ブランシェのチェンバロ、プレイエルのピアノと続いた楽器の世界コレクションの第3弾は、なんと日本の伝統地方文化の象徴でもある津軽三味線です。
超絶技巧の独奏と迫力ある合奏とともに、津軽三味線の成り立ちと他の三味線とは異なる特徴がわかりやすく解説されており、津軽三味線の演奏だけでなく、津軽三味線がなぜ津軽地方で普及してきたのかなど多面的に理解するための最適の入門DVDです。
また、入門者だけでなく、津軽三味線の愛好家にも、視覚的に訴えるこのDVDはとても興味深い内容だと思います。
特に演奏者の多田あつしさんの淡々とした語り口による三味線への熱い想いは、素晴らしい演奏をより深く印象づけて楽しませてくれます。
全体の構成がよく考えられており、合間にはさまれる津軽地方の写真がとても効果的です。
あの寒々とした風景と津軽三味線の物悲しげな、でも力強い独特の音色は、とても心に響きます。
津軽三味線でまた大きな可能性が広がった楽器の世界コレクションの次の作品は何でしょうか、期待しています。