マラドーナの5人抜きに魅せられてボールを蹴り始めた6歳の頃から始まり、川崎入団に至るまでのキャリア形成が物語の縦糸。そこに、今年の代表で味わったベンチ外の不遇からトップ下での復活までの日々が横に差し込まれます。
過去と現在のエピソードから織り出されるのは、挫折の原因を自分の中に求め、無心に練習に取り組むことによって自己を取り戻せば、結果はあとから付いてくる、と考える彼のメンタテリティ。2009年の代表での浮沈が、ここに裏づけられます。
代表の中心選手となった今でも、著者のインタビューに「俺は才能のある選手じゃない」と言い切る憲剛ですが、本を読む限り、華麗な技量や屈強な体躯が無いという点では、本当にそうかもしれません。
違うところがあるとすれば、練習を全く苦にしないところ。勉強でも運動でも、クラスで何かがデキるヤツは、練習自体が楽しいから、楽して上達しちゃう。これをプロのレベルまで持ち続けられたことが、彼の最大の才能でしょう。
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