1年ほど前に読んだ真木さんの『時間の比較社会学』に大変刺激を受けて次に手にしたのが本書。
「気流のなる音」「旅のノートから」「交響するコミューン」の3つが収められている。
「気流~」は、人類学者カスタネダがインディオの老呪術師ドン・ファンの生きる世界を紹介した4部作に関する論考、「旅の~」「交響する~」はそれを補完するような随筆。
1970年代に書かれたものだが、今書かれたような印象を持った。
まあ、わたしの好きなタイプの著作で、いろんな本を読んだりしながらいまだ形作りつつある自分の考えを40年前に真木さんは既に確立していた、ということなのかもしれないけれど。
対立概念のように取り扱われていることが実は互いに包み包まれて世の中は成り立っているのではないか、とか、
世の中は矛盾と偶然の積み重ねで成り立っているのに、全て理屈で説明しきることができる、説明できないことは排除する、とか
そんなことを考えているわたしにはとてもしっくりくる著作だった。
(それは真木さんの言ってることと全然違うよと言われるかもしれないが、そう感じたんだからしょうがない。)
真木さんの本でいいなあと思うのは、ちょっと間違うと諦観で止まってしまうようなところを、グイッと一歩踏み出すような感覚を持たせてくれるところ。
未来とか夢とか目標とか前とか次とか、何かどこかに向けてという感じではなく、ただ歩みとしての一歩。
実体験、澄んだ眼差し、明晰な思考、時に詩的な飛躍から足が自ずと動く一歩、なのかな。
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気流の鳴る音―交響するコミューン (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2003/3/1
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カスタネダの著書に描かれた異世界の論理に、人間ほんらいの生き方を探る。
現代社会に抑圧された自我を、深部から解き放つ比較社会学的構想。
【目次】
気流の鳴る音
(「共同体」のかなたへ/カラスの予言―人間主義の彼岸/「世界を止める」―“明晰の罠"からの解放 ほか)
旅のノートから
(骨とまぼろし(メキシコ)/ファベーラの薔薇(ブラジル)/時間のない大陸(インド))
交響するコミューン
(彩色の精神と脱色の精神―近代合理主義の逆説/色即是空と空即是色―透徹の極の転回/生きることと所有すること―コミューン主義とはなにか ほか)
現代社会に抑圧された自我を、深部から解き放つ比較社会学的構想。
【目次】
気流の鳴る音
(「共同体」のかなたへ/カラスの予言―人間主義の彼岸/「世界を止める」―“明晰の罠"からの解放 ほか)
旅のノートから
(骨とまぼろし(メキシコ)/ファベーラの薔薇(ブラジル)/時間のない大陸(インド))
交響するコミューン
(彩色の精神と脱色の精神―近代合理主義の逆説/色即是空と空即是色―透徹の極の転回/生きることと所有すること―コミューン主義とはなにか ほか)
- ISBN-104480087494
- ISBN-13978-4480087492
- 出版社筑摩書房
- 発売日2003/3/1
- 言語日本語
- 本の長さ233ページ
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商品の説明
出版社からのコメント
「知者は“心のある道"を選ぶ。どんな道にせよ、知者は心のある道を旅する。」アメリカ原住民と諸大陸の民衆たちの、呼応する知の明晰と感性の豊饒と出会うことを通して、「近代」のあとの世界と生き方を構想する翼としての、“比較社会学"のモチーフとコンセプトとを確立する。
内容(「BOOK」データベースより)
「知者は“心のある道”を選ぶ。どんな道にせよ、知者は心のある道を旅する。」アメリカ原住民と諸大陸の民衆たちの、呼応する知の明晰と感性の豊饒と出会うことを通して、「近代」のあとの世界と生き方を構想する翼としての、“比較社会学”のモチーフとコンセプトとを確立する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
真木/悠介
1937年東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1937年東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
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2018年7月19日に日本でレビュー済み
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23人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年1月28日に日本でレビュー済み
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いわゆる、現文の論説。
こういうものにアレルギーを抱く人は多いはず。
ある創作物の考えを持っていれば、起こってしまった現実の問題は起こらなかったという話で進んでいくが、果たして意味のある論説なのか。
生きる事は無条件で素晴らしい、命には絶対的な価値があると思っている人には後押ししてくれる本だろう。
しかし、人間の生きる意味を探求していく事が人生だと思っている人には、全くナンセンスに聞こえるだろう。
一つ確実に言えるのは、理由もなく難しくなってしまうのは、文が下手だと言うことだ。
こういうものにアレルギーを抱く人は多いはず。
ある創作物の考えを持っていれば、起こってしまった現実の問題は起こらなかったという話で進んでいくが、果たして意味のある論説なのか。
生きる事は無条件で素晴らしい、命には絶対的な価値があると思っている人には後押ししてくれる本だろう。
しかし、人間の生きる意味を探求していく事が人生だと思っている人には、全くナンセンスに聞こえるだろう。
一つ確実に言えるのは、理由もなく難しくなってしまうのは、文が下手だと言うことだ。
2017年4月9日に日本でレビュー済み
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今、カルロス・カスタネダのドンファンシリーズ好きで読解してるって、大学生のときお世話になった先生に手紙で書いたんですね。
そしたら、だったら真木悠介のこの本読みなさいってアドバイスの手紙をもらいました。
で、読んでみると驚嘆してしまうほどの凄まじい内容でした。こんな天才、本当にいるんだって、心底おどろきました。
西洋文化では理解できない異世界を自由自在、融通無碍に論じてしまう見田宗介に嫉妬を通り越して大きく期待してしまう自分がいました。
これは名作だからもうみんな無条件で読んだ方がいいです。
偽書疑惑のあるカスタネダのドンファンシリーズからこれほどまでに豊かなイマジネーションを引き出す、その手腕に脱帽するしかないです。
そしたら、だったら真木悠介のこの本読みなさいってアドバイスの手紙をもらいました。
で、読んでみると驚嘆してしまうほどの凄まじい内容でした。こんな天才、本当にいるんだって、心底おどろきました。
西洋文化では理解できない異世界を自由自在、融通無碍に論じてしまう見田宗介に嫉妬を通り越して大きく期待してしまう自分がいました。
これは名作だからもうみんな無条件で読んだ方がいいです。
偽書疑惑のあるカスタネダのドンファンシリーズからこれほどまでに豊かなイマジネーションを引き出す、その手腕に脱帽するしかないです。
2016年5月24日に日本でレビュー済み
真木悠介さん(本名は見田宗介。東京大学名誉教授)の論述に関して、私は学生時代、比較的目を通していた方だろう。しかしながら、本書については見逃していたようだ。この本に気づかされたのは、実は火山学・地球科学等で著名な鎌田浩毅さん(京都大学大学院教授)の『 西日本大震災に備えよ 』(PHP新書2015年)であった。実際、鎌田さんは「私は30歳の頃から、『気流の鳴る音』を時には思い出し、やがて忘れ、また再び思い出し、ということを繰り返してきた」(前掲書p.158)と書き記している。鎌田さんのような自然科学を探究する研究者にまで“残像効果”を与えている当書であるけれども、確かに読み始めると、ぐいぐいと引き込まれてしまい、時の経つのを忘れてしまう。
本書は、ペルー生まれのカルロス・カスタネダという人類学者がメキシコ北部に住むヤキ族(アメリカ先住民=メキシコ・インディオ)の老人(ドン・ファンと彼の友人ドン・ヘナロ)の生きる世界を描いた4部作を中心に、真木さんの論考が開展されている。私自身は、残念ながらこの4部作を目にしたことはないけれども、非常に魅力を感じてしまう。そして、この真木さんの著述は、カスタネダの著作の解説ということではなく、「(前略)目的はあくまでも、これらのフィールド・ノートから文化人類学上の知識をえたりすることではなく、われわれの生き方を構想し、解き放ってゆく機縁として、これらインディオの世界と出会うことにある」(p.41)点に主眼が置かれていることを明記しておこう。
あまり微に入り細にわたる評言は避けるけれども、何と言っても吸い寄せられるのはドン・ファンたちの言葉だ。唐突な引用で申し訳ないが、例えば「自尊心てのは、履歴とおなじで、捨てねばならぬものだ」(p.47)とか、「わしらを囲む世界は神秘だ。人間が他のなによりも良いなんてことはないのだ」(p.48)とか、「どこにいようと、大地のおかげで生きていけるのさ」(p.179)などといった発言のひとつひとつが実に印象深い。それはともかく、真木さんは、ドン・ファンの“思想”を「カラスの予言」「世界を止める」「統御された愚」「心ある道」の4象限に分け、さらにそれらを「人間主義の彼岸」「〈明晰の罠〉からの解放」「意志を意志する」「〈意味への疎外〉からの解放」と置き換えている。
もちろん、厳密な比較検証した訳ではないが、こうしたヤキ・インディオの古老の話を孫引きで読んでいると、私はなぜか“縄文の思想”と通底するものを感じてしまった。アメリカ先住民が、その身体的・遺伝的な特徴から「アジア大陸から渡ってきたアジア人の仲間であること」は明らかとなっている(海部陽介『 人類がたどってきた道 』(NHKブックス)p.257) 。最後に、ドン・ファンは「知者への道」に対する4つの「敵」をカスタネダに示した。それは「恐怖」「明晰」「力」及び「老い」である。それらの意味するところも、当書で咀嚼願いたい。本書で構想されたのは「コミューン論を問題意識とし、文化人類学・民俗学を素材とする、比較社会学」(p.38)であった。だが、そういった射程を超えた“何か”も埋もれていた。
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真木悠介さん(本名は見田宗介。東京大学名誉教授)の論述に関して、私は学生時代、比較的目を通していた方だろう。しかしながら、本書については見逃していたようだ。この本に気づかされたのは、実は火山学・地球科学等で著名な鎌田浩毅さん(京都大学大学院教授)の『 西日本大震災に備えよ 』(PHP新書2015年)であった。実際、鎌田さんは「私は30歳の頃から、『気流の鳴る音』を時には思い出し、やがて忘れ、また再び思い出し、ということを繰り返してきた」(前掲書p.158)と書き記している。鎌田さんのような自然科学を探究する研究者にまで“残像効果”を与えている当書であるけれども、確かに読み始めると、ぐいぐいと引き込まれてしまい、時の経つのを忘れてしまう。
本書は、ペルー生まれのカルロス・カスタネダという人類学者がメキシコ北部に住むヤキ族(アメリカ先住民=メキシコ・インディオ)の老人(ドン・ファンと彼の友人ドン・ヘナロ)の生きる世界を描いた4部作を中心に、真木さんの論考が開展されている。私自身は、残念ながらこの4部作を目にしたことはないけれども、非常に魅力を感じてしまう。そして、この真木さんの著述は、カスタネダの著作の解説ということではなく、「(前略)目的はあくまでも、これらのフィールド・ノートから文化人類学上の知識をえたりすることではなく、われわれの生き方を構想し、解き放ってゆく機縁として、これらインディオの世界と出会うことにある」(p.41)点に主眼が置かれていることを明記しておこう。
あまり微に入り細にわたる評言は避けるけれども、何と言っても吸い寄せられるのはドン・ファンたちの言葉だ。唐突な引用で申し訳ないが、例えば「自尊心てのは、履歴とおなじで、捨てねばならぬものだ」(p.47)とか、「わしらを囲む世界は神秘だ。人間が他のなによりも良いなんてことはないのだ」(p.48)とか、「どこにいようと、大地のおかげで生きていけるのさ」(p.179)などといった発言のひとつひとつが実に印象深い。それはともかく、真木さんは、ドン・ファンの“思想”を「カラスの予言」「世界を止める」「統御された愚」「心ある道」の4象限に分け、さらにそれらを「人間主義の彼岸」「〈明晰の罠〉からの解放」「意志を意志する」「〈意味への疎外〉からの解放」と置き換えている。
もちろん、厳密な比較検証した訳ではないが、こうしたヤキ・インディオの古老の話を孫引きで読んでいると、私はなぜか“縄文の思想”と通底するものを感じてしまった。アメリカ先住民が、その身体的・遺伝的な特徴から「アジア大陸から渡ってきたアジア人の仲間であること」は明らかとなっている(海部陽介『 人類がたどってきた道 』(NHKブックス)p.257) 。最後に、ドン・ファンは「知者への道」に対する4つの「敵」をカスタネダに示した。それは「恐怖」「明晰」「力」及び「老い」である。それらの意味するところも、当書で咀嚼願いたい。本書で構想されたのは「コミューン論を問題意識とし、文化人類学・民俗学を素材とする、比較社会学」(p.38)であった。だが、そういった射程を超えた“何か”も埋もれていた。
2009年11月22日に日本でレビュー済み
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自分の生きる「世界」の中で真理だと信じられていることが、他の「世界」では虚構でしかない。“近代”を含めて様々な「世界」を相対化することで“自明性の罠”から抜け出し、“知者”となる第一歩を踏み出すということ。それは、今ここにある一瞬一瞬をかけがえのないものとして生き尽くす〈心のある道〉を切り拓く第一歩でもある。
「近代」の中で生きる私達が見失ってしまったものは何か。私達はどのように生きることができるのか。“気流の鳴る音”を聞く「世界」を旅し、そこから「近代」を捉え返す試みの大切さを、感性豊かに描く一冊です。
「近代」の中で生きる私達が見失ってしまったものは何か。私達はどのように生きることができるのか。“気流の鳴る音”を聞く「世界」を旅し、そこから「近代」を捉え返す試みの大切さを、感性豊かに描く一冊です。
2010年1月21日に日本でレビュー済み
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おそらくカルロス・カスタネダ著のドンファンシリーズを読んでから、この本を読んだ人が多いのでは?と思いますが、私の感想では、この本を読んでからカスタネダを読んだ方が順番としてはいいかと思います。
ドンファンシリーズに心底やられている人に取ってはこの本の学術的な部分が物足りなく感じると思います。それこそ、ドンファンを描写しきれない初期のカスタネダのイメージとだぶります。
しかし、この真木悠介先生は素晴らしい方だと思っております。「時間の比較社会学」(岩波書店)は大変興味深い著書でしたし、学問は本来失われたものを取り戻すものではないのかと考えさせられました。
読んでおいて損は無い本です。真木先生の本を読んで、現代人の日常の異常さに気づきましょう。
おすすめです。
ドンファンシリーズに心底やられている人に取ってはこの本の学術的な部分が物足りなく感じると思います。それこそ、ドンファンを描写しきれない初期のカスタネダのイメージとだぶります。
しかし、この真木悠介先生は素晴らしい方だと思っております。「時間の比較社会学」(岩波書店)は大変興味深い著書でしたし、学問は本来失われたものを取り戻すものではないのかと考えさせられました。
読んでおいて損は無い本です。真木先生の本を読んで、現代人の日常の異常さに気づきましょう。
おすすめです。
2012年4月14日に日本でレビュー済み
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明晰さの追求は必要でしょう。それは間違いない。に、しても、この自同律の不快は何によるの?
こんなはずではなかった…。
と、なってしまったとしましょう。でもせっかく苦労して得た明晰さは手放したくない。
じゃあ、旅の途上で引き返す/降りるのではなく、明晰さの凝りを解きほぐすにはどうしたら
いいかのう。
真木センセイによる語り=近代以前の言の端による追体験がギュっと詰まった本書に、読み手の
共鳴盤は自然に呼応すると思います。少なくともワタクシは、しました。
他の著作にも通じる見田社会学のライトモチーフ/出発点と言っていいと思います。
いつ読んでも気持ちいいです。どこを読んでも。頭骨がマッサージされ、肩凝りがほぐされて
いく感じ…といったら伝わるかな。
山岸会や水俣病への言及にもうんうんと頷かされるところが多いです。社会学を学ぶ人には
必読かと。いまや現代クラシックに分類される? オススメです!
こんなはずではなかった…。
と、なってしまったとしましょう。でもせっかく苦労して得た明晰さは手放したくない。
じゃあ、旅の途上で引き返す/降りるのではなく、明晰さの凝りを解きほぐすにはどうしたら
いいかのう。
真木センセイによる語り=近代以前の言の端による追体験がギュっと詰まった本書に、読み手の
共鳴盤は自然に呼応すると思います。少なくともワタクシは、しました。
他の著作にも通じる見田社会学のライトモチーフ/出発点と言っていいと思います。
いつ読んでも気持ちいいです。どこを読んでも。頭骨がマッサージされ、肩凝りがほぐされて
いく感じ…といったら伝わるかな。
山岸会や水俣病への言及にもうんうんと頷かされるところが多いです。社会学を学ぶ人には
必読かと。いまや現代クラシックに分類される? オススメです!







