ぼくは学生時代、あまり人間関係に自信がありませんでした。
どうすればいいんだろう?
僕がいけないんだろうか?
相手がいけないんだろうか?
いまいち自分自身のことも好きになれませんでした。
あるときから、自分のキャラクターを変えることに興味を持ちました。気くばり上手な人たちを研究して、彼らの行動パターンをマネはじめたのです。
たとえば挨拶をしっかりするように心がけたり、人の話を一生懸命聞くようになったり、友だちの記念日にお祝いを贈るようになったり、雨に降られた人に「駅まで送ろうか?」と声をかけたり。
最初のうちは照れくさかったし、それなりに勇気もいりました。
みんなにからかわれたり、「下心があるんじゃないか」と疑われたこともあります。
でも外野の声は気にしませんでした。
ずっとその態度を続けていけば、いつかそれが自分自身のキャラクターになる。
気くばりをするクセが、だんだん自分の体になじみ自然になっていく。
そして新しく知り合った人は、新しく生まれ変わった僕を「僕そのもの」と思ってくれる。そう信じていたからです。
本書『気くばりのツボ』は、僕がゆっくり時間をかけて見つけたコミュニケーション術です。ここには現在あなたと関わりのある人、これからあなたと出会う人、そしてあなた自身に喜んでもらうための、ちょっとした心がまえが書かれています。
誰でも簡単にできることばかりなので、ぜひ明日から実践してみてください。
あなたを変化させる扉は、日常生活のさりげないところに潜んでいます。
その扉をひとつ、ひとつ開けるたびに、新しい自分と出会えることでしょう。
(本書「はじめに」より抜粋)
著者について
1965年三重県生まれ。広島大学教育学部中退。
飲食店・化粧品・グッズ制作など複数の事業を展開するかたわら、
エッセイスト、画家、イラストレーター、として幅広い分野で活躍中。
1999年、NY・SOHOにて初めての絵画個展『parallel world』を開催。
主な著作に『人生はかなりピクニック』『ポケット成功術』『魔法のドリル』など。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山崎/拓巳
1965年三重県生まれ。広島大学教育学部中退。FCA。エッセイスト、画家、イラストレーターとして幅広い分野で活躍中。1999年、NY・SOHOにて初めての絵画個展『parallel world』を開催。人の生きる営みをストレートにとらえた作風が、国内外を問わず高い評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)