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横溝正史研究〈5〉特集 横溝正史旧蔵資料(二松學舎大学所蔵)が語るもの 単行本 – 2013/3/30
日本屈指の小説家・横溝正史の作品を微に入り細に穿ち研究、貴重な旧蔵資料から新規文献に至るまで幅広く紹介する、横溝正史研究書の第5弾!
【目次】
【巻頭カラー口絵】二松學舍大学所蔵・横溝正史旧蔵資料
『横溝正史研究』5の刊行に寄せて――水戸英則
特集◎横溝正史旧蔵資料(二松學舍大学所蔵)が語るもの
〔総論〕
◆横溝正史旧蔵資料――受け入れの経緯とその概要
〔直筆原稿から〕
◆『犬神家の一族』生成の現場――草稿からたどる構想の軌跡
◆『幽霊騎手』梗概の意気込み
◆『びっくり箱殺人事件』の変容
〔作品紹介〕
◆『模造殺人事件』連載第一回~第四回――横溝正史
◆中絶長編『模造殺人事件』の消息
◆〈コラム〉幻の長編『雪割草』
〔旧蔵洋書・洋雑誌から〕
◆エドガー・アラン・ポーとの出会い
◆『赤屋敷の殺人』と『Everybody's Magazine』
◆〈コラム〉ビガーズ『黒い駱駝』の感激
◆『本陣殺人事件』と『The Premier Magazine』の三つの短編――「生涯の仇敵」の材源
◆翻訳者と小説家との間――『風雲ゼンダ城』における改稿の論理
◆〈コラム〉『By Candlelight』から『消すな蝋燭』へ
〔シナリオ関連資料から〕
◆横溝正史原作のドラマと映画――シナリオ関連資料が語るもの
◆横溝正史旧蔵資料「シナリオ関連資料」案内
◆横溝正史旧蔵資料「シナリオ関連資料」データ一覧
○年代別・映像作品シナリオリスト
○「時代もの」映像作品シナリオリスト
◆〈コラム〉誰も犯人を知らない! ? 東映版『八つ墓村』
◆〈コラム〉鳥の異常発生と『悪霊島』
◆『宝石』・『別冊宝石』横溝正史関連記事目録(四)一九五七年~一九六〇年――栗田 卓・山口直孝
◆新資料・文献紹介――黒田 明
〔倉敷市観光イベント「巡・金田一耕助の小径」から〕
◆「金田一耕助ミステリー遊歩道」――横溝正史ゆかりの地に立つ六体のキャラクター像――青山 融
◆「倉敷市観光イベント」殺人事件〈「巡・金田一耕助の小径」文庫1より〉――江藤茂博
◆横溝正史ネットワーク 第五回
『横溝正史エンサイクロペディア』――掛谷 治一朗
◆横溝正史旧蔵資料データ 洋書リスト
【目次】
【巻頭カラー口絵】二松學舍大学所蔵・横溝正史旧蔵資料
『横溝正史研究』5の刊行に寄せて――水戸英則
特集◎横溝正史旧蔵資料(二松學舍大学所蔵)が語るもの
〔総論〕
◆横溝正史旧蔵資料――受け入れの経緯とその概要
〔直筆原稿から〕
◆『犬神家の一族』生成の現場――草稿からたどる構想の軌跡
◆『幽霊騎手』梗概の意気込み
◆『びっくり箱殺人事件』の変容
〔作品紹介〕
◆『模造殺人事件』連載第一回~第四回――横溝正史
◆中絶長編『模造殺人事件』の消息
◆〈コラム〉幻の長編『雪割草』
〔旧蔵洋書・洋雑誌から〕
◆エドガー・アラン・ポーとの出会い
◆『赤屋敷の殺人』と『Everybody's Magazine』
◆〈コラム〉ビガーズ『黒い駱駝』の感激
◆『本陣殺人事件』と『The Premier Magazine』の三つの短編――「生涯の仇敵」の材源
◆翻訳者と小説家との間――『風雲ゼンダ城』における改稿の論理
◆〈コラム〉『By Candlelight』から『消すな蝋燭』へ
〔シナリオ関連資料から〕
◆横溝正史原作のドラマと映画――シナリオ関連資料が語るもの
◆横溝正史旧蔵資料「シナリオ関連資料」案内
◆横溝正史旧蔵資料「シナリオ関連資料」データ一覧
○年代別・映像作品シナリオリスト
○「時代もの」映像作品シナリオリスト
◆〈コラム〉誰も犯人を知らない! ? 東映版『八つ墓村』
◆〈コラム〉鳥の異常発生と『悪霊島』
◆『宝石』・『別冊宝石』横溝正史関連記事目録(四)一九五七年~一九六〇年――栗田 卓・山口直孝
◆新資料・文献紹介――黒田 明
〔倉敷市観光イベント「巡・金田一耕助の小径」から〕
◆「金田一耕助ミステリー遊歩道」――横溝正史ゆかりの地に立つ六体のキャラクター像――青山 融
◆「倉敷市観光イベント」殺人事件〈「巡・金田一耕助の小径」文庫1より〉――江藤茂博
◆横溝正史ネットワーク 第五回
『横溝正史エンサイクロペディア』――掛谷 治一朗
◆横溝正史旧蔵資料データ 洋書リスト
- 本の長さ322ページ
- 言語日本語
- 出版社戎光祥出版
- 発売日2013/3/30
- 寸法15 x 1.9 x 21 cm
- ISBN-104864030537
- ISBN-13978-4864030533
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商品の説明
著者について
〈編 者〉
江藤茂博(えとう・しげひろ)
1955年、長崎生まれ。立教大学大学院博士課程後期満期退学。十文字学園女子大学教授などを経て、二松學舍大学文学部教授。
専門分野は映像・文芸・メディア論。著書に『『時をかける少女』たち』(彩流社)、『映画・テレビドラマ原作文芸データブック』(勉誠出版)、
『オタク文化と蔓延するニセモノビジネス』(戎光祥出版)、『20世紀メディア年表』(双文社出版)『大学生のための文学レッスン』(三省堂)、
『メディア文化論』(ナカニシヤ出版)ほか。
山口直孝(やまぐち・ただよし)
1962年、神戸生まれ。関西学院大学大学院博士課程後期満期退学。関西学院大学非常勤講師などを経て、二松學舍大学文学部教授。
専門分野は近代小説。著書に『「私」を語る小説の誕生―近松秋江・志賀直哉の出発期』(翰林書房)、
論文に「大西巨人と新日本文学会、あるいは『神聖喜劇』の前夜──佐多稲子文庫『渓流』関連資料を補助線として」など。
浜田知明(はまだ・ともあき)
1958年、東京生まれ。千葉大学理学部物理学科卒業。探偵小説研究家。現在、校正業に従事。
出版芸術社刊の横溝正史拾遺集、自選集の編・解説を担当。ルパン同好会会長、ROM(Revisit Old Mysteries)会員、
神津恭介ファンクラブ会員、EQFC(Ellery Queen Fan Club)会員、小川範子に関する不定期個人紙「聖華」を作成発行。
〈執筆者(掲載順)〉
水戸英則(みと・ひでのり)
1943年生まれ。九州大学経済学部卒業。69年、日本銀行入行。外国局に配属され73年フランス政府留学(ACTIM)。
フランス中央銀行、同大蔵相等に在籍。帰国後、同行調査統計局物価統計課長、青森支店長、考査局参事考査役等を歴任。
96年、株式会社肥後銀行常務取締役就任。2004年、二松學舍大学事務局次長就任。学校法人二松學舍常任理事を経て2011年9月から同法人理事長。
青山 融(あおやま・とおる)
1949年、岡山県津山市生まれ。東京大学法学部公法コース卒業。日本交通公社出版事務局「旅」編集部勤務ののち帰郷。
「月刊タウン情報おかやま」編集長、雑誌「OSERA」編集長を経て、現在同誌編集顧問。著書に「岡山弁会話入門講座」「岡山弁JAGA!」(ともにアス)など。
栗田 卓(くりた・すぐる)
1982年、新潟生まれ。立教大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。現在、日本学術振興会特別研究員(DC)・東京学芸大学非常勤講師。
専門分野は日本近代文学。論文に「「ゴジラ」論序説――香山滋「ゴジラ東京編」論」、「江戸川乱歩と手塚治虫――戦後〈科学〉表象の一側面」など。
黒田 明(くろだ・あきら)
1979年、千葉生まれ。東京商科学院専門学校情報システム学科卒業。出版社勤務。
『成田山仏教図書館報(復刊第28号)』へ「横溝正史の筆名考」を寄稿。『新青年』研究会、ルパン同好会、神津恭介ファンクラブ等に所属。
掛谷治一朗(かけや・じいちろう)
1962年、広島県尾道市生まれ。神戸商船大学卒業。一級小型船舶操縦士。
プラント計装エンジニアリングのかたわら『ニッポン文庫大全』で、「「横溝」文庫の整理学(付:[文庫目録])」の執筆を担当。
家族のホームページ「K's Pages:私を舞台に連れてって! 」で、自由研究ページの一つとして、書誌サイト『横溝正史エンサイクロペディア』開設。詳細はサイトにてご確認ください。
江藤茂博(えとう・しげひろ)
1955年、長崎生まれ。立教大学大学院博士課程後期満期退学。十文字学園女子大学教授などを経て、二松學舍大学文学部教授。
専門分野は映像・文芸・メディア論。著書に『『時をかける少女』たち』(彩流社)、『映画・テレビドラマ原作文芸データブック』(勉誠出版)、
『オタク文化と蔓延するニセモノビジネス』(戎光祥出版)、『20世紀メディア年表』(双文社出版)『大学生のための文学レッスン』(三省堂)、
『メディア文化論』(ナカニシヤ出版)ほか。
山口直孝(やまぐち・ただよし)
1962年、神戸生まれ。関西学院大学大学院博士課程後期満期退学。関西学院大学非常勤講師などを経て、二松學舍大学文学部教授。
専門分野は近代小説。著書に『「私」を語る小説の誕生―近松秋江・志賀直哉の出発期』(翰林書房)、
論文に「大西巨人と新日本文学会、あるいは『神聖喜劇』の前夜──佐多稲子文庫『渓流』関連資料を補助線として」など。
浜田知明(はまだ・ともあき)
1958年、東京生まれ。千葉大学理学部物理学科卒業。探偵小説研究家。現在、校正業に従事。
出版芸術社刊の横溝正史拾遺集、自選集の編・解説を担当。ルパン同好会会長、ROM(Revisit Old Mysteries)会員、
神津恭介ファンクラブ会員、EQFC(Ellery Queen Fan Club)会員、小川範子に関する不定期個人紙「聖華」を作成発行。
〈執筆者(掲載順)〉
水戸英則(みと・ひでのり)
1943年生まれ。九州大学経済学部卒業。69年、日本銀行入行。外国局に配属され73年フランス政府留学(ACTIM)。
フランス中央銀行、同大蔵相等に在籍。帰国後、同行調査統計局物価統計課長、青森支店長、考査局参事考査役等を歴任。
96年、株式会社肥後銀行常務取締役就任。2004年、二松學舍大学事務局次長就任。学校法人二松學舍常任理事を経て2011年9月から同法人理事長。
青山 融(あおやま・とおる)
1949年、岡山県津山市生まれ。東京大学法学部公法コース卒業。日本交通公社出版事務局「旅」編集部勤務ののち帰郷。
「月刊タウン情報おかやま」編集長、雑誌「OSERA」編集長を経て、現在同誌編集顧問。著書に「岡山弁会話入門講座」「岡山弁JAGA!」(ともにアス)など。
栗田 卓(くりた・すぐる)
1982年、新潟生まれ。立教大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。現在、日本学術振興会特別研究員(DC)・東京学芸大学非常勤講師。
専門分野は日本近代文学。論文に「「ゴジラ」論序説――香山滋「ゴジラ東京編」論」、「江戸川乱歩と手塚治虫――戦後〈科学〉表象の一側面」など。
黒田 明(くろだ・あきら)
1979年、千葉生まれ。東京商科学院専門学校情報システム学科卒業。出版社勤務。
『成田山仏教図書館報(復刊第28号)』へ「横溝正史の筆名考」を寄稿。『新青年』研究会、ルパン同好会、神津恭介ファンクラブ等に所属。
掛谷治一朗(かけや・じいちろう)
1962年、広島県尾道市生まれ。神戸商船大学卒業。一級小型船舶操縦士。
プラント計装エンジニアリングのかたわら『ニッポン文庫大全』で、「「横溝」文庫の整理学(付:[文庫目録])」の執筆を担当。
家族のホームページ「K's Pages:私を舞台に連れてって! 」で、自由研究ページの一つとして、書誌サイト『横溝正史エンサイクロペディア』開設。詳細はサイトにてご確認ください。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
江藤/茂博
1955年、長崎生まれ。立教大学大学院博士課程後期満期退学。十文字学園女子大学教授などを経て、二松學舎大学文学部教授。専門分野は映像・文芸・メディア論
山口/直孝
1962年、神戸生まれ。関西学院大学大学院博士課程後期満期退学。関西学院大学非常勤講師などを経て、二松學舎大学文学部教授。専門分野は近代小説
浜田/知明
1958年、東京生まれ。千葉大学理学部物理学科卒業。探偵小説研究家。現在、校正業に従事。出版芸術社刊の横溝正史拾遺集、自選集の編・解説を担当。ルパン同好会会長、ROM(Revisit Old Mysteries)会員、神津恭介ファンクラブ会員、EQFC(Ellery Queen Fan Club)会員、小川範子に関する不定期個人紙「聖華」を作成発行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1955年、長崎生まれ。立教大学大学院博士課程後期満期退学。十文字学園女子大学教授などを経て、二松學舎大学文学部教授。専門分野は映像・文芸・メディア論
山口/直孝
1962年、神戸生まれ。関西学院大学大学院博士課程後期満期退学。関西学院大学非常勤講師などを経て、二松學舎大学文学部教授。専門分野は近代小説
浜田/知明
1958年、東京生まれ。千葉大学理学部物理学科卒業。探偵小説研究家。現在、校正業に従事。出版芸術社刊の横溝正史拾遺集、自選集の編・解説を担当。ルパン同好会会長、ROM(Revisit Old Mysteries)会員、神津恭介ファンクラブ会員、EQFC(Ellery Queen Fan Club)会員、小川範子に関する不定期個人紙「聖華」を作成発行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 戎光祥出版 (2013/3/30)
- 発売日 : 2013/3/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 322ページ
- ISBN-10 : 4864030537
- ISBN-13 : 978-4864030533
- 寸法 : 15 x 1.9 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 862,192位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 234位ミステリー論
- - 86,465位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
5巻にして、ようやく、ニ松學舍大学が購入した横溝正史旧蔵資料の全容が明らかになってきた。
この本の目玉は、由利探偵が登場する中絶作「模造殺人事件」である。
この作品は、昭和24年〜25年にかけて「スタイル読物版」に掲載されたが、休刊により、中絶作となった。
雑誌発表分は、全3回だけだったが、第4回目がゲラ刷り段階までできていたらしく、所蔵資料として残されていた。
それが今回、収録された。
第4回は、未発表だったので、初の収録である。 3回目分までは、挿絵も収録されている。
内容は、現実の国鉄総裁下山氏変死事件を元にしたものである。
その後、この事件を元にした「謀殺下山事件」という映画も作られた。
この事件は、未だに自殺か他殺かがはっきりしておらず、謎が多い。
その「下山事件」とソックリな事件が起こったことから「模造殺人事件」と名づけられている。
「模造」とは「イミテーション」を意味する。
他には、「本陣殺人事件」の「生涯の仇敵」の材源になったと思われる「リボルバ−」「緑の傘を持つ男」「青銅の門」と作品の関係について語られている。
これらの作品を「未読の方はご注意」とお決まりの記述があるが、この3作品は、日本語には翻訳されておらず、単行本未収録だそうだから、この注意書自体が無意味である。
単行本未収録で、翻訳もされていない作品をどうやって、読めるというのだろう。
マニュアルどおりではなく、少しは自分の頭で考えて判断すればどうかと思う。
考察そのものは興味深く、どれもが短編だそうだから、翻訳をしてもらいたいぐらいである。
第1巻から旧蔵資料を中心に構成していれば、「横溝正史研究」の評価もあがっていただろうと思う。
この本の目玉は、由利探偵が登場する中絶作「模造殺人事件」である。
この作品は、昭和24年〜25年にかけて「スタイル読物版」に掲載されたが、休刊により、中絶作となった。
雑誌発表分は、全3回だけだったが、第4回目がゲラ刷り段階までできていたらしく、所蔵資料として残されていた。
それが今回、収録された。
第4回は、未発表だったので、初の収録である。 3回目分までは、挿絵も収録されている。
内容は、現実の国鉄総裁下山氏変死事件を元にしたものである。
その後、この事件を元にした「謀殺下山事件」という映画も作られた。
この事件は、未だに自殺か他殺かがはっきりしておらず、謎が多い。
その「下山事件」とソックリな事件が起こったことから「模造殺人事件」と名づけられている。
「模造」とは「イミテーション」を意味する。
他には、「本陣殺人事件」の「生涯の仇敵」の材源になったと思われる「リボルバ−」「緑の傘を持つ男」「青銅の門」と作品の関係について語られている。
これらの作品を「未読の方はご注意」とお決まりの記述があるが、この3作品は、日本語には翻訳されておらず、単行本未収録だそうだから、この注意書自体が無意味である。
単行本未収録で、翻訳もされていない作品をどうやって、読めるというのだろう。
マニュアルどおりではなく、少しは自分の頭で考えて判断すればどうかと思う。
考察そのものは興味深く、どれもが短編だそうだから、翻訳をしてもらいたいぐらいである。
第1巻から旧蔵資料を中心に構成していれば、「横溝正史研究」の評価もあがっていただろうと思う。