ローレンス・ブロックの殺し屋ケラー・シリーズの『殺し屋ケラーの帰郷』(2013年)を読むことにした。
『殺し屋 最後の仕事』(2008年)を、シリーズ最後だと思っていたら、5年過ぎて最後の最後というような続編をブロックは読者に与えてくれた。
本書は五つの短編で構成されているが、長いストーリーもあり、いずれの物語にも切手収集家のエピソードが挿入されている。
ブロック自身がかなりの切手収集家であることを訳者あとがきで知ったので、なるほど、切手の専門知識の蘊蓄を語り合うページが本書中でかなりを占めているのも納得してしまった。
前作でドットへ引退宣言をしたはずなのに、「ケラーの娘のジェニーの声が聞きたかった」などとドットから携帯で呼び出され「あなたは断るけどね!」などと話しながら、こんな殺しの仕事が入ってきたと話してくる。
ケラーの興味を惹くドットの誘い話に乗せられて仕事に赴く話ばかりの五話で本書は埋められている。
本書が刊行されてから7年が過ぎたから、もうケラー・シリーズは、本書で終えるのだろう。
ドットもケラーも子どもの殺しは断るという五話目「ケラーの義務」が、ネタバレになるが、ニューヨーク州のバッファローに住まうターゲットの14歳の切手収集を生きがいともしているような少年と切手クラブでケラーは会ってみた。
妻のジュリアと電話で話したケラーが「ほんとうにいい子だった」というところでなぜドットが断ったのにケラーがターゲットのところに向かったのかを読者のほとんどが想像することができる。
莫大な遺産を相続したその少年を、三人の叔父と叔母のなかに依頼人がいることを知ったケラーとドットの思いが「義務」としてケラーの果たした仕事の詳細は描かれることなく、余韻を読者にあたえながらこのストーリーは終えている。
が、ケラーが無報酬の「義務」を、完璧に果たしてニューオーリンズへ帰るだろうと思いながら読者は本書を読み終えるだろう。
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殺し屋ケラーの帰郷 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション) 文庫 – 2014/10/21
ローレンス・ブロック
(著),
田口 俊樹
(翻訳)
購入を強化する
殺し屋稼業を再開
ブロックはこれまでも元アウトローで現まっとうな市民という主人公を何度も描き、かつ彼らを幾度も現役復帰させてきた……
まさか、という作品を書いてしまうのもブロックなのである。(本文解説より) 杉江松恋(ミステリー評論家)
ルイジアナ州ニューオーリンズ。殺し屋を引退したケラーは結婚し、子供もできてすっかり良き市民になっていた。新しい仕事のリフォーム事業も、
好景気で順調だった。ところが、サブプライムローン問題によってバブルがはじけ、一気に失業状態に。そんなところへ、身を潜めていたドットより
突然電話があり、殺しの依頼が舞い込んだ……(『ケラー・イン・ダラス』)。ほかに、数年ぶりに訪れた懐かしいニューヨークを異邦人の眼で見る
ことにとまどう『ケラーの帰郷』などを収める連作短篇集。
原題:Hit Me
【 ミステリーの目利き書店員さんも推薦! 】
● 代官山 蔦屋書店 間室道子さん
なんの苦悩もなく、あっさり殺し屋稼業に復帰したケラーに拍手です。自分の仕事に対して余計な力みやセンチメンタルさがないのはプロ中のプロ。
● 有隣堂 ヨドバシAKIBA店 梅原潤一さん
小粋な会話、流麗なストーリー展開、そして後味の良い最高の幕切れ! これ以上何が欲しい! ? いや何もいらない! ってくらい面白いです! !
● ときわ書店 船橋本店 宇田川拓也さん
よき夫、よき父であろうとする孤高の殺し屋の日常が、こんなにも滋味深く、渇いた心に染み入るとは! このままいつまでも読み続けていたくなる。
◆ 著者について
ローレンス・ブロック Lawrence Block
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、作品の数は50冊を超える。
『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、
第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。
1994年には、MWAグランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の巨匠としていまも精力的に活動している。
2012年に来日し、講演や伊坂幸太郎氏との対談などをおこなった。
◆ 殺し屋 好評既刊
『 殺し屋 』
『 殺しのパレード 』
『 殺し屋 最後の仕事 』
( いずれも二見書房 ザ・ミステリコレクション )
ブロックはこれまでも元アウトローで現まっとうな市民という主人公を何度も描き、かつ彼らを幾度も現役復帰させてきた……
まさか、という作品を書いてしまうのもブロックなのである。(本文解説より) 杉江松恋(ミステリー評論家)
ルイジアナ州ニューオーリンズ。殺し屋を引退したケラーは結婚し、子供もできてすっかり良き市民になっていた。新しい仕事のリフォーム事業も、
好景気で順調だった。ところが、サブプライムローン問題によってバブルがはじけ、一気に失業状態に。そんなところへ、身を潜めていたドットより
突然電話があり、殺しの依頼が舞い込んだ……(『ケラー・イン・ダラス』)。ほかに、数年ぶりに訪れた懐かしいニューヨークを異邦人の眼で見る
ことにとまどう『ケラーの帰郷』などを収める連作短篇集。
原題:Hit Me
【 ミステリーの目利き書店員さんも推薦! 】
● 代官山 蔦屋書店 間室道子さん
なんの苦悩もなく、あっさり殺し屋稼業に復帰したケラーに拍手です。自分の仕事に対して余計な力みやセンチメンタルさがないのはプロ中のプロ。
● 有隣堂 ヨドバシAKIBA店 梅原潤一さん
小粋な会話、流麗なストーリー展開、そして後味の良い最高の幕切れ! これ以上何が欲しい! ? いや何もいらない! ってくらい面白いです! !
● ときわ書店 船橋本店 宇田川拓也さん
よき夫、よき父であろうとする孤高の殺し屋の日常が、こんなにも滋味深く、渇いた心に染み入るとは! このままいつまでも読み続けていたくなる。
◆ 著者について
ローレンス・ブロック Lawrence Block
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、作品の数は50冊を超える。
『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、
第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。
1994年には、MWAグランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の巨匠としていまも精力的に活動している。
2012年に来日し、講演や伊坂幸太郎氏との対談などをおこなった。
◆ 殺し屋 好評既刊
『 殺し屋 』
『 殺しのパレード 』
『 殺し屋 最後の仕事 』
( いずれも二見書房 ザ・ミステリコレクション )
- 本の長さ497ページ
- 言語日本語
- 出版社二見書房
- 発売日2014/10/21
- ISBN-104576141406
- ISBN-13978-4576141404
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ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ルイジアナ州ニューオーリンズ。殺し屋を引退したケラーは結婚し、子供もできてすっかり良き市民になっていた。新しい仕事のリフォーム事業も、好景気で順調だった。ところが、サブプライムローン問題によってバブルがはじけ、一気に失業状態に。そんなところへ、身を潜めていたドットより突然電話があり、殺しの依頼が舞い込んだ…(『ケラー・イン・ダラス』)。ほかに、数年ぶりに訪れた懐かしいニューヨークを異邦人の眼で見ることにとまどう『ケラーの帰郷』などを収める連作短篇集。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ブロック,ローレンス
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、作品の数は50冊を超える。『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。1994年には、MWAグランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の巨匠としていまも精力的に活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、作品の数は50冊を超える。『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。1994年には、MWAグランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の巨匠としていまも精力的に活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 二見書房 (2014/10/21)
- 発売日 : 2014/10/21
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 497ページ
- ISBN-10 : 4576141406
- ISBN-13 : 978-4576141404
- Amazon 売れ筋ランキング: - 296,414位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 69位ザ・ミステリ・コレクション
- - 5,785位英米文学研究
- - 5,908位英米文学
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.6
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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ベスト500レビュアー
Amazonで購入
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2015年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者のブロックはシリーズでエピソードを積み重ねながらキャラクターの魅力を更新していくタイプだと思う。ケラーシリーズも1,2作では、登場人物の会話の妙がクローズアップされ現実感の薄い軽いタッチの短編集だったが、3作目から俄然よくなり、4作目でその魅力を増している。
第3作で絶体絶命のピンチを切り抜け、引退したケラーが殺し屋家業を再開するが、強引な展開にも無理がない。これまでの背景が本作での登場人物の言動に強い影響を与えているので前作を読んでいない読者にはわかりづらい点があるかもしれないが、それを知らなくても十分楽しめるのではないか。
自身はドットとの軽妙なやりとりより妻のジュリアと仕事のことを話す場面のほうが、現実感があって楽しめた。次があるかわからないが、出れば即買いのシリーズと言えよう。
第3作で絶体絶命のピンチを切り抜け、引退したケラーが殺し屋家業を再開するが、強引な展開にも無理がない。これまでの背景が本作での登場人物の言動に強い影響を与えているので前作を読んでいない読者にはわかりづらい点があるかもしれないが、それを知らなくても十分楽しめるのではないか。
自身はドットとの軽妙なやりとりより妻のジュリアと仕事のことを話す場面のほうが、現実感があって楽しめた。次があるかわからないが、出れば即買いのシリーズと言えよう。
2014年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み出すと止まらなくなる、殺し屋ケラーのシリーズ新作。前作で終了かと思っていたら続編が登場して、ファンとしては嬉しい限りだ。ケラーは人生も住居も名前も一新したのだが、再び我々の元に帰ってきてくれた。
作家のローレンス・ブロックが提示するこの物語はいつも、ケラーの細々とした日常や人となりを語りながら、彼の「仕事」についても書いておく、といったスタンスだ。必要以上に、壮絶な現場の描写は必要ない。なにしろ、殺し屋にとってターゲットを仕留めるのは日常の「仕事」なのだから。我々が自分の仕事をするのと同じように、ケラーは淡々とプロの技を発揮するだけだ。
だが、独身男だったこれまでの生活とは違い、本作では家族とともに日常を過ごしながら、「仕事」をするケラーの姿が描かれる。稼業から足を洗うと言っているが、苦悩しながらも家庭と「仕事」を両立する、ますます人間くさいケラーの物語も読んでみたい。
それと、ケラーが毎回仕事の後に行う、悪いイメージを消す儀式の説明に、「フォトショップ」という単語が出てきたのは始めてではないだろうか。今度試してみようと思う。
作家のローレンス・ブロックが提示するこの物語はいつも、ケラーの細々とした日常や人となりを語りながら、彼の「仕事」についても書いておく、といったスタンスだ。必要以上に、壮絶な現場の描写は必要ない。なにしろ、殺し屋にとってターゲットを仕留めるのは日常の「仕事」なのだから。我々が自分の仕事をするのと同じように、ケラーは淡々とプロの技を発揮するだけだ。
だが、独身男だったこれまでの生活とは違い、本作では家族とともに日常を過ごしながら、「仕事」をするケラーの姿が描かれる。稼業から足を洗うと言っているが、苦悩しながらも家庭と「仕事」を両立する、ますます人間くさいケラーの物語も読んでみたい。
それと、ケラーが毎回仕事の後に行う、悪いイメージを消す儀式の説明に、「フォトショップ」という単語が出てきたのは始めてではないだろうか。今度試してみようと思う。
2014年11月23日に日本でレビュー済み
「殺し屋」というタイトル、そしてキラリと光るナイフが描かれた表紙。
タフな主人公の激闘が繰り広げられる、かと思いきや、激しいシーンはほとんど出てきません。
5作品からなる、中~短編集で、それぞれのストーリで、主人公のケラーがターゲットに近づいていくまでの状況、この状況に応じたケラーの機転、機敏さ、そして、依頼を実行してからの後日談が軽妙に描かれています。
小説に出てくる殺し屋といえば、ターゲットの行動を緻密に想定して、実行から逃亡まで完璧な計画を練り上げる超人タイプが多いと思いますが、本作品の場合、依頼された殺しを実行するまでの間、ケラーが想定したどおりになかなか事が進まず、さあ、どうしようと逡巡し、状況にまかせて、臨機応変にアクションをおこすところが大変面白かったです。読んでいる私自身まで、やきもきさせられてしまいました。
主人公ケラーと他の登場人物との会話について、例えや皮肉を巧く効きかせた、テンポの良く書かれており、読み進むにつれ、登場人物への愛着も高まってきます。ケラーの副業である、切手の売買についての記述も、無意味な豆知識に終ることなく、ストーリー展開にうまく絡めてあり、良い味わいをつけていたと思います。
4作品目を迎えるシリーズもので、、私はこの作品で初めて読みましたが、短編一話ごとで、しっかりとストーリーに区切りをつけてあるため、過去の作品が未読でも十分に楽しむことができました。
タフな主人公の激闘が繰り広げられる、かと思いきや、激しいシーンはほとんど出てきません。
5作品からなる、中~短編集で、それぞれのストーリで、主人公のケラーがターゲットに近づいていくまでの状況、この状況に応じたケラーの機転、機敏さ、そして、依頼を実行してからの後日談が軽妙に描かれています。
小説に出てくる殺し屋といえば、ターゲットの行動を緻密に想定して、実行から逃亡まで完璧な計画を練り上げる超人タイプが多いと思いますが、本作品の場合、依頼された殺しを実行するまでの間、ケラーが想定したどおりになかなか事が進まず、さあ、どうしようと逡巡し、状況にまかせて、臨機応変にアクションをおこすところが大変面白かったです。読んでいる私自身まで、やきもきさせられてしまいました。
主人公ケラーと他の登場人物との会話について、例えや皮肉を巧く効きかせた、テンポの良く書かれており、読み進むにつれ、登場人物への愛着も高まってきます。ケラーの副業である、切手の売買についての記述も、無意味な豆知識に終ることなく、ストーリー展開にうまく絡めてあり、良い味わいをつけていたと思います。
4作品目を迎えるシリーズもので、、私はこの作品で初めて読みましたが、短編一話ごとで、しっかりとストーリーに区切りをつけてあるため、過去の作品が未読でも十分に楽しむことができました。










