全体としては広々とした風景やこま割りのせいかのびのびとした開放感の感じられる作品集でした。
ただ表題作の「海岸列車」はあまりに暴力的で好きになれませんでした。
暴力は暴力でもリアルに裏打ちされたものであればいいのですが残虐性ばかりが目立ちいまいち説得力が感じられませんでした。
エピソードの数々もあまりにも惨く暗く無理矢理な感じでリアリティにかけます。
作者自身が後書きで「当時は最後の殴り込みシーンのみを描きたく、付随するドラマは単なるネタ振りと考えていました。のちにそれはまったくの考え違いだと気づくのですが。」と言っている通りの印象です。
次の「ザ・グレートエスケープ」は同じくバイオレンス的な匂いはあるものの自由で開放的な作品でとってもいいです。
短い中に人間の狂気と悲哀感がみごとに表現されていました。
私は全収録作品の中でこれが一番好きです。
続く「キッス」、「マーガレット」は、ひとひねりある毒のある会話とキャラが際立つドタバタ青春物で楽しく読めました。
吉田 秋生さんや西 炯子さんが描く青春ものが好きな人にはお勧めです。
最後の「あれ地」は他とは全く異色のガロ的作風で作者いわく「しょっぱいOLの日常をかこうとした」とのことでしたがいまひとつピンときませんでした。
やはりリアリティのなさの様な気が・・・。
冴えないOLの日常は冴えない気分を体感した女にしかわからないんじゃないかと・・・。
ファンタジー仕立ての内容ですが(冴えない女の日常を書かせたら右に出るもののいないと私が勝手に思っている)やまだ紫さんとかの描くリアルなどと比べると何が書きたかったのか全く伝わってこずあまり意味のない作品と思わざるえませんでした。
作者自身もあまり思い入れのない作品のようでなんかガロ的なものを一度書いてみたかったって感じだったんでしょうか?
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海岸列車 (BEAM COMIX) コミック – 2009/11/16
室井 大資
(著)
- Kindle版 (電子書籍)
¥634
獲得ポイント: 6pt 今すぐお読みいただけます: 無料アプリ - コミック (紙)
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獲得ポイント: 1pt¥4 より 12 中古品 ¥4,220 より 1 コレクター商品
最注目作家・室井大資の初作品集!
『ブラステッド』で注目を集める室井大資の、初期衝動を込めた作品集。老婆と少年の復讐を描き、某賞選考会史上最速で大賞決定した「海岸列車」。6年ぶりとなる待望の描き下ろし最新作「あれ地」を含む、全5編。
『ブラステッド』で注目を集める室井大資の、初期衝動を込めた作品集。老婆と少年の復讐を描き、某賞選考会史上最速で大賞決定した「海岸列車」。6年ぶりとなる待望の描き下ろし最新作「あれ地」を含む、全5編。
- 本の長さ168ページ
- 言語日本語
- 出版社エンターブレイン
- 発売日2009/11/16
- ISBN-104047261483
- ISBN-13978-4047261488
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登録情報
- 出版社 : エンターブレイン (2009/11/16)
- 発売日 : 2009/11/16
- 言語 : 日本語
- コミック : 168ページ
- ISBN-10 : 4047261483
- ISBN-13 : 978-4047261488
- Amazon 売れ筋ランキング: - 277,532位コミック
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.5
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トップレビュー
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2010年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年6月25日に日本でレビュー済み
海岸列車
ザ・グレートエスケープ'00
キッス
マーガレット
あれ地
の5本の漫画が掲載されている。
表題作の海岸列車が圧倒的な存在感を放っている。
もちろん、感性が古いということになってしまう物語で、80年代やともすろと70年代的なセンスなわけだが、
好きなモノは好きと言えば良いと思い当たる。
往年のマイナーVシネでバイオレンス系のちょっとズレた日常を描くような作品が好きな方にお薦め。
ザ・グレートエスケープ'00
キッス
マーガレット
あれ地
の5本の漫画が掲載されている。
表題作の海岸列車が圧倒的な存在感を放っている。
もちろん、感性が古いということになってしまう物語で、80年代やともすろと70年代的なセンスなわけだが、
好きなモノは好きと言えば良いと思い当たる。
往年のマイナーVシネでバイオレンス系のちょっとズレた日常を描くような作品が好きな方にお薦め。
2009年12月30日に日本でレビュー済み
最近の漫画の主人公は『自覚している天才』か『自覚してない天才』のどちらかが出てくるのが多いけれどこの作品にはそんなスーパーマンは出てきません
オススメは表題作の「湾岸列車」、それと「マーガレット」、そして作者のあとがき「謝辞と解説を添えて」です
「湾岸列車」
間違いで夫を殺されたどこにでもいる婆さんがヤクザに復讐する話。
こう書くとアクション物やバイオレンス物だと思われそうですが、派手な部分はなく「静かな怒り」をテーマに書かれている感じです。
これがデビュー作というのだからスゴイです。
「マーガレット」
大家族の長女が自宅にTVの大家族特集の取材を受ける話。
ドタバタコメディーではなく、主人公は家族と友人にも不満を持っている設定。
読んでて一番気に入った作品。
「謝辞と解説を添えて」
あとがきとして巻末に文字のみで2ページ収録。
他の作品が手足だとしたらこのあとがきは脳にあたるのかも。
この2ページの存在はこの本の価値を一気に高めています。
オススメは表題作の「湾岸列車」、それと「マーガレット」、そして作者のあとがき「謝辞と解説を添えて」です
「湾岸列車」
間違いで夫を殺されたどこにでもいる婆さんがヤクザに復讐する話。
こう書くとアクション物やバイオレンス物だと思われそうですが、派手な部分はなく「静かな怒り」をテーマに書かれている感じです。
これがデビュー作というのだからスゴイです。
「マーガレット」
大家族の長女が自宅にTVの大家族特集の取材を受ける話。
ドタバタコメディーではなく、主人公は家族と友人にも不満を持っている設定。
読んでて一番気に入った作品。
「謝辞と解説を添えて」
あとがきとして巻末に文字のみで2ページ収録。
他の作品が手足だとしたらこのあとがきは脳にあたるのかも。
この2ページの存在はこの本の価値を一気に高めています。
2009年11月20日に日本でレビュー済み
素っ気無いほどのなんでもないような台詞とコマ運びの積み重ねによって形作られるこの圧倒的なドン詰まり感。
努力はかならず報われるだの生きてればきっといいことがあるだの、あらゆる空虚な綺麗事を拝し、それでもラストにかすかに覗かせる希望。
ひとコマの無駄もない圧倒的な完成度。物憂げでありながら力強い筆致。
これがデビュー作ってもう吐き気がするほど凄い。
後続作もフォローしたくなる作家の登場だ。
努力はかならず報われるだの生きてればきっといいことがあるだの、あらゆる空虚な綺麗事を拝し、それでもラストにかすかに覗かせる希望。
ひとコマの無駄もない圧倒的な完成度。物憂げでありながら力強い筆致。
これがデビュー作ってもう吐き気がするほど凄い。
後続作もフォローしたくなる作家の登場だ。



