横山作品は、ハズレが無い。
硬質な文章なのに、以外と読みやすい印象を持つのは
さすがだと思います。
男臭さにかけては、ピカ一の作家さんです。
ハードボールドではなく、組織の中で蠢く男達の物語。
派手な殺人事件を解決するという訳ではなく、焦点は
鑑識課、泥棒刑事、少年係、会計…などの
警察組織の内部での、せめぎあいが手に取るように伝わってきます。
●深追い
●又聞き
●引き継ぎ
●訳あり
●締め出し
●仕返し
●人事
以上の7編からなる短編集ですが、全て「三ツ鐘警察署」内部での
出来事で、主人公が変わって行きます。
5階建ての庁舎のすぐ裏側に、署長と次長の官舎があり
そのまた裏手に職員用の家族官舎及び、独身寮とが併設された
いわば、一種の「警察村」で起こる日々の出来事。
左遷や移動で訪れては、又移動していく管理官達や
刑事、刑事になりたいと野心を燃やす者。
親の地位が子供達の関係にも影響するという現実。
個人的には”仕返し”の終わり方が、とても良かった。
格人の心の葛藤が、とても上手く組み込まれていて感情移入がしやすく
ストーリー的にも、面白い。
どんでん返し系も多く、満足の出来る1冊です。
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