渋滞の分析モデルが極めて分かり易く説明されたあと、車や人やアリなど移動するものの渋滞にとどまらず、様々な分野へと議論が展開されていくので、最後までまったく飽きがこない。「数学や物理学で社会現象の解明を試みる」というテーマが好きだったら間違いなく楽しめる一冊。
理数系のモデルをその正確性に気を配りながらもシンプルに分かり易く説明しようとしている姿勢が十分に伝わって来る書き振りに大きな好感が持てる。そして実際にすごくわかり易い。日常的な事例もコミカルに引用されていて、この人の授業は面白いだろうなと思う。
バスや電車や飛行機などの交通インフラにおける所謂王道のトピックは言うに及ばず、インターネットのトラフィック、ビリヤードやカーリングの難しさと面白さ、細胞生物学や森林火災予防論への応用、蓄財効果の説明まで、応用の範囲はとどまらない。ある意味「動き」があれば全て対象に成り得るのだろうと想像するけど、著者が広範な分野に対して興味を持ち理論を応用していく姿勢に感心すると共に応援したくなる。
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渋滞学 (新潮選書) 単行本 – 2006/9/21
西成 活裕
(著)
購入を強化する
第23回(2007年) 講談社科学出版賞受賞
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2006/9/21
- ISBN-104106035707
- ISBN-13978-4106035708
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出版社より
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渋滞学 | 無駄学 | 誤解学 | 逆説の法則 | |
【新潮選書】西成活裕 作品 | 新学問「渋滞学」が、さまざまな渋滞の謎を解明する。渋滞を避けたい人、停滞がほしい人、必読の書!〈講談社科学出版賞、日経BP・Biz Tech図書賞受賞〉 | トヨタ生産方式の「カイゼン現場」訪問などをヒントに、社会や企業、家庭にはびこる無駄を徹底検証し、省き方を伝授。ポスト自由主義経済のための新学問。 | 国家間から男女の仲まで、なぜそれは避けられないのか?種類、メカニズム、原因、対策など、気鋭の渋滞学者が「誤解」を系統立てた前代未聞の書。 | 急ぎたければ遠回りしろ。儲けたければ損をしろ――。短期ではなく長期的思考に成功の秘訣がある。渋滞学者が到達した勝利の方程式。ビジネスマン必読。 |
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
人混み、車、アリ、インターネット…世の中、渋滞だらけである。生まれたばかりの研究「渋滞学」による分野横断的な発想から、その原因と問題解決の糸口が見えてきた。高速道路の設計のコツから混雑した場所での通路の作り方、動く歩道の新利用法まで。一方で、駅張り広告やお金、森林火災など、停滞が望ましいケースでのヒントにも論及。渋滞は、面白い。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
西成/活裕
1967年、東京都生れ。東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻助教授。90年東京大学卒。修士と博士課程を航空宇宙工学で終える。専門は非線形動力学、および渋滞学。山形大学工学部機械システム工学科、龍谷大学理工学部数理情報学科助教授、ケルン大学理論物理学研究所(ドイツ)客員教授を経て現在に至る。常に理学部と工学部の橋渡しをしたいと思っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1967年、東京都生れ。東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻助教授。90年東京大学卒。修士と博士課程を航空宇宙工学で終える。専門は非線形動力学、および渋滞学。山形大学工学部機械システム工学科、龍谷大学理工学部数理情報学科助教授、ケルン大学理論物理学研究所(ドイツ)客員教授を経て現在に至る。常に理学部と工学部の橋渡しをしたいと思っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2006/9/21)
- 発売日 : 2006/9/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4106035707
- ISBN-13 : 978-4106035708
- Amazon 売れ筋ランキング: - 18,440位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 1位道路・トンネル工学
- - 4位交通一般関連書籍
- - 957位科学・テクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
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2015年1月12日に日本でレビュー済み
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13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年5月6日に日本でレビュー済み
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発売当初から購入し、さらっと流し読みはしたものの、じっくりと昨日読み終わった。テレビ、新聞、ラジオ、雑誌などでもかなり紹介されており、ほとんど概要は理解しているつもりでいた。改めて読むと様々な目から鱗が出る発見があり、気持ちよく完読した。発売されてからの間にメディアにかなり取り上げられていたため、ある種の固定概念はあったものの、研究者の意図がこの本の中で理解できた。こちらもある程度の知識が得ていた後で、今後自分がこの本を参考に他の分野の本をどのように本を読み進めるべきかの方向性の発見ができた。単なる渋滞事象の考え方だけでなく、生物的な視点、TCP/IPの考え方、航空管制の考え方、ロジスティックの考え方、理学(基礎)と工学(応用)の融合など。文系の発想である自分としては、なぜ理工系の人が独善的な発想に陥るのかという理解も含め、今後、仕事に対する姿勢にも一つの刺激を与えてくれた。たまたま、めくっていた林望氏のエッセイの中で、イギリスの交通事情の話が重なり、読書している妙な世の中の接点に少し世の中が楽しくなりました。
2008年3月9日に日本でレビュー済み
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生き物たちや人、人が操作する車、そういった物が沢山存在すると、密なところと疎なところが必ずできてきます。気持ちのいい密な状態もあれば、効率を落とす一方の密な部分もある。著者は、こういった感覚的にとらえていた物のも、理論や数式で考えていく事が可能である事を示しています。そして、数式やコンピュータの限界もあわせて併記されています。本書は、自己駆動粒子である我々が、摩擦無く細い部分をうまくすり抜けて、効率を落とす密な状態の渋滞を避けて暮らしていけるヒントを与えてくれています。きっと難しい理論が後ろに控えているでしょうに、とても面白い。人に直観的に物事を伝えてくれる親切さを伴っており、著者のユーモアが効いています。良い本です。久しぶりにうなりました。
2018年10月29日に日本でレビュー済み
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あらゆる事象に「渋滞」がからんでいることに気づかされました。日常にも使える内容が書いてあり、面白いです。
2012年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白かったです。渋滞学に関して興味が深まりました。
_本書は,車等における"渋滞"という物がどういう物で現実社会の至る所で渋滞が見られそれは数理的にどう調べられているかという事が詳しく述べられています。著者の研究分野の照会という形になっているとこの事です(あとがきより)。著者の説明・解説が一般人にも伝わる様配慮されていて,とても平易な文章になっていて,スイスイと読み進む事が出来ました。数学的内容については言及されていませんので,文系の人でも読みやすいと思います。
_本書では,主に車の渋滞をASEPなるモデル化をし,渋滞とはどういう風になっているかを数理的に説明し,人・アリの渋滞についても考察しています。後の方の章で,インターネットでの渋滞,電車・航空機・エレベーター・森林火災等についても渋滞学の側面から語られています。
_本書90ページの記述"特に関東地方では,これから30年以内にマグニチュード7程度の地震が起きる確率は70%であると政府の地震調査委員会は発表している"(本書は2006年9月20日発行)は,3.11を見てきた今となっては,記憶に残る記述でした。
_本書は,車等における"渋滞"という物がどういう物で現実社会の至る所で渋滞が見られそれは数理的にどう調べられているかという事が詳しく述べられています。著者の研究分野の照会という形になっているとこの事です(あとがきより)。著者の説明・解説が一般人にも伝わる様配慮されていて,とても平易な文章になっていて,スイスイと読み進む事が出来ました。数学的内容については言及されていませんので,文系の人でも読みやすいと思います。
_本書では,主に車の渋滞をASEPなるモデル化をし,渋滞とはどういう風になっているかを数理的に説明し,人・アリの渋滞についても考察しています。後の方の章で,インターネットでの渋滞,電車・航空機・エレベーター・森林火災等についても渋滞学の側面から語られています。
_本書90ページの記述"特に関東地方では,これから30年以内にマグニチュード7程度の地震が起きる確率は70%であると政府の地震調査委員会は発表している"(本書は2006年9月20日発行)は,3.11を見てきた今となっては,記憶に残る記述でした。
2008年7月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
おもしろい物理を一般向けに解説する本というと,むかしから寺田寅彦の本,「物理の散歩道」などを読んできたが,これは「渋滞学」というあたらしい (人間の心理などもからんでいるので物理っぽくない) 物理の解説書である.くるまやひとの渋滞だけでなく,アリやインターネット,粉つぶのながれなど,いろいろな現象をあつかっている.未解決の問題もいろいろ紹介されているので,それに挑戦するひとがでてくるとよいとおもう.
2010年11月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
渋滞を「科学的」に解析すると言うのがおもしろそうで購入しましたが、予想以上に楽しくよめました。
ASEPと言う比較的単純なオートマトンでの解析が、意外に本質に迫っている事がわかって面白かったです。個々人の意思で気ままに動いていると思っていた自動車の渋滞が、こんなに単純なモデル化で近似できるって驚きでした。
最後の2章は、どちらかと言うと「お話」が多くて、もう少し具体的な解説があるとさらに良かったかもしれません。著者の横断的な学問の必要性の主張には同感ですが、各分野での分化が進んでいるだけに、ある意味で天才が必要なのかもしれませんね、
コンピュータが解けないという「パイこね変換」はITに携わる者として新鮮でした。
ASEPと言う比較的単純なオートマトンでの解析が、意外に本質に迫っている事がわかって面白かったです。個々人の意思で気ままに動いていると思っていた自動車の渋滞が、こんなに単純なモデル化で近似できるって驚きでした。
最後の2章は、どちらかと言うと「お話」が多くて、もう少し具体的な解説があるとさらに良かったかもしれません。著者の横断的な学問の必要性の主張には同感ですが、各分野での分化が進んでいるだけに、ある意味で天才が必要なのかもしれませんね、
コンピュータが解けないという「パイこね変換」はITに携わる者として新鮮でした。