まず驚いたのが、読みやすさでした。
昔の作品なので覚悟して読み始めたのですが、
現代のSFとかのほうがよほど難解です。
大正時代とかに書かれたとは思えないのほどに、あまりにスイスイと読めるのですが、
これは編集した人たちが、
読みやすくしてくれているのかな?
現代語に訳して、ルビをふり、
字体とかも読みやすく調整してたりして。
読みやすさは面白さに直結しますので、
読み始めたらとまらなくなりました。
ぼくはふだん、
ミステリーって読まないんです。
伏線から回収までが待ち時間に感じてしまい、
またミステリーって長いのも多いので、
そのぶん待ち時間がながいわけで。
なので今までは、
そんなに読む気がしなかったんです。
苦手意識が先にたってしまいまして。
わざわざ買って読もうとは思わなかった。
だからよけいなのかな。
江戸川乱歩さんが、すごく新鮮で。
短編集なので、飽きる間もなく解決しますし、
テンポよい文体で、テンポよく終わる。
すごく気持ちいいです。
恐怖をさんざあおっておいて、
最後の1ページでクルッと逆転するのも、
おお、なんだこれ新鮮って驚きました。
悪夢の世界にジワジワと沼のように沈み、
おお、重い、暗い、苦しいと思ったところで、
急にひっくり返される。
前半は探偵ものが多いですが、
後半はダークなホラーぽい感じで、
なかには昔、発禁になったらしい作品もあり、
内容的にも、
『でしょうね』と納得でした。
でも、好みの問題なのか、
ダークなやつほど心にのこりました。
想像したよりはるかに面白かったので、
ぼくのようにふるい本は難しいだろうなと、
食わず嫌いをしていた人にオススメします。
江戸川乱歩にくわしい人たちが、
その素晴らしさをわかりやすく紹介してくれたという印象で。
読み終えて、なんか優しさを感じました。
また機会があれば、
読んでいない作品を買ってみようと思います。
この傑作選では、
『人間椅子』と『芋虫』が心にのこりました。
『赤い部屋』もいいですね。
江戸川乱歩さんの素晴らしさを教えてくれる、
こういった本を、もっと出してほしいです。
もっと色々紹介してほしい、
もっと『こんなのあるよ』って、
ぼくのような素人に教えてほしい。
そう思える一冊でした。
買ってよかったです。
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