著者が5年ほどかけて百人近い関係者から取材をしただけあって、かなりの情報量で、読むのにかなりの日数を要した。これまでに読んだり聞いたりした苦労話や不幸体験が何でもないと思えるほど悲惨な話が多く、途中まででレビューを書こうかと思ったこともあったが、最後まで読み通した。
最初は、東京大空襲の描写である。逃げる途中、家族とはぐれ、数日間当てもなく彷徨っていたところ、見知らぬ人から「上野に行ってみな」と声をかけられ、行ってみたところ、炊き出しの食事にありつけた。その後、駅の地下道に行くと大勢の人がいて外よりずっと温かく、「ここにいれば、凍死しないですむ」と感じてそこに住みついた。その時代に浮浪児になった子たちの多くはこうしたケースである。
飢餓は終戦後酷くなった。政府の配給が減り、炊き出しは中止になり、上野を訪れる人々も彼らに食べ物を恵む余裕を失った。終戦の年の11月の新聞に「上野駅で処理された浮浪者の餓死体は多い日には6人を数え、先月の平均は1日2.5人だった」と書かれている。
11~12歳の子なら犬や猫を殺して食べたりもできたが、5~6歳の子だと餓死するケースが多く、仲間の死に立ち会ったという元浮浪児は多い。空腹のあまり精神錯乱に陥り、道端の犬の糞を食べて、口から茶色い泡をぶくぶく出して息絶えた子もいた。約50年後に強盗殺人事件で死刑判決を受け、執行された人物も終戦時7歳の元浮浪児で、仲間の死を経験している。
そんな頃、闇市が上野をはじめ日本の様々な都市に姿を現した。当時、日本人が禁制品を売買すれば逮捕されたが、在日外国人は例外で、在日朝鮮人たちがこの法の抜け道を利用したことで、闇市ができたのだ。闇市は大変な賑わいをみせ、餓死寸前だった浮浪児たちは店の手伝いをして食べ物を分けてもらったり、靴磨きや新聞売りやシケモク(煙草の吸殻を拾い集めて、燃えていない葉だけを集めて紙に巻いて煙草にする)売りなどして稼いだ。
また進駐軍人らと親しくなって基地に出入りするようになり、食堂の片隅にあるゴミ箱に捨てられた残飯をもらって闇市へ持っていって売る浮浪児もいた。闇市では、そうした残飯を巨大な鍋で煮込んだ「残飯シチュー」が人気を博していたが、ゴミ箱の中の物を中身を確認することなく全部鍋にぶち込んだので、ゴキブリや煙草やペンやコンドームや猫の死骸さえ入っていたという。それでも、「あんなにおいしいものを食べたのはあの時だけだ。なんせ、戦後の焼け野原で雑草やらネズミやらを食ってどうにか生きてきた人間が、いきなり肉や野菜がふんだんに入った煮込みを食べるんだぞ。口に入れた途端に感動して涙があふれてくるほどだった」と元浮浪児は言う。
女の子の浮浪児は、12歳くらいで売春を始める子が多かったようである。当時は初潮を向かえる平均年齢が14歳くらいで、彼女らの多くは初潮前に体を売っていたのである。
無賃乗車をして地方に行って物もらいをする浮浪児もいた。農村の方が食糧事情がよく、食いっぱぐれることは少なかったが、浮浪児の多くは上野が恋しくなって戻ってきたという。地方ではお風呂に入れてくれたり、親切にされることもある一方、襲われたり、仲間がさらわれて行方不明になったこともあった。地方の農家や漁師は戦争による人手不足を補うために、身寄りのない子供の売買が行われていたのである。また無賃乗車がばれて、捕まるのを恐れて列車から飛び降りて死んだ子もいたという。
その後、闇市はヤクザやテキヤや愚連隊やパンパンに支配されるようになり、彼らにかわいがられた浮浪児らは犯罪の片棒を担ぐようになり、警察は浄化作戦に乗り出した。地下道を封鎖して「刈り込み」を行い、浮浪児たちをつかまえ、トラックに乗せて施設に送り込んだ。が、当時の施設は食糧不足に加え、職員たちの体罰もあって、子供たちの逃亡は常習化していた。
施設からの逃亡が続く中、子供たちは徐々に待遇のいい施設を見つけ、施設での生活を受け入れる子供は増えていった。民間人が私財をなげうって浮浪児を集めた孤児院もいくつかあった。そのひとつ「愛児の家」は、一人の女性と彼女の娘たちとで運営されていた。布団や食器などは軍の払い下げで無償でもらえたが、60人以上の子供の食事を用意するのは大変だった。当時の食事は、進駐軍で毎日出たジャガイモの皮とトウモロコシの粉とをまぜて作ったごった煮と、段ボールの破片や藁のまじった「キビ餅」だったが、他の施設を脱走してまで「愛児の家」にやって来る子供は絶えなかった。周りの助けもあった。近所の若い医者が、皮膚病で苦しんでいた子供たちを無料で診てくれ、薬もくれたという。
著者の石井氏は、今は老人になった卒業生らを訪ねて話を聞くが、彼らの多くは配偶者や子供に過去を打ち明けていなかった。(元浮浪児で孤児院出身だということは打ち明けていたが。)そして石井氏に「上野での体験を上手く人に伝えられん。だから、あんたのような人が上手く言ってくれたらいい。今の若い人に、生きることがどういうことか、きちんと伝えてほしい。元浮浪児でそれをできるものなんてほとんどおらんのやから」と言ったという。「あの時代に上野で生きた子供はみんな、生きることへのがむしゃらさを持っていた。そうやって生きていくしかなかった。人が生きるっていうのはしんどいことなんや。次から次に大変なことばかりやってくる。だから、人間はがむしゃらにならなきゃ、それを超えていくことができん。その時に必要なのは、仲間への信頼や、へこたれない心。それが大切なんや」。
「愛児の家」の創設者の娘は、「家庭の愛情でなくてもいい。友人や見知らぬ大人でもいいから、子供時代に多くの愛情をきちんと受けてきた記憶があるということが大切なんです。それが人間としての根っことなり、芯となる」という。戦災孤児として上野に集まった子供たちは、そこで知り合った同じ浮浪児や露天商やヤクザやパンパンたちと助け合って暮らしてきた。彼らの自我はそうした愛情によって支えられて、人間としての芯となっていったに違いない。だからこそ、上野の地下道や闇市といった過酷な環境で生き抜くことができたのだろうし、差別に満ちた社会の中でもめげずに働き続け、家庭を持ち、子供を育てていけたのだろう、と石井氏は述べている。
過酷な人生を生き抜いた浮浪児たちと彼らを支えた人々と、貴重な証言を集めてくれた石井氏に感謝します。
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浮浪児 1945-: 戦争が生んだ子供たち 単行本 – 2014/8/12
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終戦直後、焼け跡に取り残された多くの戦災孤児たちは、どこへ消えのか? 1945年の終戦直後、焼け跡となった東京は、身寄りのない子供たちで溢れていた――全国では、12万人以上。復興と共に街が浄化され、居場所を失い歴史から〝消え去った〞彼らを、残された資料と当事者の証言から上野を中心に現在まで追う。戦後裏面史に切り込む問題作にして、戦争が生み出したものを見つめなおす必読の書。
- 本の長さ286ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2014/8/12
- 寸法13.7 x 2.4 x 19.8 cm
- ISBN-104103054557
- ISBN-13978-4103054559
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
終戦直後、12万人以上の戦災孤児が生まれた日本。その中心、焼け跡の東京に生きた子供たちは、どこへ“消えた”のか?本書は、五年の歳月をかけて元浮浪児の方々の証言を集め、あの時代から現在までを結ぶ歴史に光を当てたものです。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
石井/光太
1977(昭和52)年、東京生まれ。国内外の貧困、医療、戦争、災害、事件など幅広いテーマで執筆。アジアの障害者や物乞いを追った『物乞う仏陀』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1977(昭和52)年、東京生まれ。国内外の貧困、医療、戦争、災害、事件など幅広いテーマで執筆。アジアの障害者や物乞いを追った『物乞う仏陀』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2014/8/12)
- 発売日 : 2014/8/12
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 286ページ
- ISBN-10 : 4103054557
- ISBN-13 : 978-4103054559
- 寸法 : 13.7 x 2.4 x 19.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 36,415位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
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殿堂入りベスト500レビュアー
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232人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2019年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
垢まみれの浮浪児の悪臭を嫌い、近くを通りがかっただけで怒鳴り、石を投げつける大人。
栄養失調の最中犬の糞を口にし、泡を吹いて死んでいくこども。
金を稼ぐためにヤクザに使われ、あるいはヤクザに取り入るこども。
浮浪児を不憫に思う心から、見つからぬわが子のための食糧を泣きながら与えてくれる大人。
養護施設でこどものための食糧をわが胃袋に詰め込む大人。
戦争で障碍者となった大人になけなしの食糧を与えるこども。
何度浮浪児が脱走しても、愛情を持って浮浪児たちを探し続けた施設従業員の大人。
浮浪児を一人頭4~5万円(現在の価値にして50万円ほど)で売るため誘拐する大人。
家族の反対も押し切り、誰とも知らぬ浮浪児を自宅に上げて面倒をみてくれる大人。
売春婦グループのいざこざの中で性器を焼かれる女性。
元浮浪児というだけで、「野良犬」「梅毒」とあだ名をつけて差別する大人。
善意から里親となってくれた大人の家から有り金を盗んで逃げだすこども。
自身の利益のため、浮浪児にスリを教えて、上前をはねて私服を肥やそうとする大人。
何の補助金等の補償もない中、私財を投げ打ち120人もの子供を引き取って育てることを決意した大人。
私自身恥ずかしながらこうした事実を本書を読んで初めて知ったのだが、日本にこうした歴史があったことを忘れるべきではない。著者の石井氏が100人を超える元浮浪児たちから丁寧な聞き取りを行ったのであろうこと、相手の言葉をいかに大切にしているか、が文章の端々から感じ取れる、素晴らしい一冊。
栄養失調の最中犬の糞を口にし、泡を吹いて死んでいくこども。
金を稼ぐためにヤクザに使われ、あるいはヤクザに取り入るこども。
浮浪児を不憫に思う心から、見つからぬわが子のための食糧を泣きながら与えてくれる大人。
養護施設でこどものための食糧をわが胃袋に詰め込む大人。
戦争で障碍者となった大人になけなしの食糧を与えるこども。
何度浮浪児が脱走しても、愛情を持って浮浪児たちを探し続けた施設従業員の大人。
浮浪児を一人頭4~5万円(現在の価値にして50万円ほど)で売るため誘拐する大人。
家族の反対も押し切り、誰とも知らぬ浮浪児を自宅に上げて面倒をみてくれる大人。
売春婦グループのいざこざの中で性器を焼かれる女性。
元浮浪児というだけで、「野良犬」「梅毒」とあだ名をつけて差別する大人。
善意から里親となってくれた大人の家から有り金を盗んで逃げだすこども。
自身の利益のため、浮浪児にスリを教えて、上前をはねて私服を肥やそうとする大人。
何の補助金等の補償もない中、私財を投げ打ち120人もの子供を引き取って育てることを決意した大人。
私自身恥ずかしながらこうした事実を本書を読んで初めて知ったのだが、日本にこうした歴史があったことを忘れるべきではない。著者の石井氏が100人を超える元浮浪児たちから丁寧な聞き取りを行ったのであろうこと、相手の言葉をいかに大切にしているか、が文章の端々から感じ取れる、素晴らしい一冊。
ベスト500レビュアー
著者の本は、アジアの貧困地帯のルポを読んだことがある。なかなかの力作だった。
本書は二次大戦時の戦災孤児たちのレポートである。浮浪児なんて外国の話だと思っている人が多いかもしれない。
私は1955年生まれだ。直接見たことはないが、話にも聞いたし、子供のころそういうドラマや漫画は普通に存在した。
孤児たちの人生は凄まじい。餓死や自殺は珍しくない。彼らが犯罪に走っても、誰が責められようか。
テキヤに保護されているうちは良かったが、やがてヤクザに取り込まれて使い捨てられるようになる。
本書でも少し触れられているが、力を失った警察は乱暴な朝鮮人に対抗するため、日本の反社会勢力を使ったらしい。
そのことをヤクザが正義だったように言う人がいるが、間違っている。自分の縄張り(利益)を守っただけだろ。
売春婦と浮浪児の交流は泣かせる。美談ばかりでなく、生臭い顛末になることもあるが、
それも含めて弱者同士が寄り添う姿には胸を打たれる。
孤児の養育に生涯を捧げた人たちには頭の下がる思いがする。
しかし日本政府というのは、自国民にとことん冷酷なんだなあ。
勝手に始めた戦争でボロ負けして、両親が死んで泣いてる子供に、なんのケアもなし。国に奉じて死んだ人たちは浮かばれないわ。
事実を忘れてはいけない。価値のある記録である。
本書は二次大戦時の戦災孤児たちのレポートである。浮浪児なんて外国の話だと思っている人が多いかもしれない。
私は1955年生まれだ。直接見たことはないが、話にも聞いたし、子供のころそういうドラマや漫画は普通に存在した。
孤児たちの人生は凄まじい。餓死や自殺は珍しくない。彼らが犯罪に走っても、誰が責められようか。
テキヤに保護されているうちは良かったが、やがてヤクザに取り込まれて使い捨てられるようになる。
本書でも少し触れられているが、力を失った警察は乱暴な朝鮮人に対抗するため、日本の反社会勢力を使ったらしい。
そのことをヤクザが正義だったように言う人がいるが、間違っている。自分の縄張り(利益)を守っただけだろ。
売春婦と浮浪児の交流は泣かせる。美談ばかりでなく、生臭い顛末になることもあるが、
それも含めて弱者同士が寄り添う姿には胸を打たれる。
孤児の養育に生涯を捧げた人たちには頭の下がる思いがする。
しかし日本政府というのは、自国民にとことん冷酷なんだなあ。
勝手に始めた戦争でボロ負けして、両親が死んで泣いてる子供に、なんのケアもなし。国に奉じて死んだ人たちは浮かばれないわ。
事実を忘れてはいけない。価値のある記録である。
2019年3月11日に日本でレビュー済み
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「火垂るの墓」で主人公が駅で餓死するシーンや、「はだしのゲン」で子供たちが悪事を働いて毎日を過ごしたりヤクザの手先になって殺されたり等、戦後の孤児、浮浪児はそのぐらいの知識でしか持っていませんでした。もっと詳しく当時のことが知りたいと興味を持ち本書を読みました。読み出すと止まらず一気読みしてしまいました。読む前はあまり期待はしておらず、資料や新聞記事等から説明的に書くものかと思っていましたが、補足的にデータは使うものの、ほとんどが実体験のインタビューであり、非常に生々しく興奮しっぱなしでした。当時その場に生きた人間が、その当時の価値観でどう感じてどう動いたかがよく分かりました。
玉音放送で大人が泣き崩れるときも一日の飯のことだけ考えて無関心な浮浪児、人が多すぎて横になって寝る場所も満足になく小便もその場で壁に向かってやり、そのままそこで寝る劣悪な衛生環境、スリ盗み恐喝あらゆることをやりながら食いつなぐ毎日、生活に疲れ突発的に川に入水自殺した友達、列車での悪事がばれ飛び降り方を間違えて轢死しバラバラになった友達の死体を野良犬から奪い返す、食い物を求め九州から東北まで無賃乗車しドサ回りをする子供、その過程で暴行にあったり人さらいにあって売られたり、パンパンと浮浪児の関係、一緒に住もうと誘われ肉体関係もあったり・・。
とにかくもうドラマや映画が何本も作れるような濃い、そしてハチャメチャで信じられないような実体験エピソードの連続でした。悲しかったのは戦後の高度成長期で一変した日本と日本人に対して、その時代に生きた彼らがうまくそれを説明できずにいたことでした。浮浪児出身は恥だからと結婚相手が隠したり、子供に伝えても「大変だったね」で終わりだったり、もしそういう人たちがこの本を読んだらどういう反応をするのだろうかと思いました。読んでいる時はとても濃厚で満足な時間でした。もし少しでも興味があるならオススメします。
玉音放送で大人が泣き崩れるときも一日の飯のことだけ考えて無関心な浮浪児、人が多すぎて横になって寝る場所も満足になく小便もその場で壁に向かってやり、そのままそこで寝る劣悪な衛生環境、スリ盗み恐喝あらゆることをやりながら食いつなぐ毎日、生活に疲れ突発的に川に入水自殺した友達、列車での悪事がばれ飛び降り方を間違えて轢死しバラバラになった友達の死体を野良犬から奪い返す、食い物を求め九州から東北まで無賃乗車しドサ回りをする子供、その過程で暴行にあったり人さらいにあって売られたり、パンパンと浮浪児の関係、一緒に住もうと誘われ肉体関係もあったり・・。
とにかくもうドラマや映画が何本も作れるような濃い、そしてハチャメチャで信じられないような実体験エピソードの連続でした。悲しかったのは戦後の高度成長期で一変した日本と日本人に対して、その時代に生きた彼らがうまくそれを説明できずにいたことでした。浮浪児出身は恥だからと結婚相手が隠したり、子供に伝えても「大変だったね」で終わりだったり、もしそういう人たちがこの本を読んだらどういう反応をするのだろうかと思いました。読んでいる時はとても濃厚で満足な時間でした。もし少しでも興味があるならオススメします。
2018年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦後を私は知らない。
いや、うっすらと覚えているのだが。
上野の動物園の所で白装束の手足の無い方達が鉄製のヘルメットを入れ物としながら音楽を奏で、歩く人たちにカンパをして貰っていた。
空き缶を前に「右や左りの旦那さまー」と歌い寄付を乞うもの。
腹巻きに包丁を差して肩に刺青をしてる人。
真っ赤な口紅にブルーのアイシャドウのお姉さん
いつの頃からか見なくなった。
うん。確かに皆、がむしゃらに生きていた。
この本が朝ドラになれば良いのに。
この本の誰でも主人公になれるはず。
個人的には裕さんが良いけど。
戦後の子供達と現在の子供達。
保護施設の移り変わり。
今、なんじゃないかな。
いや、うっすらと覚えているのだが。
上野の動物園の所で白装束の手足の無い方達が鉄製のヘルメットを入れ物としながら音楽を奏で、歩く人たちにカンパをして貰っていた。
空き缶を前に「右や左りの旦那さまー」と歌い寄付を乞うもの。
腹巻きに包丁を差して肩に刺青をしてる人。
真っ赤な口紅にブルーのアイシャドウのお姉さん
いつの頃からか見なくなった。
うん。確かに皆、がむしゃらに生きていた。
この本が朝ドラになれば良いのに。
この本の誰でも主人公になれるはず。
個人的には裕さんが良いけど。
戦後の子供達と現在の子供達。
保護施設の移り変わり。
今、なんじゃないかな。





