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氷壁 (新潮文庫) 文庫 – 1963/11/7

5つ星のうち4.3 573個の評価

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彼の身体は、一個の物体となって雪煙の海へ落ちて行った――。
そのザイルが切れたとき、男と女の新たなドラマが始まった。


前穂高の難所に挑んだ小坂乙彦は、切れる筈のないナイロン・ザイルが切れて墜死する。小坂と同行し、遭難の真因をつきとめようとする魚津恭太は、自殺説も含め数々の憶測と戦いながら、小坂の恋人であった美貌の人妻・八代美那子への思慕を胸に、死の単独行を開始するが……。
完璧な構成のもとに、雄大な自然と都会の雑踏を照応させつつ、恋愛と男同士の友情をドラマチックに展開させた傑作長編。

本文より
魚津はザイルをたぐった。ザイルはそれ自身の重さだけを持ってずるずる高処から岩肌を伝わって彼の手許にたぐり寄せられて来た。(略)
ザイルの全部が手許に来て、すり切れたように切断されているその切口を眼にした時、魚津の心を改めて、言い知れぬ恐怖が襲いかかって来た。小坂乙彦は落ちたのである。どこへ落ちたか判らなかったが、とにかくAフェースの上部から渓谷の深処へ墜落したのである。
「コ、サ、カ」(本書124ページ)

本書「解説」より
この劇的な基軸は、さらに一般化すれば、自然対人間、永遠対歴史あるいは一国の運命といった形に広げて考えることが出来るものであり、事実井上氏の諸作をつらぬく根本的な主題は、これ以外のものではない。自然と人間との、また永遠と個人の生命との触れ合いの緊迫した一瞬を、描きとめることに、この作家のたゆまぬ多産な制作行為の中核が存する。
――佐伯彰一(文芸評論家)

井上靖(1907-1991)
旭川市生れ。京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。1951年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。「天平の甍」での芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(1969年)、「孔子」での野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章した。


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猟銃・闘牛
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価格 ¥693 ¥737 ¥693 ¥781 ¥1,100 ¥737
【新潮文庫】井上靖 作品 ひとりの男の十三年間にわたる不倫の恋を、妻・愛人・愛人の娘の三通の手紙によって浮彫りにした「猟銃」、芥川賞の「闘牛」等、3編。〈芥川賞受賞〉 無数の宝典をその砂中に秘した辺境の要衝の町敦煌──西域に惹かれた一人の若者のあとを追いながら、中国の秘史を綴る歴史大作。〈毎日芸術賞受賞〉 あすは檜になろうと念願しながら、永遠に檜にはなれない”あすなろ”の木に託し、幼年期から壮年までの感受性の劇を謳った長編。 知略縦横の軍師として信玄に仕える山本勘助が、秘かに慕う信玄の側室由布姫。風林火山の旗のもと、川中島の合戦は目前に迫る……。 前穂高に挑んだ小坂乙彦は、切れるはずのないザイルが切れて墜死した──恋愛と男同士の友情がドラマチックにくり広げられる長編。 天平の昔、荒れ狂う大海を越えて唐に留学した五人の若い僧──鑒真来朝を中心に歴史の大きなうねりに巻きこまれる人間を描く名作。〈芸術選奨受賞〉
蒼き狼
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幼き日のこと・青春放浪
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全蒙古を統一し、ヨーロッパへの大遠征をも企てたアジアの英雄チンギスカン。闘争に明け暮れた彼のあくなき征服欲の秘密を探る。 朔風吹き荒れ流砂舞う中国の辺境西域──その湖のほとりに忽然と消え去った一小国の運命を探る「楼蘭」等12編を収めた歴史小説。 朝鮮半島を蹂躙してはるかに日本をうかがう強大国元の帝フビライ。その強力な膝下に隠忍する高麗の苦難の歴史を重厚な筆に描く。〈読売文学賞受賞〉 天智、天武両帝の愛をうけ、”紫草(むらさき)のにほへる妹(いも)”とうたわれた万葉随一の才媛、額田女王の劇的な生涯を綴り、古代人の心を探る。 武門・公卿の覇権争いが激化した平安末期に、権謀術数を駆使し政治を巧みに操り続けた後白河院。側近が語るその謎多き肖像とは。 血のつながらない祖母と過した幼年時代──なつかしい昔を愛惜の念をこめて描く「幼き日のこと」他、「青春放浪」「私の自己形成史」。
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戦乱の春秋末期に生きた孔子の人間像を描く。現代にも通ずる「乱世を生きる知恵」を提示した著者最後の歴史長編。〈野間文芸賞受賞〉 野草の匂いと陽光のみなぎる、伊豆湯ヶ島の自然のなかで幼い魂はいかに成長していったか。著者自身の少年時代を描いた自伝小説。 両親と離れて暮す洪作が友達や上級生との友情の中で明るく成長する青春の姿を体験をもとに描く、『しろばんば』につづく自伝的長編。 no data 高校受験に失敗しながら勉強もせず、柔道の稽古に明け暮れた青春の日々──若き日の自由奔放な生活を鎮魂の思いをこめて描く長編。 no data

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1963/11/7)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1963/11/7
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 640ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101063109
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101063102
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち4.3 573個の評価

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井上 靖
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(1907-1991)旭川市生れ。

京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。1951年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。

「天平の甍」での芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(1969年)、「孔子」での野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章した。

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お客様のご意見

お客様はこの小説について、以下のように評価しています: 自然描写や表現力が高く評価されており、美しい日本語を久しぶりに読んだような印象を与えています。また、劇的で面白いという声もあります。男女の恋愛を描いた一気に引き込まれる作品だと感じており、文学的な魅力があると感じているようです。 一方で、内容については意見が分かれています。一部のお客様は「物語が深くない」「波乱にとんでいて中だるみ」といった指摘があります。 全体的に、読みやすさと文章力が素晴らしいと高く評価されています。 一方で、あらすじが完全なネタバレであることや、本の裏表紙に記載されているあらすじが完全なネタバレであることなど、いくつかの問題点があるようです。

10人のお客様が「描写」について述べています。10肯定的0否定的

お客様はこの小説の描写を高く評価しています。自然描写が美しく、表現力が高く、美しい日本語を久しぶりに読んだような印象を受けています。また、登場人物たちの心の葛藤や立ち居振る舞いが清々しく凛としていて好感が持たれているようです。一方で、高校時代の設定については違和感を感じており、男目線から描かれている点が残念だと指摘されています。

"...井上靖さん、悪い人いないつうか、善人で、 特に女性は良い人だから、男の人もみんな良い人。自然描写とかが素敵だけど、少ない? 街の中での風景やドラマとかも多い、気がします。" もっと読む

"穂高は登ったことがあるので情景が浮かび、読んでいて面白かったです。ただ、少し暗いですね。" もっと読む

"先日初めて上高地に行き、30年前に読んだ氷壁を思い出し、再度読みました。舞台は昭和30年、今から60年前の物語で、少々、時代錯誤は感じますが、日本語の美しさ、また穂高、上高地の自然描写とあいまって、心洗われます。しかし、内容は波乱にとんでいて、長編ですが思わず一気に読んでしまいました。" もっと読む

"懐かしいスタイルの本でした。とても読みやすく、面白かったです。少し古典的な、少し前の日本人の感性が懐かしく思い出されました。文学って大切ですね。" もっと読む

8人のお客様が「面白さ」について述べています。8肯定的0否定的

お客様はこの作品について、面白いと評価しています。ザイルやナイロン事故の現実がいろいろで劇的だと感じています。また、穂高山はハイキング気分で行くべき場所ではないという指摘もあります。

"ザイル、ナイロン事故の話は現実のがいろいろで劇的だと思った。 穂高はやはり怖い、ハイキング気分で行ってはいけないところ、だと思う。 登山家の主義つうか友情、恋愛の人間ドラマ。..." もっと読む

"穂高は登ったことがあるので情景が浮かび、読んでいて面白かったです。ただ、少し暗いですね。" もっと読む

"滑落事故を中心に、主人公を取り巻く人々の人間関係や心理の描写が細かく描かれていて、読み飽きず楽しめました。 最後の落石のシーンが心に残ります。" もっと読む

"実際に起こった山岳事故から、ザイルという視点で扱った事故の真実、男女の恋愛を描いた一気に引き込まれる作品であった。" もっと読む

5人のお客様が「小説」について述べています。5肯定的0否定的

お客様はこの小説について、素晴らしいと評価しています。昭和の世相をよく描写しており、上高地・穂高の登山道とのリンクが懐かしく興味深く楽しめると感じています。文学の大切さを感じており、暑い夏の夜にもかかわらず読み終えたという感想があります。

"懐かしいスタイルの本でした。とても読みやすく、面白かったです。少し古典的な、少し前の日本人の感性が懐かしく思い出されました。文学って大切ですね。" もっと読む

"...小説自体が昭和の世相をよく著していて、なお且つ上高地・穂高の自分の中のイメージが登山で歩いた道とリンクし、懐かしくまたとても興味深く楽しむことが出来ました。特に後半は「コレどうなるんだ?早く教えてくれ'」という感じで一気に読むことができました。..." もっと読む

"暑い夏の今宵、たった今「氷壁」を読み終えました。 すばらしい本に出会えた感謝の気持ちと、もっと早く出会いたかったという2つの思いに捕らわれています。 山自身は意図的に美しくなろうと思ってはおらず、自然にたたずむ純粋さを人間が美しいと感じるのだと思います。..." もっと読む

"小説として、凄い。..." もっと読む

5人のお客様が「読みやすさ」について述べています。5肯定的0否定的

お客様はこの小説の読みやすさを高く評価しています。登山をされない方でも読みやすいと感じています。また、文章が素晴らしいと感じているようです。

"兎に角ザイルのはなし。物語が深くない。読みやすく文章は素晴らしい。おすすめはできないかn" もっと読む

"文章力はさすがだ。読み始めてぐいぐい読める。 内容は最近テレビドラマに使われているネタ。 主人公は山でパートナーを亡くす。 パートナーが恋慕していた魅惑の人妻が、今度は主人公を翻弄する。 この辺りは恋愛小説といっても良い。..." もっと読む

"懐かしいスタイルの本でした。とても読みやすく、面白かったです。少し古典的な、少し前の日本人の感性が懐かしく思い出されました。文学って大切ですね。" もっと読む

"...私自身今まで登るだけでしたが、これからはその山にまつわる小説等があれば目を通してから登っていこうと思いました。登山をされない方でも読みやすい小説だと思います。" もっと読む

7人のお客様が「内容」について述べています。3肯定的4否定的

お客様はこの小説の内容について意見が分かれています。一部のお客様は、内容について波乱にとんでいて読みやすく、文章も素晴らしいと評価しています。一方で、中盤でハーネス事件を引っ張りすぎてやや中だるみになる点や、本の裏表紙に書かれているあらすじが完全なネタバレであることなど、全体的に満足度が低いようです。

"...1955年くらいが舞台だけれど、人の心はさほど変わらない。 大傑作。自分は、井上靖のうまみを全然知らなかったことに気がついた。もっと読もう。" もっと読む

"兎に角ザイルのはなし。物語が深くない。読みやすく文章は素晴らしい。おすすめはできないかn" もっと読む

"...結末は書きませんが、登場人物たちの心の葛藤や立ち居振る舞いが清々しく、凛としていてとても良かったです。また自分が実際に歩いた風景が随所に出てくるので、楽しめました。 登山をされる方はいずれ上高地・穂高を目指すことになると思います。..." もっと読む

"...ピュアに山に生きたい主人公と社会とのズレが、「主人公不在な小説」としてここに投影されているようです。5つ星ではない理由は、中盤でハーネス事件を引っ張りすぎてやや中だるみな点だけです。" もっと読む

あまりに状態がひどくて驚きました。
星5つ中1つ
あまりに状態がひどくて驚きました。
中古(良い)の評価だったので購入したのですが、カバーはふやけて本はシミだらけ。あまりに不潔で手に取る気もしません。返送料がこちらの負担でなければ返品したいです。
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2024年9月6日に日本でレビュー済み
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    穂高行きを前に、何か関連する小説を、と検索していたら出てきた。破格の古本をポチッたが読む分には問題なし。
    井上靖は、自伝もの、歴史ものはいくつか読んでいたが、「氷壁」のような中間小説と呼ばれる一群は初めて。
    登山と東京での生活の対比、男女の思いの差、完璧な構成、500ページを一気に読んでしまった。
    1955年くらいが舞台だけれど、人の心はさほど変わらない。
    大傑作。自分は、井上靖のうまみを全然知らなかったことに気がついた。もっと読もう。
    6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年7月8日に日本でレビュー済み
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    何度も読み返しをしないので、私にはぴったりでお得なお値段でした。
    本も経年劣化はしていますが、読むのには支障ないです。
  • 2024年8月1日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    上高地に旅行に行った時に読みたくなり電子版で購入しました。書かれたのが昭和なので文書の所々に歴史を感じますが、これが逆にとても味わい深く凄くいいです。

    上高地で本に登場する場所を巡るのも楽しいですね。
    さわんどのバスターミナルに行くと、氷壁で描かれた当時のさわんどの写真が飾ってあります。その写真をみてみるととても本で描かれている様子が目に浮かびます。
    あとはやっぱり徳沢園や釜トンネルなどでしょうか。
    映画化、ドラマ化されているのでどちらもみなくなりました。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2023年9月26日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    ナイロンザイル事件の正義がどこにあるかを世間に知らしめ、ナイロンザイルの被害者をこれ以上出さないために書かれたものです。

    すでに判決は出て法的には解決していましたが、まだまだ世間にはナイロンザイルのメーカー側が広めた事件に対する誤解が蔓延っており、ナイロンザイルを妄信する風潮がありました。
    この美しい小説が大ヒットすることによって、世間はようやくナイロンザイル事件を正しく認識することができたのです。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2018年12月4日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    兎に角ザイルのはなし。物語が深くない。読みやすく文章は素晴らしい。おすすめはできないかn
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2022年7月19日に日本でレビュー済み
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    気軽に登れる山から本格的な山のコースがユーザーの登山データーもとに細かく収録されていて自分にあったコースをみつけることができる。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2023年9月23日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    ザイル、ナイロン事故の話は現実のがいろいろで劇的だと思った。

    穂高はやはり怖い、ハイキング気分で行ってはいけないところ、だと思う。

    登山家の主義つうか友情、恋愛の人間ドラマ。
    井上靖さんとしたらクライミングとか山登りを勉強して連載した小説で、素敵です。

    井上靖さん、悪い人いないつうか、善人で、
    特に女性は良い人だから、男の人もみんな良い人。自然描写とかが素敵だけど、少ない?
    街の中での風景やドラマとかも多い、気がします。
  • 2021年3月20日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    コロナで閉じこもっているので北アルプス登山のYoutubeを見ていたら、そういえば、氷壁という井上靖著の名作があったなと思いだし、一気に読んだ。時代が変わり、登山用具は進歩したが、本の名作は不変である。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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