なぜ、この本を手に取ったか? いわゆるホットスポットと呼ばれる地域に住み、
放射性物質による「いのち」の破壊 ——例えば、例年おおいに悩まされていた
ヤブ蚊がまったく姿を消し、アリもダンゴムシも激減していることなど―— を
日常的に体験している者として、まず『海のいのちを守る』というこの本のタイトルに惹かれました。
そして実際に読んでみると、潜水技術者として長年暮らしてきた著者が、あるとき海の「いのち」を
感じるようになり、それから生き方が180度、変わったとありました。
わたしたちは海に潜ってこそいませんが、「大気という海」の中に生まれ、そしてその海のなかで生きています。
もしわたしたちが、「大気の海」の「いのち」を感じることができたら、著者が体験したと同じ180度の変化を
体験できるのではないでしょうか。そんなことを考えさせてくれる本でした。
また、海に潜って、水中をゆったりと漂うとき、母親の子宮の羊水につかっていた胎児時代の感覚に戻って、
心が一切の束縛から解放され、あらゆる邪念が失われる —— そのとき、天使のような心をもった無邪気な
イルカたちが近寄ってくるというような記述がありました。著者は、こうしたダイビングによる心の解放を
「水中禅」と呼んでいます。もし、「大気の海」を漂うわたしたちが「空中禅」といえる心境に達すること
ができたら、どんなに爽やかな気持ちを味わえることでしょう。そのためのヒントがこの本にはあると感じました。
よい本に出会えたと感謝しています。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
