私は満州開拓団の6年生でした。阿城にあった旧陸軍の駐屯地であった兵舎群の一部屋で一冬過しました。父と下の妹は最初に避難したハルピンで亡くなり、頼みとしていた叔父は男がり重労働がたたり寝たきりになり、ほとんど精白されない高粱のおかゆと発疹チフスで団員の半数ほどがなくなりました。極寒の中次々と亡くなる遺体を一人で近くにあった防空壕の中に収容していたが、そのスペースも遺体で埋め尽くされ、周辺の外へ積み重ねなければならない状態でした。あの悲惨さは今も片時も忘れることがありません。
開拓が盛んなころはたくさんの現地人が雇われて仕事しておりましたが、意気会いあいで楽しく過ごしておりました。秋の頃その中の一人が阿城まで面会にきてくれ、なにがしかのお金と食べ物を持って来たことがありました。そんなことで現地人との関係は極めて良いことと信じて疑いいせんでした。ところが春になり雪が解けたころJ収容所ではたべて行けませんで、現地農家に住み込みで手伝いに行きました。私は豚の放牧の牧童として食べさせてもらっていました。その村でよく「リーベングイズ」と言われましたが何の事だか判りませんでしたが、落書きに「日本鬼子」と書いてあり、これが「リーベングイズ」なのだと分かり、日本人が嫌われていたことを痛感しました。「コ生」の苦労を読んで改めて共感しています。
。
流転の子 - 最後の皇女・愛新覚羅嫮生 (日本語) 単行本 – 2011/8/25
本岡 典子
(著)
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本の長さ461ページ
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言語日本語
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出版社中央公論新社
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発売日2011/8/25
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ISBN-104120042693
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ISBN-13978-4120042690
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
父は満州国皇帝・溥儀の実弟、母は日本の候爵家令嬢。敗戦後、わずか5歳で動乱の大陸をさすらい、命からがら引き揚げてくるも―歴史的一族に生を享け、激動の日中間を生きた女性の半生を描く。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
本岡/典子
ルポルタージュ作家。1956年生まれ、関西学院大学卒業。現代家族・夫婦の危機と再生などを主なテーマとし、『魂萌え!の女たち―祝祭の季節を生きる』(岩波書店)ほか著書多数。近年は中国を精力的に取材し、歴史ドキュメンタリーを手がけている。元ニュースキャスター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ルポルタージュ作家。1956年生まれ、関西学院大学卒業。現代家族・夫婦の危機と再生などを主なテーマとし、『魂萌え!の女たち―祝祭の季節を生きる』(岩波書店)ほか著書多数。近年は中国を精力的に取材し、歴史ドキュメンタリーを手がけている。元ニュースキャスター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2011/8/25)
- 発売日 : 2011/8/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 461ページ
- ISBN-10 : 4120042693
- ISBN-13 : 978-4120042690
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Amazon 売れ筋ランキング:
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- - 149位歴史人物評伝
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2018年9月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間社会には国家、民族、血族、団体、家族と様々な集団があるが、どの集団にも善人もいれば悪人もいる。主人公は中共軍、国民軍、日本軍のせいで命を落としかけるのが、一方で、どの組織にも主人公を支援する人物が現れ、彼らに助けられる。「人が人を殺し、人が人を救う」。ある種、普遍的で逆説的な人類の営みを感じた。
2015年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
事実に忠実であろうと、膨大な資料を読み丁寧な取材をして、書かれた作品に感動しました。戦争が終わっても、中国を彷徨う母子。自分たちは生きて父の溥傑と再会できたが、再会かなわず死に至った姉。私も幾度となく涙が流れました。また、嫮生様の人柄にも心打たれ、人としての生き方も教えていただきました。著者の持つ生へのエネルギーをたくさん注ぎ込んだ作品と思います。ぜひたくさんの方に読んでいただきたいと願うところです。
2012年1月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み始めからスリリングでぐんぐんと引き込まれ、とても手ごたえがありました。久々に深い内容の本だったと思います。まるで大河ドラマを観ているように、一族の流転と深い絆の物語が映像となって浮かんできます。大作なので読み始めるのには勇気が要りますが、ひとたびスタートすると想像をはるかに超えたどんでん返しの連続で、実在の人物の重厚なノンフィクションなのですが、小説を超えた展開でした。愛新覚羅こせいという女性の真摯な語りに、人間のあるべき姿を教えられたような気がしました。周囲の人にも薦めたい一冊です。
2014年9月27日に日本でレビュー済み
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以前、愛新覚羅浩さんの「流転の王妃」を読んだことがありました。この本は二女のこ生さんを中心に敗戦後、日本へ引き揚げるまでの様子やその後の暮らしや中国との民間外交に貢献されている様子がとても細かく書かれていて一気に読み感動しました。
亡くなった夫も黒竜江省からの引揚者で途中母親と兄弟を亡くしています。ドイツがポツダム宣言を受け入れた時、日本も戦争をやめれば国内外の犠牲者がもっと少なかったのではと悔やまれます。権力者は歴史から学んで欲しいのと国民も愚かであってはならないと思いました。
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