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狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ 単行本 – 2016/10/31

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商品の説明

内容紹介

戦後文学史に残る伝説的夫婦の真実に迫り、『死の棘』の謎を解く衝撃大作。

島尾敏雄の『死の棘』に登場する愛人「あいつ」の正体は?
あの日記には何が書かれていたのか。
ミホの書いた「『死の棘』の妻の場合」は、なぜ未完成なのか。
そして本当に狂っていたのは妻か夫か──。
未発表原稿や日記、手紙等の膨大な新資料によって、
不朽の名作の隠された事実を掘り起こし、
妻・ミホ生涯を辿る、渾身の決定版評伝。


目次より
序章 「死の棘」の妻の場合
第一章 戦時下の恋
第二章 二人の父
第三章 終戦まで
第四章 結婚
第五章 夫の愛人
第六章 審判の日
第七章 対決
第八章 精神病棟にて
第九章 奄美へ
第十章 書く女
第十一章 死別
第十二章 最期
「死の棘」あらすじ/島尾敏雄・ミホ年譜/主要参考文献

内容(「BOOK」データベースより)

島尾夫妻それぞれの日記や手紙、草稿、ノート、メモなど、膨大な未公開資料によって妻・ミホの生涯を辿る、渾身の決定版評伝。

商品の説明をすべて表示する

登録情報

  • 単行本: 672ページ
  • 出版社: 新潮社 (2016/10/31)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4104774022
  • ISBN-13: 978-4104774029
  • 発売日: 2016/10/31
  • 商品パッケージの寸法: 19.3 x 13.7 x 3.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9 8件のカスタマーレビュー
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 4,071位 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップカスタマーレビュー

投稿者 トップ500レビュアー 投稿日 2016/11/7
形式: 単行本 Amazonで購入
 まず、660ページにわたる本書のボリュームに、そして11年の年月をかけて本書を完成させた梯久美子さんのエネルギーに、圧倒されました。膨大な資料の収集と綿密な調査、多くの関係者へのインタビュー、島尾夫妻の著作は言うに及ばず、未発表の草稿にまで目を通す徹底的な読み込み‥‥。そこまで梯さんを捕らえて離さなかった島尾ミホとはどんな人物なのか?

 終戦直前、奄美大島のすぐ南にある加計呂麻島に配属された、九大卒エリートの特攻隊隊長の島尾中尉と、島の有力者の一人娘で東京の女学校を出た、垢抜けた知的な娘・ミホ。沖縄はすでに占領され、明日をも知れない極限状態の中、2人が恋に落ちるのはお約束のようなもので、この加計呂麻時代の話に全体の3分の1近くが費やされています。
 
 明日はないものと思い恋に没入した男は、終戦を迎えて実家のある神戸に戻り、女は老いた父一人を島に残して男の後を追いかけます。しかし、そこに待っていたのはしらけた現実、というのもまたお約束で、自然溢れる島でのびのびと育ち「お嬢様」として皆に大切にされていたミホは、夫の親や親戚から「南の離島から来た得体の知れない女」扱いされ、ショックを受けます。(沖縄のデモで大阪府警の機動隊員が暴言を吐いたことが問題になりましたが、ああいう差別感情が実際にあったそうです)
 本書の始めの島での話が濃密
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形式: 単行本
これは島尾敏雄とミホをめぐる待望の書と言って間違いない。これまでに書かれたもののどれをも上回った決定本である。
レヴュアーの雀さんによって言い尽くされているのだが、蛇足ながら気付いた点をいくつか忘備録として挙げたい。
この本を読むことによって『死の棘』の読みも、島尾とミホという夫婦像も修正が迫られる。なかでも大きいのはミホ=巫女=少女という、吉本隆明や奥野健男らが流布したイメージだろう。ただしミホ自身が後年それを演じた部分も相当に大きい。これと同時に吉本の南島論や島尾のヤポネシア論も、見直しを促すような指摘がなされている(しかもそれはきわめて説得的である)。
おそらく読者の関心は『死の棘』時期の前後に集中するだろうが、著者の梯さんならではの目配りに全編ただただ圧倒された。きわめて広い範囲を曇りなく見通すまなざしがここにある。取りあえず2点だけ以下に簡単に挙げてみたい。

第十章「書く女」 ミホの『海辺の生と死』はかつて読んだことがあるが、梯さんの導きによって島尾との生活、なかんずく『死の棘』との関連での再読・再評価が必要になってくる。『死の棘』が現実にかなり忠実に書かれたのと同様、『海辺』その他のミホの作品も、自分・自分たちの生活を色濃く反映していることが分かった。「書かれる女」から「書く女」へと転身する姿が、スリリングに捉えられて
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形式: 単行本 Amazonで購入
 2016年の最大の文学的偉業、梯久美子(かけはしくみこ)による島尾ミホの評伝「狂う人」を読むにあたり、島尾敏雄の17年間にわたり書きつづけられた長編「死の棘」を取り出してみた。昭和52年出版の世の中を震撼とさせたこの黙示録に、当時、生きるエネルギ-が全部吸収されてしまうかのような衝撃を受けたのを覚えている。その2年前の昭和50年に刊行された東欧紀行「夢のかげを求めて」は、この国でこれまでに書かれた紀行文の金字塔とでもいうべき作品だった。多くの日本人にとって振り子の振れ幅の一番端に位置するポーランドやチェコという、普通ならばわきにどけておく国々の人々が、ページから忽然と目の前に立ち現れる。「死の棘」はそれとのギャップが大きすぎてすくんでしまったのだ。
 「死の棘」は、夫の浮気を知り精神に錯乱をきたした妻のミホとともに夫が千葉県の国立国府台病院精神科の閉鎖病棟に入院するところで終わる。ミホの評伝であるこの「狂う人」は、そこにいたる過程をミホからの聞き取りを中心におきつつも、語られていない多くの出来事を文献により推測しながらミホの半生を丹念に検証していく。そのうえで、小説の終わったあとのことが本の1/3を占める。閉鎖病棟でのふたりの生活(といえるだろうか?) が克明に記録されている。退院後に、ふたりは禁忌にとりまかれた東京を離れ、移住先の奄美大嶋にわたる。「いくら島尾が心を入
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形式: 単行本
600ページを超える大部である。
しかし、どこにも無駄が感じられない。著者の執念とも思える取材と
そこから生まれた緊迫感のある文章。

奥野健男や吉本隆明らによってつくられた島尾ミホのイメージを
覆すというか一変させるというか……。

ミホへのインタビューは未完に終わるのだが,その後発見された膨大な資料を
著者はおそらく何もかも忘れるほど没頭して読み込んだのだろう。
でないと、ここまでのノンフィクションはできない。

ミホを狂わせた17文字とは、何だったのだろうか。俳句だったのだろうか手紙の一節だったのだろうか。
いずれにしても「文字」によって、彼女は突き動かされる。
『死の棘』の凄さの秘密を見る思いの力作である。
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