キャラクターデータなどを排除し、ストーリーテリングに特化したかなり尖った方のシステム。
秀逸なのは「囁き」という要素。
これは各PCに設定された秘密（インセインのそれに似ている）のことで、特徴はその内容を基本的には自ら公開できる。
囁きの内容はPCの深い感情に関わるものなので、公開するだけでもかなりロールプレイのネタになる。
つまり、各PCが自分に割り当てられた囁きを遊ぶだけでも、十分にドラマチックな物語を作れるのだ。
作品の志向は死、退廃、悲劇といった負のイメージに溢れ、そこに幽霊やグレムリンといった幻想的なイメージが加わって、まさにゴシック・ホラーものといった感じで、結末も悲劇的なものになる可能性も高くそこは人を選ぶ。
（事実、本の中でもセッションの内容がバッドエンドやメリーバッドエンドを迎えることが多いと書かれている）
しかし、そこまで尖った世界だからこそ、他のシステムでは得難いキャラクター同士の深い感情のやり取りに満ちた物語を作れるのだろう。
TRPGを通して物語を作るのが好きで、キャラクターが自他の感情に惑わされた挙句に悲劇に陥るような物語が刺さる人には、是非一度プレイしてほしいと思います。
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