古本屋を舞台にしたミステリと言えば、近年話題の「ビブリア・・・」を想起するが、宮部みゆきの方が格違いで小説がうまい。やっぱり「ライトノベル」と呼ばれる代物と違い、ちゃんとした読み物になっていると感じた。私は素人なのでその違いを説明する事は出来ないが、例えば一切萌えキャラを使わず勝負している所かな、と思う。別の言い方をすれば、リアリティが感じられるのである。
さて本作、いきなり「歯と爪」が出て来て、とても懐かしかった。が、実作が出て来るのはこれと、山本周五郎だけであり、それを売りにしてない小説作りもラノベと違う感じがした。で、古本と関わって事件が発生するミステリ仕立てだが、児童虐待など意外と陰惨な話を扱っている。が、本書のメインキャラの老人と孫息子が名コンビ。孫息子の成長物語になっているのが秀逸で、解後感はとても良かった。
宮部みゆきの巧みな物語作りに感心。
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