歌集 滑走路 (日本語) 単行本 – 2017/12/26
萩原 慎一郎
(著)
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本の長さ160ページ
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言語日本語
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出版社KADOKAWA
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発売日2017/12/26
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ISBN-104048764772
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ISBN-13978-4048764773
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
32歳。若き歌人が遺した至極の295首。第一歌集。
著者について
●萩原 慎一郎:1984年東京都生まれ。私立武蔵高校、早稲田大学卒。17歳の時に短歌を始める。りとむ短歌会所属。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
萩原/慎一郎
1984年東京都生まれ。私立武蔵高校・早稲田大学卒。りとむ短歌会所属。第5回角川全国短歌大賞準賞(2014年1月)。平成25年度NHK全国短歌大会近藤芳美賞選者賞(岡井隆選)「滑走路」(2014年1月)。第31回朝日歌壇賞(馬場あき子選)(2015年1月)。第36回全日本短歌大会毎日新聞社賞(2015年9月)。平成27年度NHK全国短歌大会特選(馬場あき子選)(2016年1月)。第37回全日本短歌大会日本歌人クラブ賞(2016年9月)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1984年東京都生まれ。私立武蔵高校・早稲田大学卒。りとむ短歌会所属。第5回角川全国短歌大賞準賞(2014年1月)。平成25年度NHK全国短歌大会近藤芳美賞選者賞(岡井隆選)「滑走路」(2014年1月)。第31回朝日歌壇賞(馬場あき子選)(2015年1月)。第36回全日本短歌大会毎日新聞社賞(2015年9月)。平成27年度NHK全国短歌大会特選(馬場あき子選)(2016年1月)。第37回全日本短歌大会日本歌人クラブ賞(2016年9月)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2017/12/26)
- 発売日 : 2017/12/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 160ページ
- ISBN-10 : 4048764772
- ISBN-13 : 978-4048764773
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Amazon 売れ筋ランキング:
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- - 19位歌集
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年11月8日に日本でレビュー済み
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初めてお便りします。先日、滑走路を贖い、職場にも持って行き、折に触れ開きます。私は。五十路で正規雇用ですが、十年間精神疾患に苛まれ、降格にもなり、職場に居場所はありません。ただ、何らかの文業につきたいという、高校生の時に描いた夢に向かって、まだ書くことを止めていません。自死について思いつめた時もありました。全く背景を知らない私には、貴方の決断を評する資格はありません。偶然、私は貴方の高校の20年先輩です。一度お会いして、お話したかった。それは痛切に思います。初めて買った歌集が、後輩の手になるものであることを誇りに思います。ありがとう。私は、もうしばらく書き続けます。
169人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2018年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
非正規として働く作者が、格差社会で挫折感を抱きつつも歌作に情熱を傾け生きていく希望を見出そうとする歌の数々に、ときに激しく感情が揺さぶられ、途中で何度もページをめくる手が止まってしまいました。
サクサク読んでしまうにはあまりにももったいない作品です。
この激しい競争社会をサバイバルするには鈍感力が必要であり、他人を思いやる人、感受性が強い人ほどそこからこぼれ落ちていってしまいます。
この歌集は、そうした後者、弱き人優しき人が悩み苦しみもがく姿にこそ真実の優しさ人間らしさがあり、答えのない人生の中でそれこそが美しく価値あるものなのだと感じさせてくれました。そのことをご本人にお伝えしたかった。
生きづらさを感じるとき、何度も読み返すでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。
サクサク読んでしまうにはあまりにももったいない作品です。
この激しい競争社会をサバイバルするには鈍感力が必要であり、他人を思いやる人、感受性が強い人ほどそこからこぼれ落ちていってしまいます。
この歌集は、そうした後者、弱き人優しき人が悩み苦しみもがく姿にこそ真実の優しさ人間らしさがあり、答えのない人生の中でそれこそが美しく価値あるものなのだと感じさせてくれました。そのことをご本人にお伝えしたかった。
生きづらさを感じるとき、何度も読み返すでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。
2018年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
帯に載っていた短歌が印象的で、衝動買いした本だったんだけど、
開いてみると、短歌雑誌等で読んだことのある歌がいくつかあって、
あ~、結構有名な方の本だったのねと思った。
が、帯の表に書いてある言葉を見て衝撃を受けた。
本書は筆者の遺作だということ。
若くして、昨年急逝されたという事実を知った。
好きな雰囲気の歌が多々あり、年代も性別も筆者とは違う私でさえ
思いっきり共感のできる歌もたくさんあり、
今後、10年後、20年後の筆者の歌も読んでみたかった。
なんだか少し切なくて、めっちゃ頑張ろう!っていうんじゃないけど
ちょっと頑張ってみようかなって気持ちが持てる、
筆者の人柄が歌のあちこちに見え隠れしていて
きっと感受性の強い、歌人として素敵な方だったんだろうなぁと思った。
大切に、何度も読み返したいと思う1冊。
開いてみると、短歌雑誌等で読んだことのある歌がいくつかあって、
あ~、結構有名な方の本だったのねと思った。
が、帯の表に書いてある言葉を見て衝撃を受けた。
本書は筆者の遺作だということ。
若くして、昨年急逝されたという事実を知った。
好きな雰囲気の歌が多々あり、年代も性別も筆者とは違う私でさえ
思いっきり共感のできる歌もたくさんあり、
今後、10年後、20年後の筆者の歌も読んでみたかった。
なんだか少し切なくて、めっちゃ頑張ろう!っていうんじゃないけど
ちょっと頑張ってみようかなって気持ちが持てる、
筆者の人柄が歌のあちこちに見え隠れしていて
きっと感受性の強い、歌人として素敵な方だったんだろうなぁと思った。
大切に、何度も読み返したいと思う1冊。
2018年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
年齢の入った歌が数首あり、
おそらく編年体であろうと思われる。
青空の下でミネラルウォーターの箱をひたすら積み上げている
うしろ手に携帯電話抜くときにガンマンになった気がする僕は
〈青空〉と発音するのが恥ずかしくなってきた二十三歳の僕
空だって泣きたいときもあるだろう葡萄のような大粒の雨
詩歌本やたらと置いてある増田書店の増田さんに会いたし
筍のように椅子から立ちあがる昔の僕のような少年
その感性の素直さと清新さに胸を衝かれたものの、もし彼が生きていたら果たして同じように感動しただろうか? という疑問がつきまとった。
歌集の後半に進むにつれ、彼は心の余裕を失っていったように読める。それもまた、彼が自ら死を選んだと知っているから、そう取れるのかもしれないが。
こんなにも愛されたいと思うとは 三十歳になってしまった
好きだ 好きだ 好きだ 好きだと伝えても届かない恋ばかりしてきた
だだだだだ 階段を駆けあがるのだ だだだだ、だだだ 駆けあがるのだ
日記ではないのだ 日記ではないのだ こころの叫びそのものなのだ
後半はもう悲鳴のようで、苦しかった。しんそこ疲弊し、追い詰められたのではないか。
彼に別の生き方があったなら……そう思わずにいられない。
享年32歳。彼はただ、あまりに真っ直ぐすぎただけなのだ。
おそらく編年体であろうと思われる。
青空の下でミネラルウォーターの箱をひたすら積み上げている
うしろ手に携帯電話抜くときにガンマンになった気がする僕は
〈青空〉と発音するのが恥ずかしくなってきた二十三歳の僕
空だって泣きたいときもあるだろう葡萄のような大粒の雨
詩歌本やたらと置いてある増田書店の増田さんに会いたし
筍のように椅子から立ちあがる昔の僕のような少年
その感性の素直さと清新さに胸を衝かれたものの、もし彼が生きていたら果たして同じように感動しただろうか? という疑問がつきまとった。
歌集の後半に進むにつれ、彼は心の余裕を失っていったように読める。それもまた、彼が自ら死を選んだと知っているから、そう取れるのかもしれないが。
こんなにも愛されたいと思うとは 三十歳になってしまった
好きだ 好きだ 好きだ 好きだと伝えても届かない恋ばかりしてきた
だだだだだ 階段を駆けあがるのだ だだだだ、だだだ 駆けあがるのだ
日記ではないのだ 日記ではないのだ こころの叫びそのものなのだ
後半はもう悲鳴のようで、苦しかった。しんそこ疲弊し、追い詰められたのではないか。
彼に別の生き方があったなら……そう思わずにいられない。
享年32歳。彼はただ、あまりに真っ直ぐすぎただけなのだ。
2018年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『滑走路』は若い人の歌集で、歌の内容は大きく分けると3つに分類できると私は思いました。恋へのあこがれ、青年の夢と鬱屈、そして非正規雇用に関する悲痛な叫びです。青年の恋への思いや将来に対する気概と鬱屈はこれまで多くの人が詩歌にしてきたように思いますが、非正規雇用の歌は私にとって初めてで、胸に突き刺さりました。
「屋上で珈琲を飲む かろうじておれにも職がある現在は」
「ぼくも非正規きみも非正規秋がきて牛丼屋にて牛丼食べる」
「コンビニの駐車場から旅に発つきみはかつての級友だった」
「箱詰めの社会の底で潰された蜜柑のごとき若者がいる」
等々、著者の詠んだ歌が悲痛な声を発しています。
非正規雇用を広げていく法案にかつて賛意を示した自分を、私は大分前から「間違っていた」と反省していますが、『滑走路』の中の歌を読んで、本当に申し訳ないことをしたと思いました。若い人たちや多くの非正規雇用の人たちに、そしておそらく日本経済の本当の発展のためにも、悪いことをしてしまったと思っています。今後、非正規雇用を少なくしたり、改めたりしていく努力をします。
蛇足になりますが、かつて『「非正規労働」を考える』という著書を出し、非正規労働についてかなりの価値を認めた小池和男先生が、この『滑走路』を読んだらどういう感想を持つのか、聞いてみたいと思いました。
「屋上で珈琲を飲む かろうじておれにも職がある現在は」
「ぼくも非正規きみも非正規秋がきて牛丼屋にて牛丼食べる」
「コンビニの駐車場から旅に発つきみはかつての級友だった」
「箱詰めの社会の底で潰された蜜柑のごとき若者がいる」
等々、著者の詠んだ歌が悲痛な声を発しています。
非正規雇用を広げていく法案にかつて賛意を示した自分を、私は大分前から「間違っていた」と反省していますが、『滑走路』の中の歌を読んで、本当に申し訳ないことをしたと思いました。若い人たちや多くの非正規雇用の人たちに、そしておそらく日本経済の本当の発展のためにも、悪いことをしてしまったと思っています。今後、非正規雇用を少なくしたり、改めたりしていく努力をします。
蛇足になりますが、かつて『「非正規労働」を考える』という著書を出し、非正規労働についてかなりの価値を認めた小池和男先生が、この『滑走路』を読んだらどういう感想を持つのか、聞いてみたいと思いました。
2018年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「追い詰められた人間の思いの発露」というのは万葉集の作品にもみられる古代からの
芸術作品の普遍的な要素であるといえる。
この歌集が私の胸を打ったのは、それがどの歌からもヒリヒリと伝わる。
歌集のあとがきを脱稿したあとに、作者は自ら命を絶った……
いろいろな後悔を残して作者は滑走路から飛びだった
希望のフライトではなく、道行きのための滑走路だった
その先を追っても帰ってくることはない
我々は作者が残した歌を読みながら、その残影を追うしかないのである
芸術作品の普遍的な要素であるといえる。
この歌集が私の胸を打ったのは、それがどの歌からもヒリヒリと伝わる。
歌集のあとがきを脱稿したあとに、作者は自ら命を絶った……
いろいろな後悔を残して作者は滑走路から飛びだった
希望のフライトではなく、道行きのための滑走路だった
その先を追っても帰ってくることはない
我々は作者が残した歌を読みながら、その残影を追うしかないのである
2018年6月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中学・高校一貫校で進学校に在籍の間にいじめに合いそれが後年までトラウマとして残り挙げ句に32歳の若さで自殺した詩人が残した感性豊かな詩の数々。大学を出たがアルバイトと非正規で働くことで痛感した世の中の矛盾や理不尽さに対する憤りを詩の題材の一つとしている詩集である。
詩を詠むこと、哲学書を読むこと、人を愛し、愛されたことで前向きに生きようとしたが、中高時代のトラウマが余りにも激しすぎたため後年、自分で自分の命を絶つことになる。
私も私の息子も高校時代いじめに遭い引きこもりの経験がある。えてして進学校の生徒は受験の憂さ晴らしを同級生をいじめをことで精神のバランスを保っていると考える。しかも高校時代は心が脆い思春期の真っ只中にあり、かてて加えて大学受験という人生の試練に立たされている。思春期を何の問題もなく過ごせた人は幸いであるが、そういう人は数少ない例外であろう。心が優しい人ほど人生に矛盾を感じ生きるのが辛くなる。そういう思春期の生き方の難しさを題材とした名著は枚挙にいとまがない。“チボー家の人々”などその最たる例である。
人生は一度きりしかない。繰り返しができない。今振り返って思春期をあの様に生きておれば良かったと思ったりもするが、再度思春期に立ち返って再度人生のやり直しができないところに人生を後悔無く生きる難しさがあるのである。
詩を詠むこと、哲学書を読むこと、人を愛し、愛されたことで前向きに生きようとしたが、中高時代のトラウマが余りにも激しすぎたため後年、自分で自分の命を絶つことになる。
私も私の息子も高校時代いじめに遭い引きこもりの経験がある。えてして進学校の生徒は受験の憂さ晴らしを同級生をいじめをことで精神のバランスを保っていると考える。しかも高校時代は心が脆い思春期の真っ只中にあり、かてて加えて大学受験という人生の試練に立たされている。思春期を何の問題もなく過ごせた人は幸いであるが、そういう人は数少ない例外であろう。心が優しい人ほど人生に矛盾を感じ生きるのが辛くなる。そういう思春期の生き方の難しさを題材とした名著は枚挙にいとまがない。“チボー家の人々”などその最たる例である。
人生は一度きりしかない。繰り返しができない。今振り返って思春期をあの様に生きておれば良かったと思ったりもするが、再度思春期に立ち返って再度人生のやり直しができないところに人生を後悔無く生きる難しさがあるのである。