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森へ行きましょう 単行本 – 2017/10/11

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159回芥川賞&直木賞 大賞作品発表!
芥川賞受賞 『送り火』 高橋弘希。直木賞受賞 『ファーストラヴ』 島本理生。 特集ページへ

商品の説明

メディア掲載レビューほか

1966年の同じ日に生まれた女性、ふたりの人生の選択を描く

一九六七年生まれの私が二十七歳で嫁に行くときに、明治生まれの祖母が遠方からはるばるやってきて、ほにゃりとした京都弁で嫁の心得を説いた。「毎朝、夫のために化粧をしなさい」、「結婚は忍耐。なにごともガマン」など、どれも「女性は男性をたてるべし」だった。

そんな時代だった。

総合職につく女性が出始めたものの、結婚が決まると周囲が仕事は続けるのかと訊き、二十五歳を過ぎると賞味期限切れのクリスマスケーキと揶揄された。景気はよかったが、女性にとってはまだ選択肢が少ない、息苦しい時代でもあった。

「森へ行きましょう」は、一九六六年生まれのふたりの女性が主人公。「留津」と「ルツ」という。

留津とルツの世界は、同じ時間のなかの異次元に存在するパラレルワールドだ。

同じ日に生まれ、団地住まいの父母の名前も一緒。巡りあう男性や友人も重なる。しかし彼らはだまし絵のように微妙にディテールを変えながら、それぞれの世界に関わってくる。

同じ他者が少しずつリンクする仕掛けにより、留津とルツそれぞれの結婚、恋愛、仕事など、人生における岐路の選択が、より濃く浮き上がってくる。

ほんのわずかにずれているだけで、人生はおおいに変化する。

誰もが思うことだろう。

「あのとき違う道を歩んでいれば、まったく別の人生をおくっていたかも」と。

留津とルツの人生は、世間一般の女性たちと同じく、悦びや受難に満ちている。

私なんぞは、「モヤモヤするけど、まぁいいか」の日々だが、人生を思索するふたりの言葉は、じつに明快だ。自己分析というよりは神々しく、智恵に近いかもしれない。

その言葉たちに急所をつかれたり、胸をえぐられたり、救われたりしながら、引き寄せられていく。まるで暗い森のなかに光をおびて浮かぶ道しるべのように感じる。

留津とルツは、いかなる切ない状況に陥ったとしても、深い森に迷い込んでいるような閉塞感はない。

それはふたりの誕生から五十歳を越えるまでの人生が、一歳ずつ年を重ねながら、交互に描かれているからだろう。

私たちは、どんなに悲しい出来事に突き当たり、絶望したとしても、命あるかぎり次の誕生日に向かって歩いていく、じつにたくましい生き物なのだ。しみじみ自覚した。

多くの人が共有し、愛おしく思うであろう留津とルツの世界は、私のパラレルワールドでもある。

評者:松井 雪子

(週刊文春 2017.11.30 号掲載)

内容紹介

川上弘美さんの最新刊は、長らく待ち望まれていた恋愛と結婚を描いた長編小説。500ページ超えも一気読み必至の傑作です。

主人公は1966年ひのえうまの同じ日に生まれた留津とルツ。このパラレルワールドに生きるふたりの女性は、いたかもしれないもうひとりの「自分」。それは読者のあなたのもうひとりの「自分」かもしれませんし、留津とルツの恋人や夫も読者のあなたのもうひとりの「自分」かもしれません。

主人公の2人のように「いつかは通る道」を見失った世代の女性たちのゆくてには無数の岐路があり、選択がなされます。選ぶ。判断する。突き進む。後悔する。また選ぶ。進学、就職、仕事か結婚か、子供を生むか……そのとき、選んだ道のすぐそばを歩いているのは、誰なのか。少女から50歳を迎えるまでの恋愛と結婚が、留津とルツの人生にもたらしたものとは、はたして――

道は何本にも分かれて、つながっていて、いつの間にか迷って、帰れなくなって……だからこそ「人生という森は深く、愉悦に満ちている」。

装画と挿画はファッションブランド「ミナ ペルホネン」の皆川明さんが手がけています。
たくらみに満ちた造本にもご注目ください。

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登録情報

  • 単行本: 512ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2017/10/11)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 453217144X
  • ISBN-13: 978-4532171445
  • 発売日: 2017/10/11
  • 梱包サイズ: 18.8 x 13.2 x 3.2 cm
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

2017年11月24日
形式: 単行本
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2017年11月21日
形式: 単行本
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ベスト50レビュアー
2018年1月28日
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2018年4月23日
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2018年1月11日
形式: 単行本
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2018年2月27日
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2017年12月12日
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2018年3月17日
形式: 単行本
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