大切な誰かを失っても、それで残された人の人生まで終わってしまうわけではありません。残された人間は、どうしようもなく生きてしまう。いつか他の人を好きになることもあるでしょう。失ってしまったもののことを少しずつ忘れていきもするでしょう。そうして生を長らえるのは、はたして正しいことなのか――。自問しつつ、やはり人は生きていかねばなりません。たとえ何かを失っても、それを認めて乗り越えたところに新しい自分がいることを、この小説を読むことでちょっとでも信じてもらえたら嬉しいです。
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「大好きな人が死んでしまう悲しみ」――これはいま世の中で最も受け入れられている小説のテーマのひとつです。その悲しみはあまりに深く、読者の心を抉ります。でも人生は好きな人が死んでしまっても続きます。生きていくためには、ご飯も食べなきゃいけないし、眠らなきゃいけないし、時が経てば、そのうち他の人を好きにもなるでしょう。悲しみの後にほんの少しずつ、ゆっくりと戻ってくる日常。そこには時として悲しみより深い感情が隠れています。
『流れ星が消えないうちに』は、「大切な人の死」がもたらす慟哭の後も続く「人生」を書いた物語です。自分の気持ちを見つめ、自分の弱さやずるさや不条理と対峙せざるを得ない一組のカップルの物語……。私は読みながら何度も涙を流しました。でも、それは「悲しい」とか「つらい」のとはまたちょっと違う、暖かな涙です。ぜひその暖かさを感じてください。
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内容(「BOOK」データベースより)
大好きな人が死んじゃうよりも、世の中にはもっと悲しいことがある…。つらくって一睡も出来なくても、朝は来るし。涙が涸れるほど泣いてても、やっぱりお腹は空くもので。立ち直りたいなんて思ってなくても、時間はいつでも意地悪で、過ぎ去った日々を物語に変えてしまう―。玄関でしか眠れないわたしと、おバカな僕と、優しすぎる彼を繋ぐ「死」という現実。深い慟哭の後に訪れる、静かな愛と赦しの物語。
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著者について
橋本紡(はしもと・つむぐ):三重県伊勢市生まれ。第四回電撃小説大賞で金賞受賞。他の著書に『毛布おばけと金曜日の階段』『猫泥棒と木曜日のキッチン』『半分の月がのぼる空』など。
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
橋本/紡
三重県伊勢市生まれ。第四回電撃小説大賞で金賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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