小林泰三はデビューの頃からのファンです。
私はホラーと言うと幽霊や怪物がでてきて
驚かしたりする映画の事だと思っていました。
ホラー小説もその類いのストーリーだと思って
読め始めてみるとまったく違う事がわかりました。
多くの作家の書くホラー小説は直接的な恐怖よりも
人間的でじわじわと骨に来る恐怖を書きます。
それまでホラーというジャンルを子供を驚かせたり
恋人とみてワーキャー叫ぶような物だと思っていた
事を反省し、そして新たな世界が広がるわくわく感を
感じそれから多くの作家のホラー小説を読み進めていた
その時に小林泰三の作品に出会ったのです。
小林先生の書くホラーは他の作家とはまた違い
幻想的な風景とリアルな描写が実に絶妙な混ざり具合を
見せていました。そんな先生がホラーやミステリ以外の
SF短編集と言う事で本書を購入しました。
小林先生の持ち味である
幻想的な描写がこの短編集ではうまく働いていました。
やや小難しいような回りくどいような描写であるのに
頭の中にはふわふわと光景が浮かび上がってきます。
先生は文章で芸術を表現しているかのようです。
それでも小林先生の多くの作品の中では特別光っている
話はこの本には少なくそれが4つ星である理由です。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
