自分の出身地にある地名と同じなので、興味を持って手に取ったところ、まさしくその地を題材にした小説だった。キリシタン大名の大友宗麟が、ラテン語で音楽を意味するムジカから命名した地名だということを初めて知った。
作品についていえば、本書には4つの短編(エッセイを含む)が収められているが、いずれも遠藤周作の作品としては、なぜ文庫化したのかと思うほどレベルが低い。「遠藤周作全集」の端にわずかに席を与えられるくらいの質の作品ばかり。
巻末の解説のレベルも低く、まちがいもある。「日向延岡の小料理屋で聞いた話」とあるが、主人公が無鹿の話を聞いたのは宮崎市内の小料理屋。解説者はまともに作品を読んでもいない。日向延岡という地名も実際にはない。日向と延岡は別の市だ。どういうことだろう? という疑問ばかりが残る1冊だった。
1つだけ感心した点をあげれば、「無鹿」に出てくる宮崎弁の正確さ。これほど正確に方言を操る遠藤周作という人に驚く。一流の作家のすごみを感じた。
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