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犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書) 新書 – 2006/12/13

3.8 5つ星のうち3.8 35個の評価

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 光文社 (2006/12/13)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2006/12/13
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 249ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4334033814
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4334033811
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 35個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2016年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 現実の犯罪動向と日本人の大多数が感じている体感治安の悪さを比較論証しています。浜井氏が描いている部分はリアルかつ説得力を感じますが、芹沢氏が書いている部分は読んでいるうちに暗澹としていきます。浜井氏の単著だとよかったのに、と思います。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年6月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2008年の4月に光市母子殺害事件の差し戻し控訴審死刑判決があったころから、「死刑存置」や「厳罰主義」がまるで常識であるかのように世の中で語られるようになってきたことに気づき、団塊の世代に属する私は「どうして昔とちがうこんな意見が主流になってしまったのか?」と疑問をいだき、資料を調べ始めた。

すると、1990年代の半ばごろからこの兆候はすでに芽生えており、2000年前後には動きはかなり顕在化してきていたことに、あらためて気づいた。

永山則夫が世間の話題だった1970年代から80年代にかけては、凶悪犯罪といえば、「どうして社会はこのような加害者を生んでしまったのか?」とまず問いを立て、われわれ自身に内在する加害者と通じ合う闇の側面を見つめ、「私自身もまかりまちがえば彼らになっていたかもしれない」という内なる問題として犯罪を問う言説が主流だった。

これが宮崎勤事件以降、徐々に変遷し、加害者が理解不可能な社会の毒素のように見なされて、ひたすらそういう毒素からの「われわれの社会」の防衛を考える「セキュリティー」志向の方向へと、マスコミ・知識人の言説も舵を切ってきたありさまが、芹沢によって細かく解明されている。

それに加えて、「犯罪増加」「凶悪化」がひとつの神話であり、統計にもとづかない「体感」であることが浜井によってデータ面から克明に明らかにされている。

本書の出版年は2006年だが、その時点で今に結びつく問題点はすでに出尽くしていたのだ。この問題を考えるうえで貴重な一書である。なお、この傾向が北欧以外の多くの先進国に共通した国際的現象であること(死刑の存置は日本とアメリカだけの現象だけれど)をより学問的に明らかにしている本として、本書の著者の一人である浜井の編になる『グローバル化する厳罰化とポピュリズム』(現代人文社)があるので、本格的に考えたい人はそれも参照するとよい。
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年8月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初この本を読んだとき、ああ、やっぱりそうか、と思いました。
絶対にマスコミに踊らされていると感じていたからです。実際にも、そうだと思います。
しかし、重要なのは、犯罪が少なければ何もしなくてよい、ということにはならないのでは。
ただ、この本の持っている視点はなくしてはいけないと思います。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年10月4日に日本でレビュー済み
 本書は決して,過度に「分かりやすい」マスコミの
言葉遣いを戒めている訳ではないのだろうと思います。
仮にマスコミが,人口動態統計,犯罪被害調査の数字
を使って体感治安が幻想だったと発表し始めたところ
で,浜井が危惧する犯罪不安社会が消えてなくなると
は,およそ考えがたいように思えるからです。

 入所拒否がありえないという唯一の施設,刑務所か
ら社会を見詰めてきた浜井にとって,本書で指摘され
ているような事実を知ることは,犯罪白書を巧みに利
用して職域を確保しつつある警察に目を光らせるため
でも,それを鵜呑みにして無用な犯罪不安を引き起こ
してきたマスコミを非難するためでもないはずです。
多数派と少数派,普通の人と普通でない人,善良な市
民と犯罪者,コミュニティのメンバーと不審者,この
ようなありふれた二分法が持つ意味を,僕たちは再考
しなければならないのだろうと思います。

 一方の芹沢は,文化史からアプローチしながら,大
凡,浜井と同じ方向性の議論を展開しているように見
えます。ただ,特定少数の事件だけを引用,分析して
いる関係で,過不足が多く,全体として粗雑,という
印象は否めません。2人の著者の間では共有できるも
のが沢山あるのかも知れませんが,読者から見る限り,
文章のトーンだけでなく,基本的な問題意識の点で,
既にかなりの温度差があるようにも思えます。

 浜井を1,4章,芹沢を2,3章とした構成にどの
ような狙いがあったのか,芹沢のトーンが不釣合いな
違和感を与えてしまっている点を差し引いて,星4つ
に止めます。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わたしは数年前から現在の犯罪報道や治安崩壊の風説に疑問を感じ、暇を見つけてはチマチマとこのテの本を読んでいたが、この本はある種の決定版と言える。

ワイドショーで自身たっぷりに話すコメンテーターが、

沈痛な面持ちで現代社会の悲惨さを訴える政治家が、

そして我々一般市民が、

誰も彼もが、いかに何も知らないかを思い知らされた。

実際には無知の塊である”自称知識人”達の無責任な発言によって社会がどれだけ毒されているか。

発言したければ勉強することだ。勉強できないのなら発言してはいけない。

こんな当たり前のことが、最も守らなければいけないジャーナリスト業界で全く守られていない。

「自分はベテランだから」「皆からの信頼も厚いから」とタカをくくり、天狗になり、結果として”個人の思いつき”に過ぎない妄想を、さも事実であるかのように全国放送する。

こんなことが誰にも疑問を持たれることなく横行しているという事実にわたしは打ちのめされた。

今、早急になんとかしなければならないのは、子供でも親でも教育でもなく、ジャーナリスト達ではないのか。
113人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年8月1日に日本でレビュー済み
政策には常に一定のリスクやコストがつきまとう。
それを嫌って行動しないのであれば、何の政策も打てなくなるだろう。

この本は終始、現在の政策批判に終わる。
確かに特殊な事例を一般的な事象だと捉え、
大げさに対応することへの批判等は妥当かもしれない。
しかし批判のみに終始し、新たな政策を提示することのない
この本は、無責任と言わざるを得ない。

犯罪はむしろ減少しているというから、対策しなくてもよいと述べているが、
これが現在行われている対策による減少の可能性も否定しきれていないし、
コミュニティ崩壊で犯罪が増加した数より、経済成長で犯罪が減少した数の方が、多いという可能性も否定しきれていない。

どこかの政党と同じように、
他者の主張や政策には絶対的根拠や効果を求める割に、
自らの主張にはそれを満たすものはない。
こういった理由から高い評価を与えることは出来ないので☆3が妥当だろう。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年9月23日に日本でレビュー済み
日本の安全神話の崩壊が幻想であり厳罰化と監視強化が進むことの問題点を指摘する。浜田氏が統計処理により、芹沢氏がマスコミなどの論調の推移をベースにしてして。

殺人そのものは確かに増えてない。一方、検挙率は明らかに下がっているが、それは、犯罪の認識率が上がっているからだという。そして、加害者への同情時代からから被害者感情への共感から犯罪者への切捨ての時代が始まっているととく。
そして、カメラなどによる監視強化や、罰則の強化の危険性を指摘する。そして地域社会コミュニティの空洞化対策の不毛と危険を指摘する。

ここで書かれていることは、明らかに過剰であり、殺人数が増えていないからといって、犯罪のパターンが変わっていないことはないのであり、地域社会対策が要らないというのは明らかに違うだろう。いくつかの対策は不可欠である。

しかし、安全性への不安が過剰であるのも確かだろう。これは、個人情報漏洩への反応も同様であり、個人情報を守るためにもっと大切なものをいっぱい失っているような気がする。幼稚園の運動会で写真を写せないなどというのは明らかにおかしい。

他人の個人情報は大切にしなければならないが、自分の個人情報にはもっともっとおおらかであるべきだと思っている。個人情報を失っても、もっとすばらしいコミュニケーションが確実にあると思っている。今、社会がどんどんちじんで行くのが怖い。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート