本木さん演じる幸夫の姿が、自分の奥底を見せられているような気がしてくる。
他者に対して偽善的だったり、繕ったりカッコ付けて良く見られようと生きているのだろうか。
夫婦とは、子供とは、男とは、妻とは、他者とは、など色んなことを改めて考えさせられた映画でした。
俳優陣の自然な演技は、かなり長回しながら空間を切り取っているからこそ、自然な演技が生まれ、あたかもそこにいそうな空気感は実に見事。演技ではなくシチュエーションが喋らせている部分もあるように思う。素晴らしい演出だと思います。
何度も自転車で坂を登って行くカットや海での子供逹と妻のカットなど凄く印象的で、無駄なクレーンショットや嫌なカメラワークが無いのが凄くいい。照明も列車内のシーンで俳優の顔がギリギリ見えているぐらいまで抑えナチュラルになるべくあてないライティングが心地よかった。
今年の日本映画も豊作。
素晴らしい映画をありがとうございました。