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棄民世代 政府に見捨てられた氷河期世代が日本を滅ぼす (SB新書) 新書 – 2020/4/7
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下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義され、高齢者の貧困問題に警鐘を鳴らした。
しかし、当時の高齢者が抱える問題より、はるかに深刻なのが、中高年化した氷河期世代が老後を迎えるときである。
氷河期世代は雇用政策において翻弄されただけでなく、自己責任という言葉のもとに、あらゆる社会政策から放置されて今に至る。
まさに政府に犠牲にされた『棄民世代』といってもよい。
彼らが高齢者でなったときには、下級老人の比ではない貧困問題を抱えた棄民老人が誕生する。
それは当事者である彼らだけの問題だけでなく、日本全体を揺るがす衝撃の未来が待ち受ける。
誰にとっても他人事ではないこの事態にいかに対処するか。
社会福祉の現場から来るべき危機に警鐘を鳴らす。
目次
序章「棄民世代」とは何か
「いのちの電話」統計資料から見えてくるもの
第1章 データから見えてくる就職氷河期世代の過去と現在
そもそも氷河期世代とは
「氷河期=非正規」では必ずしもない
氷河期世代は「後から正社員」タイプが多い
ニート、ひきこもりは増えている
世帯形成できなかった世代
第2章 棄民世代はこれからどうなる
棄民世代は老後の収入(年金)が期待できない
氷河期世代に多い低年金、無年金者
消費税は19%に?
右肩上がりする国保の保険料と介護保険料
40代の4人に一人が貯蓄ゼロ?
ギグ・エコノミー化により加速する不安定雇用
ギグ・エコノミー化は止められない
長生きしてしまうリスク
親の介護問題
「親子共倒れ」の危機も
最後の頼みの綱は生活保護だが…
第3章 「就職氷河期世代支援プログラム」を批判する
遅まきながら与党の政治課題に
「切れ目のない支援」とは?
「より丁寧な寄り添い支援」とは?
企業は非正規を正規に転用するか
助成金モデルの限界
マッチングミスが起きる不安
必要なのは「教育給付」
失業者への手当が弱すぎる日本
なぜ「棄民世代」なのか
第4章 棄民世代を生み出したのは誰か
「いまさら感」拭えない就労支援
「第3次ベビーブーム」が起きていれば…
派遣法の「生みの親」中曽根康弘
財界に言われるがままに規制緩和を
小泉・竹中の責任
第5章 棄民世代が日本を滅ぼす?
「2025年問題」と「2050年問題」
棄民世代の犯罪が増えている?
「無敵の人」
「無敵の人」を生むのは誰か
「重要な仕事」ほど軽んじられている
最後の「タガ」を外させない
再分配の役割とは
「渋谷スクランブル交差点に突入する」と予告した棄民世代
第6章 提言・彼らを本当の棄民にさせないために
「支出を下げる」ための扶助
支出を減らすためのシェリングエコノミー
日本にはコモンがない
希望としての協同労働組合
温故知新
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社SBクリエイティブ
- 発売日2020/4/7
- ISBN-10481560410X
- ISBN-13978-4815604103
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出版社より


「当時の実感でいうと、世の中不景気だし実際に僕も正社員としての就職先はなかったけど、非正規でも案外いい仕事ってあるもんだな、と。だからこういう仕事が、この後もずっとあればいいなと思っていました」

2007年になると、新卒の時点でアルバイトや派遣など非正規として就労する人が男女ともに増えている。だがバブル崩壊後の波を男性と女性のどちらがよりまともに受けたかと言えばそれは間違いなく女性、それもかなり圧倒的であった。

棄民世代が正社員の職を得られないのも、結婚できないのも、全ては彼ら自身の努力不足ないしは、資質の欠如が招いたことであり、責任を社会に帰するのは単なる「甘え」だとする自己責任論が、日本社会の中では常に支配的であり続けた。

可能な限り多くの人の生活を安定させないことには防ぎようがないです。だって彼らを特別に反省させたところでどうしようもないし、厳罰に処したところで絶対に何も防げませんから。
商品の説明
著者について
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登録情報
- 出版社 : SBクリエイティブ (2020/4/7)
- 発売日 : 2020/4/7
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 481560410X
- ISBN-13 : 978-4815604103
- Amazon 売れ筋ランキング: - 87,221位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 11位子どもの文化
- - 14位労働問題ノンフィクション
- - 15位社会学の参考図書・白書
- カスタマーレビュー:
著者について

1982年生まれ。埼玉県越谷市在住。社会福祉士。ルーテル学院大学大学院総合人間学研究科博士前期課程修了。首都圏で生活困窮者支援を行うソーシャルワーカー。生活保護や生活困窮者支援の在り方に関する活動と提言を行う。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学客員准教授(公的扶助論)。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員(2013年度)。著書に『ひとりでがんばらない』(クレヨンハウス2022)『コロナ貧困』(毎日新聞出版2021)『続・下流老人 一億総疲弊社会の到来』(朝日新聞出版2016)『貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち』(講談社現代新書2016)『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新聞出版2015)、『ひとりも殺させない』(堀之内出版2013)、共著に『知りたい!ソーシャルワーカーの仕事』(岩波書店2015)など多数。
カスタマーレビュー
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筆者はまず第1章で、氷河期世代の過去と現在の実相を各種データを多用して客観的に分析・紹介しており、続く第2章でも、各種データや根拠を示して、「氷河期世代の老後に想定できる最も典型的なモデルとは、基本的にはドヤ街の高齢者たちに現在起きていることがより広範囲に、よりシビアな形で起こるということ」だとし、「相当数は「最後のセーフティネット」である(支給額がずっと下がり続けている)生活保護に最後の助けを求めることにどう転んでもなるだろう」と予測している。
筆者は第3章で、こうした厳しい状況に置かれている氷河期世代を救うために、ようやく2020年4月から3年計画で集中的に取り組むこととされ、約100万人いると推定されている不本意非正規雇用者や長期無業者のうち、30万人を正規雇用に転換することが目標だという政府の「就職氷河期世代支援プログラム」の内容を詳しく紹介したうえで、その問題点を指摘して、支援・救済策としては全く不十分なものであると結論付けている。
筆者は『第4章 棄民世代を生み出したのは誰か』で、財界に言われるがままに労働者派遣法の立法と、その度重なる改定によって、非正規雇用を拡大し続けてきた歴代の自民党政権を、民主党政権時代に労働者派遣法の改正に猛烈な反対を行い、「製造業派遣の原則禁止」の項目を削除させてしまった野党時代を含めて批判しているのだが、その中でも特に小泉政権ほど禍根を残した政権はないとして、その小泉政権の一連の改革において陣頭指揮を執った竹中氏、経団連の政策提言に関与してきた人たちは、歴史的に断罪される必要があるなどと痛烈に批判している。
筆者は最終『第6章 提言・彼らを本当の棄民にさせないために』で、今の時点でも手遅れでなく有効で、なおかつ実施するのにそれほど困難が伴わない具体的な救済策・支援策として、限られた賃金でも自由に使える可処分所得を増やせるように家賃・電話代・教育費などの支出額を減らすさまざまな政策や仕組みの導入を提言しているのだが、筆者は特に、政府や企業に頼らない、海外で広まっているというコモン(共有財産)概念に基づいた住民や労働者などの自主的な取り組みを重要視しており、「今の日本にコモンを再生、いや創造することが、日本社会の転換に不可欠なことだと考えている」とまで語っている。
私はコモンの考え方を否定するつもりは全くないのだが、ただ、こうした考え方は今の日本に一朝一夕で広まるようなものではなく、広まるとしても、相当時間が掛かると思う。私は、棄民世代を作り出し、かつ、打つべき対策を怠ってきた責任が政治にあるのなら、彼らを本当の棄民にさせないための最終責任は、やはり政治家が負うべきだと思うし、それが一番確実かつ手っ取り早い方法だと思う。それと同時に、自分たちが政治家に要請し続けてきた政策によって、長年にわたって大量に正規雇用を非正規雇用に切り換えて人件費を節約してきた結果、内部留保を過去最高の463兆円にまで貯め込んだ企業も、その内部留保の一部を非正規雇用者に還元するなど、棄民対策に協力すべきだと思う。
もう少し勉強をした方が良いのではないのか。