の読み方については、33ページ「本書の構成と取説」に書かれています。
何しろ700ページ以上の大著ですから、すぐにすべてを読み通す必要はありません。
まずは一番最後のページに「独学困りごと索引」というのがありますので、ここを見ることをおすすめします。勉強を続けていて困ったことがあったら、この本の何ページに自分の知りたい情報があるかをすぐに調べることができます。
つまり辞書で調べたい言葉を引くときのように読むわけです。
「独学困りごと索引」の中身をいくつか紹介します。
・この本の使い方がわからなかったら
・やる気がでなかったら
・意志が弱くて挫折しそうになったら
・一冊の本を読み切ることができないなら
・すぐ忘れていやになったら
・自分よりできる人を見て心が折れたら
・自分の頭の悪さを嘆きたくなったら
・わからなくて勉強をやめたくなったら
著者の前著と同じように、この『独学大全』は実践の書です。
ただ読むだけでも面白いですが、この本の技法を自分で使ってみて初めて、真価が発揮されると言っても過言ではないように思います。
勉強に関する事項を網羅しつつも、初学者を決しておいてけぼりにしない、まさに「大全」の名にふさわしい一冊です。
(「ダイヤモンド社 独学大全」などと検索すればすぐに出てくると思います)
【どんな本?】
ロングセラー『アイデア大全』『問題解決大全』の著者による勉強の百科事典。
最新の学習科学・心理学・哲学・行動分析学・心理療法などあらゆる分野の知識をもとに、それらを学習用に最適化した55の技法が収録されています。
帯には、独学で東大教授への道を開いた柳川範之氏、独学を武器にする独立研究者の山口周氏らによる推薦文が寄稿されています。
10/11現在、Amazonや各地の書店では品薄になっており、著者のTwitterではすでに3刷目の増刷の発表がされています。
(2021/1 追記 刊行から3ヶ月経った今では、すでに14万部を突破しているとのことです。)
【どんな内容?】
この本では「どのように学ぶか」よりも「何を学ぶか」、そしてそれよりも「まず始めること、そしてどうやって続けるか」が最も重要と述べられています。
「独学を始めることは難しくない。しかし続けることは容易くない(53ページ)」
ですから本書の構成は以下のようになっています。
・第1部 なぜ学ぶか(まず始めること、そして続けるためのやり方)
・第2部 何を学ぶか(資料の探し方から、デマを見抜くための情報の精査まで)
・第3部 どうやって学ぶか(本の読み方、記憶の仕方などの勉強法)
・第4部 本書の技法の活用例として、国語と英語、そして数学の学び方
各章の冒頭は「親父さん」と「無知くん」というキャラクターによる対話で構成されています。
また紙面の余白が広く取られていたり、図面も多く収録されているなど、読みやすくする工夫が詰め込まれているように感じました。
【この本の読み方】
この本の読み方については、33ページ「本書の構成と取説」に書かれています。
何しろ700ページ以上の大著ですから、すぐにすべてを読み通す必要はありません。
まずは一番最後のページに「独学困りごと索引」というのがありますので、ここを見ることをおすすめします。勉強を続けていて困ったことがあったら、この本の何ページに自分の知りたい情報があるかをすぐに調べることができます。
つまり辞書で調べたい言葉を引くときのように読むわけです。
「独学困りごと索引」の中身をいくつか紹介します。
・この本の使い方がわからなかったら
・やる気がでなかったら
・意志が弱くて挫折しそうになったら
・一冊の本を読み切ることができないなら
・すぐ忘れていやになったら
・自分よりできる人を見て心が折れたら
・自分の頭の悪さを嘆きたくなったら
・わからなくて勉強をやめたくなったら
著者の前著と同じように、この『独学大全』は実践の書です。
ただ読むだけでも面白いですが、この本の技法を自分で使ってみて初めて、真価が発揮されると言っても過言ではないように思います。
勉強に関する事項を網羅しつつも、初学者を決しておいてけぼりにしない、まさに「大全」の名にふさわしい一冊です。
2020年12月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
勉強法が多数列挙されているが、多くは効果の有無についてのエビデンスが示されているわけでもなく、どういうときに使うべきかの指針も不足しており、単に大量の情報を未整理のままメリハリなく羅列している。各勉強法の冒頭の会話形式のイントロは読みにくいだけ。浅く広く情報を記載した辞書であり、勉強法の本をひと通り読んだことがある読者には得るものは少ないだろう。