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[原田修明]の海の記憶
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海の記憶 Kindle版  [アダルト]

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新品 中古品
Kindle版
¥ 350

商品の説明

内容紹介

憧れの少女が、僕に迫る。


「つかまえた」
僕は屋上の隅に追いこまれていた。
あすかは僕を囲いこむように、両手で左右の手すりを掴んでいる。
ほとんど、抱きしめられる距離だった。
あすかは背が高い。
顔の位置は僕と変わらなかった。
あすかとこれほど近づくのは初めてだった。
汗とシャンプーの匂いが、薄く漂う。
セーラー服の襟元で、首筋が白い。
服の中まで眼が行きそうになり、慌てて視線を外す。
あすかがじっと見ている。
口元に、含むような微笑が浮かんでいた。
全身が熱い。
きっと、僕の気持ちは判ってしまっている。
あすかはすべてを承知で、僕をおもちゃにしている。
それで、よかった。
あすかがすっと眼を閉じた。意味するところは、ひとつしかない。
まさか、ともしかして、が入り乱れ、僕は動けなかった。
決心をするにはあまりに短い時間で、あすかは眼を開いた。僕から離れ、いたずら少女のような笑顔を見せる。
「本気にした?」

彩は僕の欲望だった。


僕は、良くないことを考えている。
抱きしめるまでなら、彩は怒らないと思っている。
熟れた果実の香りが、ほのかに匂う。
彩を、抱きしめたい。
一歩、彩に近づく。彩は動かない。
二歩、三歩、四歩。
胸と胸がふれあうほどに近づいても、彩は道を開けようとしなかった。
両手を、彩の腰に回して引き寄せた。
柔らかな太めの肉から、甘く濃い香りが立ち昇る。
彩は抵抗しなかった。肩が、大きくゆっくりと上下していた。
僕はまだ、後悔できなかった。
もっと。
彩の唇が、軽く開いていた。
普段通りなのかもしれない。
僕はそこへ引かれるように、ゆっくりと顔を近づけていく。
彩は身じろぎもしなかった。
唇が、唇にふれた。

どこかで、壊れてしまった。あすかも、彩も、僕も。


「あたしをぜんぶ見たの、信明が初めてだよ」
羽根が落ちるように、あすかがふわりとマットから降りた。
急いであすかに背を向け、指に力をこめて引き開ける。
ふたつの鉄の戸板は、ひとつになって重い音をたてた。
開かない。
鍵がかけられている。
「協力してもらったんだ。邪魔が入らないようにね」
あすかの声が、近づいていた。
僕は必死に、扉を揺する。
雨のグラウンドに、人の気配はなかった。
顔の両側から、白い腕がすうっと伸び、僕の肩を抱きすくめる。
引き締まった身体の、わずかに柔らかな部分が、背中に押しつけられた。
「抱いて……」

傷つけられた、初恋。


私は冬の雨に、下着までずぶ濡れになって、うずくまっていた。
ぱちゃりと、湿った砂を踏む音がした。
あすかさんが立っていた。
もちろん、裸ではない。
黒いカーディガンに黒いストッキングを履き、全身黒づくめだった。
顔だけが白い。
「見てたでしょ」
しいんと頭の中が、折れそうなほどに張りつめていく。
答えることもできなかった。
あすかさんは切れ長の眼を細め、最高の笑顔を浮かべた。
「信明ね、あたしの中に3回も出したんだよ」
耳の奥で、ばきっと音がした。
それはきっと、心が折れた音だった。
「好かん!」
私は叫んでいた。
あすかさんから逃げようと立とうとするが、頭がくらみ、脚が冷たさで痺れ、壁にもたれてしまう。
「好かん! 好かん!」
両耳を押さえ、頭を振った。
突然、氷のように冷たい手が額に当てられ、顔を上げられる。
あすかさんの顔が間近にあった。
「教えてあげる」
あすかさんの唇が、口をふさいだ。
驚く間もなく、腐った海老のような生臭い唾液が、流しこまれてくる。
あまりの臭いに、ぎゅっと眼を閉じた。
ようやく離れてくれたとき、私との間にできた唾液の糸は、妙に粘り気があった。
「これ、信明の味だよ」

壊れる。


「身体を、前に倒しなさい」
スカートからようやく顔を出した山木先生は、口の周りをよだれまみれにして、命令した。
私は机に上半身を預けた。
眼の前の窓から、寂しい裏庭が見える。
スカートをまくり上げられた。
山木先生の舌が這ったところが、すうすうと冷える。
尻肉を左右に開かれ、肛門が引きつれる。
そこに、熱い蛭がすべりこんできた。
ほじくるように、執拗にうねる。
山木先生が、どうしてここまでこだわるのは判らなかった。
裏庭には御船君と亀島君、そして信明君がいた。
御船君が薄く笑って、信明君に話しかける。
亀島君が泣き崩れた。
信明君が、御船君の胸倉をつかんだ。
御船君が、何を信明君に告げたのか、判る。
真っ白になるほど、頭が痺れる。
私は取り返しのつかないことをした。
信明君に知られたことに、まだこれほど傷つく余地があった。
御船君の頭突きで、信明君が倒れた。
ひどい鼻血だった。
信明君は泣いていた。
胸がぎりぎりと痛い。
信明君を泣かせたのは、私だ。
乾いた雑巾を絞るように、涙が出そうになる。
けれど、私には泣く資格もない。
そのとき、山木先生が奥まで入ってきた。
御船君のときより、痛くなかった。

破滅という名の歓喜。


鉄パイプを握る手に力が入る。
僕は、角を曲がった。
奥に、部屋がある。
扉が開け放たれ、男の背中が見える。
男は、浅黒い脚を両腕に抱えている。
抱えられた肉付きのよい両足が、虚空に力なく揺れている。
男の腰が荒々しく動くたび、柏手のような音がする。
それに合わせて、犬の呼気が漏れる。
「出すぞ、彩」
御船の声だった。
走った。
両手で鉄パイプをつかみ、振り上げ、御船の後頭部に叩きつけた。
硬いものを砕いて、中にめり込む気味の悪い感触に、歓喜が突き抜けた。
御船の身体が、左に傾き、そのまま倒れる。

残されたのは、海の記憶だけ。


登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 309 KB
  • 紙の本の長さ: 220 ページ
  • 出版社: いざなみ屋; 1版 (2016/3/28)
  • 販売: Amazon Services International, Inc.
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B01DKUDRT2
  • Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能): 有効になっていません。
  • X-Ray:
  • Word Wise: 有効にされていません
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0 1 件のカスタマーレビュー
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2016年5月8日
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