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檸檬 (新潮文庫) 文庫 – 2003/10

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商品の説明

内容紹介

31歳という若さで夭折した著者の残した作品は、昭和文学史上の奇蹟として、声価いよいよ高い。その異常な美しさに魅惑され、買い求めた一顆のレモンを洋書店の書棚に残して立ち去る『檸檬』、人間の苦悩を見つめて凄絶な『冬の日』、生きものの不思議を象徴化する『愛撫』ほか『城のある町にて』『闇の絵巻』など、特異な感覚と内面凝視で青春の不安、焦燥を浄化する作品20編を収録。

出版社からのコメント

280円で名作を読もう。 私にとって、「檸檬」のラストシーンは拍手をおくりたくなるものだった。--髙田郁(作家) --このテキストは、文庫版に関連付けられています。

商品の説明をすべて表示する

登録情報

  • 文庫: 350ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (2003/10)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4101096015
  • ISBN-13: 978-4101096018
  • 発売日: 2003/10
  • 商品パッケージの寸法: 15 x 11 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4 43件のカスタマーレビュー
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形式: 文庫
私には、金がなく希望も失ってた頃がありました。毎日、憂鬱で退屈な日々でした。

その頃、ふと高校の国語の先生の事を思い出しました。お金や地位などへの執着心がなく、本当に人間らしい人で、温厚で情に溢れた素晴らしい人格の先生でした。
高校の国語の授業で(当時は授業中ライターで火遊びをしながら、全く授業など聞いていませんでしたが...)、先生に音読してみなさい、と当てられ、この檸檬の文の意味も分からず、朗読した事を思い出しました。
不良少年だった当時、檸檬を読んでも何も私には響くものがありませんでしたが、
ふと思い出して10年ぶりにこの作品を読んだ私は、その頃の私の有り様や社会の冷徹さを感じてた事から、読みながら号泣してしまいました。
金がなく、希望もなく、退屈な毎日がとても辛かった。けれども私には文学という高尚な逃げ道がある。
私にとってのこの本そのものが、梶井基次郎を慰めた檸檬と同じようなものでした。
金が無くとも、皆が感じるような喜びが私には無くとも。街や想像に美しい眺めを映し出し、そんなもので私は幸せを味わっても良いのだ。と。
国語の先生の生き様と梶井基次郎の文章が相まって、感動が押し寄せました。
挫折を味わった人間にとって、この小説は非常に深みのあるものです。
そして、
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形式: 文庫
 梶井基次郎の作品は人間のくたびれた様な心情の捉え方がうまく感動してしまいます。

 作品的な感想は詩を読んでいる様な感じです。ちょうどさらさらと水が流れる様な……

 少し違和感があるようですが、やっぱり人間の心の奥底からくる様な発想、思考、儚さを感じさせる展開は現在でも立派に通用する名作だと思います。

 ぐっと感動させるとか、大きく人の感情を揺り動かすということはありませんが、読んだあとさわやかな気分になります。

 作者の文豪へあこがれながら肺病によって若く夭折してしまった事実を背景に読んでいくと感動も一入です。

 近代文学の中でも割合最近の方なので、純文学をあまり読んだことが無いと言う人にも親しみやすいかと、思います。
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形式: 文庫
「檸檬」はじめ、この短編集に登場する人物は、皆どこかを病んでいる。文字通り身体が弱い。そして身体に引きずられるように心も健康とは言い切れない。これは若い時分から病を持ち、31歳の若さで夭折してしまった作者の分身だろう。
しかし皆病んでいる自分を後ろめたく思い、美しく健康なものから目を逸らしながらも、「病んでいる自分とその自分のみが持つ世界」を楽しんでいる感がある。
実際、病む主人公の見る世界はどれもこれも幽玄で美しい。平らなガラスがまっすぐ光を通すのに、ゆがんだガラスが不思議な乱反射を見せるように、主人公の世界は、ところどころ水滴を垂らしたように歪んでいる。この短編ではその世界を、誌情豊かな言葉でわれわれに垣間見せてくれている。中でも表題の「檸檬」、「Kの昇天」、「桜の樹の下には」は梶井の持つ独特の世界観と幻想的な美しさが響きあう傑作だと思う。
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形式: 文庫
 「・・・何故だかその頃私はみすぼらしいものに強くひきつけられたのを覚えている。壊れかかった街だとか・・・土塀が崩れていたり、家並が傾きかかっていたり・・・時とするとびっくりする様な向日葵があったり。」
 数年ぶりに檸檬を読んでみた。すると、まぶたの裏にその情景がありありと浮かんでくる。口の中のびいどろの味も、画集をめくる疲れも感じながら、一人とぼとぼ歩いている様な一人称の視点。しかし、世界は爽やかで澄み切っている。それは、個々の「私」がつくっていくものだから。
 世界中の人々は、二人称でも三人称でもない、魂を持った個人なのだ、と思わせてくれる。この壊れかかった街並みは、「私」の心だろうか?それとも崩れてゆこうとする物理的な物質だろうか?全てはアンバランスな調和で爪先立ちしている。一見、シュールなようだが、暗部をさらけてはいない。
 この肺病持ちの作者の瞳は美を捕まえる事に関しては、指折りだとしか言い様がない。それは、もちろん彼の闘病生活者としての内面的な眼差しもある事だろう。けれども、この両目に映る風景が消えてしまっても何程の事があるだろうか?檸檬の世界は永遠なのだ。街並みと丸善という対極的な場も、焦燥と享楽も、並行感覚を伴って、同一の世界に鎮座している。作者も、そして読んでいる私達一人一人も、この道のりの旅人でしかなく、またそうであるが故に、澄んだ
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