「キャラ名+キャラの特性」というタイトルは、誰が主人公でどういうことが描かれているかが一目でわかるという利点はあれ、ワクワク感、想像力を刺激しないというデメリットがあるように思います。
また「友達がいない」とぼっちであることを強調することで、世に氾濫している「ぼっちであることをステータスか何かと勘違いし斜に構えている主人公の作品」を想起してしまい、リアルぼっちだった私としてはちょっと警戒するタイトルでした。(キャッチコピーの「お一人様コメディー」の方がこの漫画の本質に近い)
無料で読める期間がなければタイトルで絶対に読まなかったです。
もしそういった方が他にもいるのであれば、安心して読める作品だというのを伝えたいです。
この作品は綺麗事やご都合主義を描きません。
湯神くんが周りのキャラクターに、周りのキャラクターが湯神くんに感化され、変化、成長していく青春模様がコメディとして楽しく読めます。
とにかく作者のキャラクターに対する洞察力がすごい。
特に湯神というクセのあるキャラクターが、どんな風に生きている(生きてきた)のかがリアリティを持って描かれています。
1日の終わりにペン箱整理して制服にアイロンをかけ、今日やるべきことをやったか事細かにチェックしている描写なんて、湯神くんのめんどくさい性格がよく出ています。
何が正しいかしっかり自分で考えて行動できる湯神くんはカッコいいです。時として体制側に一人で異議を申し立てたり、結果的に誰かを助けたりします。
でもやっぱりこだわりが強すぎて独りよがりのところもあるから、それによるトラブル、弊害も起きる。そういうところもちゃんと描かれていきます。
準主人公?の綿貫さんは湯神くんとは真逆で、ちょっと気弱でふわふわした普通の感じなのだけど優しくて、でも意外とひねくれたことも言ったり、彼女もとてもいいキャラクターです。
湯神くんとの仲もラブコメっぽくはあるんだけど、「お互いが理解者である友人」というところが先に大事にされているように感じます。
二人のやりとりも見どころの1つです。
また、根底に流れているコメディの空気感がいいです。
高橋留美子先生やあだち充先生などに見られる、テンション抑えめのちょっととぼけたようなコメディ感。サンデーの系譜なのでしょうか。
私は15巻まで読んでいて今がクライマックス付近なのですが、そこまで一切中だるみを感じませんでした。
1巻読んで好みに合えば、まとめ買いしても後悔しない作品なのではないかと思います。
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