人類滅亡もののSFというと、群衆のパニック、ハラハラドキドキの戦闘、地球大爆発!みたいな派手なイメージがあるかもしれませんが、これは正反対。
静かに、人類の最後の数日を描きます。動揺もパニックも含めて、人間の感情の機微が細かく描かれていて、非常にリアルな人類滅亡。
放射能による滅亡なので、生き物は死ぬけれど、街並みが変化しないのも良い。人類が消えた後にのこる静かな情景が目に浮かぶ。
大人なSFです。最後のシーンが美しくて泣けます。
読み終わった後にタイトルを見てもまた泣けます。
自分だったら、世界が終わるときにどう暮らすかな?なんてことも考えたり。
SFは本当に色んな仮定で物語を作れるのが魅力ですね。
ちょっと静かに沁みる本を読みたくなったときにオススメです。派手な展開やワクワクを求めてる人は、同じ人類滅亡なら「トリフィドの日」をお勧めします。
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渚にて 人類最後の日 (創元SF文庫) Kindle版
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言語日本語
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出版社東京創元社
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発売日2009/4/30
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ファイルサイズ1567 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
第三次世界大戦が勃発、放射能に覆われた北半球の諸国は次々と死滅していった。かろうじて生き残った合衆国原潜“スコーピオン”は汚染帯を避けオーストラリアに退避してきた。ここはまだ無事だった。だが放射性物質は確実に南下している。そんななか合衆国から断片的なモールス信号が届く。生存者がいるのだろうか?―一縷の望みを胸に“スコーピオン”は出航する。迫真の名作。
--このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
佐藤/龍雄
1954年生まれ。幻想文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
1954年生まれ。幻想文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B007TAKM84
- 出版社 : 東京創元社 (2009/4/30)
- 発売日 : 2009/4/30
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1567 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 480ページ
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 33,781位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 20位創元SF文庫
- - 108位SF・ホラー・ファンタジー (Kindleストア)
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2017年2月20日に日本でレビュー済み
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45人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2018年4月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スペクタクルも、カタストロフもない、ひとりひとりにほぼ平等に訪れる黄昏の日を前にした暮らしと仕事が、淡々と描かれる。潜水艦のシーンと冒頭の背景説明がなければ、日々の日常をを描いたただの文学のようにも思える。その日常の描写のひとつひとつを切なくやりきれなく受け取らせるのは、これが終わりに向かう限られた一日だと思っている読者だから。中学生のときはそのやりきれなさが分からなかった。再読して初めて分かった。ずいぶん時間がかかったものだ。
2019年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これを読んだ時期はだいぶ前なのですが、
自分には物語の重さをすぐに消化しきれず、半年間程感想を寝かしていました。
核戦争による放射能汚染で、地球が滅亡するまでの数ヶ月間を描いた小説。
放射能汚染からもっとも遠いオーストラリアを舞台に、じわじわと南下してくる放射能や北半球で失った家族を思いながら、残された時間を過ごす人々の話です。
物語の大半は牧場仕事や庭造り、釣り等をする人々の日常ですが、中盤以降に描かれる誰もいない北半球の風景が非常に印象的です。
滅亡の数ヶ月前には石炭資源を節約している人々が、いよいよ直前になるとそれらを景気よく使い始めるなど、SF作家の箱庭実験のような側面もありますね。
主要人物の多くが軍関係者、または彼らに感化される人物のせいか、死期を迎える彼らの行動はみな誠実で潔いです。
ホームズ夫妻のやり取りなど、必ずしも聡明ではない場面もありますが、誰一人として晩節を汚す者がいない、静かで美しい黄昏時の物語です。
実際に死や絶望を目前にした人間の中には、みっともなくあがいたり、それまで積み上げてきた一切合切を捨てて愚行に走る者もいると思うのですが。
けれどそういった醜悪な人間性が排除されているからこそ、この静謐で牧歌的な世界観が完成されているように思います。
或いは作中の人々の鬱屈や攻撃性はすべて昇華され、後半の自動車レースの話に集約されているのかもしれません。自分はこのレース編の主人公が小気味良くてかなり好きでした。
自分は時間と気力がある時は一気に本を読み進めるタイプなのですが、本書は読み終えるまでかなり日数がかかりました。
序盤から中盤までの日常描写が正直退屈で(^^;)
けれど、その退屈で凡庸に思える日常が、作中人物にとっては一番心穏やかで平和な時期なんですよね。
それが、ある意味現実に通じていてリアルでした。
退屈でつい粗末にしてしまう時間や人間関係が、後から思えばかけがえのない貴重なものだったりするので。
今目の前にあるうちはちゃんと大事にしようと、そんなことを思いました。
自分には物語の重さをすぐに消化しきれず、半年間程感想を寝かしていました。
核戦争による放射能汚染で、地球が滅亡するまでの数ヶ月間を描いた小説。
放射能汚染からもっとも遠いオーストラリアを舞台に、じわじわと南下してくる放射能や北半球で失った家族を思いながら、残された時間を過ごす人々の話です。
物語の大半は牧場仕事や庭造り、釣り等をする人々の日常ですが、中盤以降に描かれる誰もいない北半球の風景が非常に印象的です。
滅亡の数ヶ月前には石炭資源を節約している人々が、いよいよ直前になるとそれらを景気よく使い始めるなど、SF作家の箱庭実験のような側面もありますね。
主要人物の多くが軍関係者、または彼らに感化される人物のせいか、死期を迎える彼らの行動はみな誠実で潔いです。
ホームズ夫妻のやり取りなど、必ずしも聡明ではない場面もありますが、誰一人として晩節を汚す者がいない、静かで美しい黄昏時の物語です。
実際に死や絶望を目前にした人間の中には、みっともなくあがいたり、それまで積み上げてきた一切合切を捨てて愚行に走る者もいると思うのですが。
けれどそういった醜悪な人間性が排除されているからこそ、この静謐で牧歌的な世界観が完成されているように思います。
或いは作中の人々の鬱屈や攻撃性はすべて昇華され、後半の自動車レースの話に集約されているのかもしれません。自分はこのレース編の主人公が小気味良くてかなり好きでした。
自分は時間と気力がある時は一気に本を読み進めるタイプなのですが、本書は読み終えるまでかなり日数がかかりました。
序盤から中盤までの日常描写が正直退屈で(^^;)
けれど、その退屈で凡庸に思える日常が、作中人物にとっては一番心穏やかで平和な時期なんですよね。
それが、ある意味現実に通じていてリアルでした。
退屈でつい粗末にしてしまう時間や人間関係が、後から思えばかけがえのない貴重なものだったりするので。
今目の前にあるうちはちゃんと大事にしようと、そんなことを思いました。
2019年2月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いい意味でSFっぽくなかった。
あまり小難しいSFのエレメントが出てこなかったので初心者にやさしかった。
主人公が軍人さんなので軍記物というか堅苦しい感じの文章になるのかなと思って身構えていたが、割とこなれた海外小説と言った感じで良かった。
軍事オタクでもなんでもないので、そういうハードボイルドな展開になってもダルいので助かった。
洋画を見てるような感じだった。
また、古い海外小説でありがちなのが、わけのわからん文語体の和訳。あれが非常に苦痛だが、
しかしこの本は非常にスラスラと読み進められる良い訳だった。
潜水艦で探査に向かう話がメインかと思っていたら割と中盤であっけない結末を迎える。
ま、現実ってそんなもんだよね。
むしろそこで生存者がいて…みたいなスペクタクルになってたらただのトンデモ本になってたと思います。
核戦争に至った経緯が、今から考えるとちょっとどうだろう?と思えなくもないが、
この本が書かれた1950年代は現実味を帯びた危機として考えられていたのかもしれない。
個人的には意外にも自動車レースのくだりが一番面白かった。
世界の終わりを前にして、素人が一生に一度の夢を叶えるべく、戦後のドサクサでどっからか手に入れてきた車をチューニングして参戦。
もうすぐみんな死ぬってのに世界で最後のグランプリを賭けて数寄者が大集合。
正直言って草レースなんだけど、命さえ惜しくもない世界でみんな目の色を変えて勝利に猛進していく。
もちろん、レースは大惨事に…
不謹慎ながら笑いが止まりませんでした。
しかし、この章を読み終わったあとに涙が流れていました。
つまりは感動したということだったんだと思います。
あまり小難しいSFのエレメントが出てこなかったので初心者にやさしかった。
主人公が軍人さんなので軍記物というか堅苦しい感じの文章になるのかなと思って身構えていたが、割とこなれた海外小説と言った感じで良かった。
軍事オタクでもなんでもないので、そういうハードボイルドな展開になってもダルいので助かった。
洋画を見てるような感じだった。
また、古い海外小説でありがちなのが、わけのわからん文語体の和訳。あれが非常に苦痛だが、
しかしこの本は非常にスラスラと読み進められる良い訳だった。
潜水艦で探査に向かう話がメインかと思っていたら割と中盤であっけない結末を迎える。
ま、現実ってそんなもんだよね。
むしろそこで生存者がいて…みたいなスペクタクルになってたらただのトンデモ本になってたと思います。
核戦争に至った経緯が、今から考えるとちょっとどうだろう?と思えなくもないが、
この本が書かれた1950年代は現実味を帯びた危機として考えられていたのかもしれない。
個人的には意外にも自動車レースのくだりが一番面白かった。
世界の終わりを前にして、素人が一生に一度の夢を叶えるべく、戦後のドサクサでどっからか手に入れてきた車をチューニングして参戦。
もうすぐみんな死ぬってのに世界で最後のグランプリを賭けて数寄者が大集合。
正直言って草レースなんだけど、命さえ惜しくもない世界でみんな目の色を変えて勝利に猛進していく。
もちろん、レースは大惨事に…
不謹慎ながら笑いが止まりませんでした。
しかし、この章を読み終わったあとに涙が流れていました。
つまりは感動したということだったんだと思います。
2016年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても静かに淡々と急速に滅亡していく人々に日常を静かに丁寧に描かれていると感じました。
大爆発も手に汗握る展開もありません。
いろいろな登場人物の最後にとった行動、思い、もがき、諦め、でも自分たちや家族だけは助かるかも・・・
そんな風景を切り取っていきます。
最後の日、自分は誰のように過ごすんだろうと考えずにいられませんでした。
最後なんだから何でもアリだ!最後だからこそきちんと全うしていくのだ、愛する家族とともに迎えるのだ・・・
愛しているからこそ愛する人の望むようにその日を迎える・・・
読中の感慨もありますが、読後にいろいろな思いを馳せ味わうる事ができる名作だと感じました。
大爆発も手に汗握る展開もありません。
いろいろな登場人物の最後にとった行動、思い、もがき、諦め、でも自分たちや家族だけは助かるかも・・・
そんな風景を切り取っていきます。
最後の日、自分は誰のように過ごすんだろうと考えずにいられませんでした。
最後なんだから何でもアリだ!最後だからこそきちんと全うしていくのだ、愛する家族とともに迎えるのだ・・・
愛しているからこそ愛する人の望むようにその日を迎える・・・
読中の感慨もありますが、読後にいろいろな思いを馳せ味わうる事ができる名作だと感じました。
2019年9月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
海外のメジャーなSFは50冊以上は読んでると思いますが、この本はなんとも独特な雰囲気です。
確実に、着実に、滅亡へと向かっていく地球。ちょっとしたエピソードもあるけれど、奇跡は起きないし、どんでん返しもないし、偉大なヒーローも現れない。ある意味、すごくリアリティがあるのかもしれない。
そんな終末へ向かう人々の、最後の日常の日々が丁寧に描かれている。
「そこまで丁寧な日常とか、書かなくていいのでは、、」
「早くストーリーの本筋みたいなところを進めてほしい」
などと、ちょっと思いながら読んでいたが、読み終われば、
その些細な日常こそが本筋だったんだと思う。
そして、その日常のみんなの言葉や行動が、なんとも心の残る、独特で不思議な小説。
確実に、着実に、滅亡へと向かっていく地球。ちょっとしたエピソードもあるけれど、奇跡は起きないし、どんでん返しもないし、偉大なヒーローも現れない。ある意味、すごくリアリティがあるのかもしれない。
そんな終末へ向かう人々の、最後の日常の日々が丁寧に描かれている。
「そこまで丁寧な日常とか、書かなくていいのでは、、」
「早くストーリーの本筋みたいなところを進めてほしい」
などと、ちょっと思いながら読んでいたが、読み終われば、
その些細な日常こそが本筋だったんだと思う。
そして、その日常のみんなの言葉や行動が、なんとも心の残る、独特で不思議な小説。