本書は一般社会人向けの解説書かと思って読み始めたら、なんと序文に「本書のシリーズは、中学生あるいは高校生を対象に、私が「世界の見方」を授業し、その内容を本にまとめています。」と書いてある。
なんだと、思ったが、さすがにNHK時代に1994年から2005年まで11年間も「週刊子供ニュース」のお父さん役を務めて好評を博した筆者だけのことはある。予備知識のないものにも噛んで含めるような丁寧な説明でよくわかる。
本書の構成は
第一章「プーチン大統領」から見るロシア
第二章「社会主義国家」から見るロシア
第三章「東西冷戦とソ連崩壊」から見るロシア
第四章「北方領土問題」から見るロシア
第五章「国際紛争への介入」から見るロシア
第六章「エネルギー資源と外交政策」から見るロシア
の全六章からなっている。
いずれも、毎日の新聞をよく読み、テレビのニュースなどを見ていればわかる問題ではあるが、こうしてまとめて解説してもらうと、ロシアという国の問題点がよくわかる。
とくに現在、日本国民の一大関心事。北方領土問題についてにの説明は地図も数葉用意して力の入った説明になっている。ソ連は長崎に原爆が落とされた1945年8月9日、日ソ不可侵条約を一方的に破り日本領土に侵攻してきたが、日本の公式な降伏日は8月15日ではなくて、戦艦ミズーリ号上で降伏文書に調印した9月2日であるという。しかるにソ連は9月2日を過ぎても、日本の北方領土に攻撃を加え、ついに歯舞群島、色丹島まで占領してしまった。
ソ連は北方4島は「第二次大戦の結果、ソ連領になった。」と嘯いているが、すくなくとも歯舞色丹は日本が正式に降伏文書に調印した後占領したもので、現在安倍総理が歯舞色丹の先行返還をプーチンにぶつけて交渉中なることはよく知られているところである。そんなことはまずないとは思うが、ロシアが二島返還に応じるにしても日米安保条約の存在がある。日本が米軍基地は歯舞色丹には作らせないと確約しないかぎりプーチンは返還に応じないだろう。
色々難しい問題を著者は、いろいろな切り口からわかりやすく説明してくれる。流石だと思わせる。
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池上彰の世界の見方 ロシア~新帝国主義への野望~ Kindle版
謎の多い国ロシアの実像を池上彰が解説。
「おそろしあ」という言葉がある。「恐ろしい」と「ロシア」を合体させた造語。
イギリスに亡命していた元ロシア軍のスパイの男性が毒ガスで殺されかかったり、国際紛争への介入を繰り返したり。
そんなニュースを見ると、「怖い国」と思いがちだがロシアにはそれなりの事情と論理がある、と池上彰は語る。
隣の大国でありながら、ロシアのことを私たちはどこまで知っているだろうか。
北方領土問題をめぐるロシアの言い分と日本の主張の食い違いは何か?
建国当初は世界の期待も大きかったソ連型社会主義はなぜ崩壊したのか?
今のロシアはソ連の時代と同じなのか、違うのか?
絶大な権力を握るプーチン大統領はロシアをどこへ持っていきたいのか?
ロシアという国の基礎基本から、今後ロシアがどのような方針を打ち出しそうかまで、渋谷教育学園渋谷中学校・高等学校、同幕張中学校・高等学校の生徒たちに行った渾身の授業をもとに構成。
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
「おそろしあ」という言葉がある。「恐ろしい」と「ロシア」を合体させた造語。
イギリスに亡命していた元ロシア軍のスパイの男性が毒ガスで殺されかかったり、国際紛争への介入を繰り返したり。
そんなニュースを見ると、「怖い国」と思いがちだがロシアにはそれなりの事情と論理がある、と池上彰は語る。
隣の大国でありながら、ロシアのことを私たちはどこまで知っているだろうか。
北方領土問題をめぐるロシアの言い分と日本の主張の食い違いは何か?
建国当初は世界の期待も大きかったソ連型社会主義はなぜ崩壊したのか?
今のロシアはソ連の時代と同じなのか、違うのか?
絶大な権力を握るプーチン大統領はロシアをどこへ持っていきたいのか?
ロシアという国の基礎基本から、今後ロシアがどのような方針を打ち出しそうかまで、渋谷教育学園渋谷中学校・高等学校、同幕張中学校・高等学校の生徒たちに行った渾身の授業をもとに構成。
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2018/11/19
- ファイルサイズ16892 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
池上/彰
1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。報道局社会部記者などを経て、94年4月から11年間にわたり、『週刊こどもニュース』のお父さん役を務め、わかりやすく丁寧な解説で人気を集める。2005年にNHKを退職し、フリージャーナリストに。名城大学教授、東京工業大学特命教授。愛知学院大学、立教大学、信州大学、日本大学、順天堂大学などでも講義を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。報道局社会部記者などを経て、94年4月から11年間にわたり、『週刊こどもニュース』のお父さん役を務め、わかりやすく丁寧な解説で人気を集める。2005年にNHKを退職し、フリージャーナリストに。名城大学教授、東京工業大学特命教授。愛知学院大学、立教大学、信州大学、日本大学、順天堂大学などでも講義を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B07KW144RJ
- 出版社 : 小学館 (2018/11/19)
- 発売日 : 2018/11/19
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 16892 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 233ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 37,558位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 1,246位社会学概論
- - 1,260位社会学 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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ジャーナリスト。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。1994年から11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年よりフリーに。今さら聞けないニュースの本質をズバリ解説。テレビでも大活躍中(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 池上彰の知らないと恥をかく世界の大問題37 イラスト図解版 (ISBN-13: 978-4047318229 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ベスト1000レビュアーVINEメンバー
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ウクライナ侵攻で読もうと思ったら在庫切れでプレミアがついてましたが、先日増刷され定価で手に入ります。
皆さんがお書きのように、実に読みやすい、分かりやすい。
要は我々の疑問点を池上さんが分かっているからだと思う。これは長年のNHKからの経験がそうさせているのだと思う。
それと、やや話し言葉の口調で臨場感があって、どこかの教室で授業を受けているみたい。
本の内容は、プーチンがこんなことをしでかす前の出版なので北方領土問題などまだ淡い期待が残っております。ただ、ソ連(ロシア)の歴史を知れば、隣に敵対する国が出来るのにナーバスになることも理解できます。でもプーチンはウクライナの人の気持ちは分からないのでしょうね。
この本が書かれた時のウクライナについては、池上さんは「東西に分裂したままの方がいい」(EU,NATO寄りの西側ウクライナとロシアよりの東ウクライナ)と述べられてます。プーチンの方が決着を急いだということかなと思った。
皆さんがお書きのように、実に読みやすい、分かりやすい。
要は我々の疑問点を池上さんが分かっているからだと思う。これは長年のNHKからの経験がそうさせているのだと思う。
それと、やや話し言葉の口調で臨場感があって、どこかの教室で授業を受けているみたい。
本の内容は、プーチンがこんなことをしでかす前の出版なので北方領土問題などまだ淡い期待が残っております。ただ、ソ連(ロシア)の歴史を知れば、隣に敵対する国が出来るのにナーバスになることも理解できます。でもプーチンはウクライナの人の気持ちは分からないのでしょうね。
この本が書かれた時のウクライナについては、池上さんは「東西に分裂したままの方がいい」(EU,NATO寄りの西側ウクライナとロシアよりの東ウクライナ)と述べられてます。プーチンの方が決着を急いだということかなと思った。
ベスト500レビュアー
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高校生を聴き手に講演した記録をベースにしたソ連・ロシアの入門書。「プーチン大統領」「社会主義国家」「東西冷戦とソ連崩壊」「北方領土問題」「国際紛争への介入」「エネルギー資源と外交政策」の6つの視点からソ連・ロシアをみる。
著者は最後に「現代のニュースを理解するうえでは、少し前の歴史を知ることが重要です。」「他国のことを知らずに変な国だ、と決めてかかるのは絶対やめてほしいのです。」「あるひとつの国の出来事が、思いもかけないような影響を遠く離れた国に及ぼすこともある。」と高校生にメッセージを送る。本書を読んだあとだと、このメッセージの意味が胸に落ちるだろう。
鈴木宗男と佐藤優のアイディアで「森喜朗総理大臣とプーチン大統領の間で『2島先行返還』の話が内々にまとまっていた」「特例をひとつずつつくっていくことで、歯舞、色丹を日本の領土に戻そうという、具体的な検討も実は行われてきた」というのは初耳だった。
著者は最後に「現代のニュースを理解するうえでは、少し前の歴史を知ることが重要です。」「他国のことを知らずに変な国だ、と決めてかかるのは絶対やめてほしいのです。」「あるひとつの国の出来事が、思いもかけないような影響を遠く離れた国に及ぼすこともある。」と高校生にメッセージを送る。本書を読んだあとだと、このメッセージの意味が胸に落ちるだろう。
鈴木宗男と佐藤優のアイディアで「森喜朗総理大臣とプーチン大統領の間で『2島先行返還』の話が内々にまとまっていた」「特例をひとつずつつくっていくことで、歯舞、色丹を日本の領土に戻そうという、具体的な検討も実は行われてきた」というのは初耳だった。
2022年4月2日に日本でレビュー済み
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ウクライナでの悲惨なニュースが毎日流れています。ロシアがなぜ軍事侵攻を始めてしまったのか知りたくてこの本を購入しました。
「1991年12月、CIS(独立国家共同体)が設立され、ソ連は消滅。ソビエト社会主義共和国連邦を構成していた15の共和国のうち、すでに独立を宣言したバルト三国とジョージアを除く11カ国すべてがCISに参加」
プーチン大統領は、ソ連の崩壊について、どう思うかと聞かれた時に、「地政学的な悲劇である」と答えたという事です。19頁の地図と129頁の図表【ロシアを除く旧ソ連諸国】(2018年10月現在)を見ると、その意味がわかります。
この表の中で、ウクライナについては、「2014年CISを脱退、ロシアのクリミア併合以降、関係悪化、欧州統合路線が加速。肥沃な土地を持つ農業大国」とあります
「1991年12月、CIS(独立国家共同体)が設立され、ソ連は消滅。ソビエト社会主義共和国連邦を構成していた15の共和国のうち、すでに独立を宣言したバルト三国とジョージアを除く11カ国すべてがCISに参加」
プーチン大統領は、ソ連の崩壊について、どう思うかと聞かれた時に、「地政学的な悲劇である」と答えたという事です。19頁の地図と129頁の図表【ロシアを除く旧ソ連諸国】(2018年10月現在)を見ると、その意味がわかります。
この表の中で、ウクライナについては、「2014年CISを脱退、ロシアのクリミア併合以降、関係悪化、欧州統合路線が加速。肥沃な土地を持つ農業大国」とあります