私は宮城県出身であるにも関わらず、「蝦夷」と聞いて「坂上田村麻呂に討伐された」という知識しか持ち合わせていなかった。本書を読んで唖然としたのだが、地元の小学校でも中学校でも、本書で描かれているような、蝦夷の「生きた」歴史は全く教えられなかった。現在でもそうなのではないか。蝦夷による朝廷に対する抵抗の歴史は、戦国時代などに比べると単調だったため、物語として語られることが少なかったということなのだろうし、本書は、その歴史を現在の読者でも楽しめるように多少脚色していると思われるが、これまでほとんど取り上げてこられなかった蝦夷を主人公とした本書の意義は大きい。
東京に出てきた東北出身者としては、やはり本書に出てくる地名が懐かしい。恥ずかしながら、私が生まれた多賀城がどのような経緯で設置されて、どのような機能を有していたかも、本書を読んで初めて理解することができた。また、私の両親の故郷である岩手県南部と宮城県北部が上巻の舞台であり、子供の頃に訪れたこれらの土地の情景を思い浮かべながら本書を読んだ。古代東北の歴史を教えてくれる良書だと思う。
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