①(バラモン級の)戒律は外せない
母親のコーラマタンマルにバラモンの戒律を厳しく躾けられた。
いわば、精神貴族、高等遊民であった。
②純菜食主義
肉食から生じる、情(性)欲に悩まされずに数学に専念出来た。しかし結局これがラマヌジャンを滅ぼす最大の原因となった。
③カーの数学公式集が手元にあった。
ほとんど証明の無いB級数学公式集を手に入れていた。それ故自分で手計算して確かめなければならなかった。これがラマヌジャンに数学の実力を付けさせた。
セルバーグはラマヌジャンの論文集(ケンブリッジ出版局)を手に入れて愛読したのでリーマン予想に近づく事が出来た。
④貧困
数学以外に楽しみを求める経済的ゆとりが無かった。考えた数式を記録するノートを買うくらいしか経済的余裕が無かった。
⑤母親の強烈なナマギーリ女神信仰
これは母親から遺伝的に受け継いだヒンドウ教の強烈な教え。
⑥ハーディ・リトルウッドクラスの理解者の存在
関数論による証明の基礎をラマヌジャンに教えたのは彼らだった。
これら、①+②+③+④+⑤+⑥の環境があれば、日本でも千人位のラマヌジャンを育成出来るだろう。
ラマヌジャンの場合これら、六個の偶然が偶々重なって起こった。20世紀後半のハリッシュ・チャンドラの成功はラマヌジャンに刺激を受けたものだろう。残念なのは日露戦争の勝利がラマヌジャンに及ぼした影響がが全く触れられて居ないことだ。イギリスの植民地だったインドには当然強烈なインパクトがあったはずだ。
享楽文化の蔓延る現代の日本では、こら等の環境を求めることはほぼ絶望的である。
人工的にこのような環境を文部大臣が作り出すより方法が無いだろう。よって日本では無理。
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