ありきたりの設定、どこかで見たキャラ付け、平凡な構図。
作画は稚拙で安定しておらず、ときおり主人公が別人に見えるが魅力的な画風。
凡庸を集約したようなストーリーだが、情念の乗せ方が非凡。
お約束通りの展開で意外性なく万事予想通りに事が進むが、溜め方が上手なので「その時」のカタルシスが最高で素晴らしい後読感。
かいつまんで言えば、そんな感じだが「先生」という感には、まだ到達していない。
名家のお嬢様で端麗な容姿の上才媛。
しかし、これだけでキャラの魅力が出せないのがマンガ。
マンガのキャラはそんなの普通だからだ。
彼女の持つ苦悩や束縛に対処する「キャラ性」こそが人気を決定づける最大の要因だろう。
いかに共感できるか、とういう点が大事で、そんなキャラを多数登場させられれば、ヒットは約束されたようなもの。
マンガとは、ストーリーが見たい訳ではなく、キャラ(活躍する)を見ていたいのだ。
そこでキャラ、ストーリー共に優れていて初めて、名作と言われる。
東堂三段は魅力的で、ありきたりな設定でも見ていたいと思わせるに十分だ。
作家の能力は極めて高く、吾峠呼世晴の背中が見えている。
納豆まぜおさん、個人的に注目していますので頑張って下さい、次の作品を楽しみにしています。
内容紹介
上品、優雅、清楚。だがその胸の内には熱くたぎる想いがある。女流棋士・東堂光が頂点を目指し、過去のトラウマと向き合い闘う・・・!