インディアナ州で導入された福祉受給資格の審査の自動化システム、ロサンゼルスで導入されたホームレスへの住宅支援のための統合登録システム、アレゲニー郡で導入された家庭の児童虐待の予測アルゴリズム。本書は、これら三つの事例に焦点を当てる。それらはいずれも行政が導入したデジタルツールであり、導入の目的は、行政の効率化なり、公正公平なサービス提供の実現だったりするわけだが、実際には本書の邦題の「格差の自動化」とあるような事態を招来させてしまっている。そのような事態を、多くの当事者(というか被害者)へのインタビューを基に明らかにしたのが本書である。
三つの事例から直ちに行政におけるデジタルツールの利用は危険であり控えるべきとの結論を導くのは性急だと思うが、さりとて問題なしと言えないのが明らかだと思わせるのは、三つの事例で導入されたデジタルツールがそこまで複雑なものに見えないからだ。行政であれば、どこでも導入しそうなシステムに内在する問題点、例えば、システムの導入による自動化が進み過ぎて、何か問題が生じても人間による修正が難しくなるとか、公共サービスを利用することにより、その利用者のスコアが悪くなり、次のサービス利用機会に判定が悪くなって利用が制限されてしまうとかいった問題点がひいては格差を生み出し、それが固定化されてしまう可能性すらあるというのは、アメリカの事例であるとは言え少し怖くなる。
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格差の自動化: デジタル化がどのように貧困者をプロファイルし、取締り、処罰するか 単行本 – 2021/9/24
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ナオミ・クライン推薦! 堤未果解説
デジタル化・自動化行政への流れは今後益々加速する。しかし、私たちは、誰がどんな意図をもって政策をたて運用していくのかを注視しなければならない。法執行機関から医療機関、社会サービスに至るまで、サービスの縮小だけでなくアメリカの機関は貧しい人への罰則を強化し、人種問題も浮上してきている。不平等格差を強力に自動化することでハイテクな監視システムがいかに不正を助長していくのか。本書は、小さな政府が効率化のためにハイテクツールを使ってどのように貧しい人々を益々困難な状況に追いやっているかを明らかにし、効果的な反撃、解決の糸口をさぐる。
自動化技術が市民社会にあたえるリスクを明らかにした話題の書!
◎目次
序章―危険信号
第1章 救貧院からデータベースへ
第2章 アメリカの「心の故郷」で行われた福祉給付審査の自動化
第3章 天使の街のハイテクホームレス事情
第4章 アレゲニー郡のアルゴリズム
第5章 デジタル上の救貧院
終章―デジタル上の救貧院を打ち壊すには
デジタル化・自動化行政への流れは今後益々加速する。しかし、私たちは、誰がどんな意図をもって政策をたて運用していくのかを注視しなければならない。法執行機関から医療機関、社会サービスに至るまで、サービスの縮小だけでなくアメリカの機関は貧しい人への罰則を強化し、人種問題も浮上してきている。不平等格差を強力に自動化することでハイテクな監視システムがいかに不正を助長していくのか。本書は、小さな政府が効率化のためにハイテクツールを使ってどのように貧しい人々を益々困難な状況に追いやっているかを明らかにし、効果的な反撃、解決の糸口をさぐる。
自動化技術が市民社会にあたえるリスクを明らかにした話題の書!
◎目次
序章―危険信号
第1章 救貧院からデータベースへ
第2章 アメリカの「心の故郷」で行われた福祉給付審査の自動化
第3章 天使の街のハイテクホームレス事情
第4章 アレゲニー郡のアルゴリズム
第5章 デジタル上の救貧院
終章―デジタル上の救貧院を打ち壊すには
- 本の長さ326ページ
- 言語日本語
- 出版社人文書院
- 発売日2021/9/24
- 寸法18.8 x 13.2 x 3 cm
- ISBN-104409241389
- ISBN-13978-4409241387
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商品の説明
著者について
ヴァージニア・ユーバンクス
ニューヨーク州立大学オールバニー校政治学科准教授。主な著作に本書ほか、「Digital Dead End: Fighting for Social Justice in the Information Age」、その他アレシア・ジョーンズとの共同編集で「Ain′t Gonna Let Nobody Turn Me Around: Forty Years of Movement Building with Barbara Smith」などがある。彼女のテクノロジーと社会正義に関する記事は「サイエンティフィック・アメリカン」、「ネイション」、「ハーパーズ」、「ワイアード」などにも掲載されている。過去二〇年間、ユーバンクスはコミュニティー・テクノロジーと経済的正義に関連する運動に従事してきた。アワ・データ・ボティーズ・プロジェクトの創設者の一人であり、二〇一六年から二〇一七年度の新米国研究機構の特別研究員。ニューヨーク州トロイ在住。
ウォルシュ あゆみ
神戸女学院大学文学部英文学科卒。2002年~2005年、2008年~2017年アメリカ在住。産業・映像・出版翻訳業
堤 未果(つつみ・みか)
国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒業。ニューヨーク市立大学院国際関係論学科修士号。国連、米国野村證券を経て現職。米国の政治、経済、医療、福祉、教育、エネルギー、農政など、徹底した現場取材と公文書分析による調査報道を続ける。
ニューヨーク州立大学オールバニー校政治学科准教授。主な著作に本書ほか、「Digital Dead End: Fighting for Social Justice in the Information Age」、その他アレシア・ジョーンズとの共同編集で「Ain′t Gonna Let Nobody Turn Me Around: Forty Years of Movement Building with Barbara Smith」などがある。彼女のテクノロジーと社会正義に関する記事は「サイエンティフィック・アメリカン」、「ネイション」、「ハーパーズ」、「ワイアード」などにも掲載されている。過去二〇年間、ユーバンクスはコミュニティー・テクノロジーと経済的正義に関連する運動に従事してきた。アワ・データ・ボティーズ・プロジェクトの創設者の一人であり、二〇一六年から二〇一七年度の新米国研究機構の特別研究員。ニューヨーク州トロイ在住。
ウォルシュ あゆみ
神戸女学院大学文学部英文学科卒。2002年~2005年、2008年~2017年アメリカ在住。産業・映像・出版翻訳業
堤 未果(つつみ・みか)
国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒業。ニューヨーク市立大学院国際関係論学科修士号。国連、米国野村證券を経て現職。米国の政治、経済、医療、福祉、教育、エネルギー、農政など、徹底した現場取材と公文書分析による調査報道を続ける。
登録情報
- 出版社 : 人文書院 (2021/9/24)
- 発売日 : 2021/9/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 326ページ
- ISBN-10 : 4409241389
- ISBN-13 : 978-4409241387
- 寸法 : 18.8 x 13.2 x 3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 137,964位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 924位社会一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
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ベスト500レビュアー
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2022年2月2日に日本でレビュー済み
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この本は、自動化されたシステムを導入することによって起こる格差に関して検討と批判を加える本ではありませんでした。そうした内容に興味のある方は買うべきではありません。
アメリカの貧困政策等の実情について、著者の主張に合う人々のインタビューやコメントをほぼ無批判に採用し、著者の価値観に満ちた修辞で包んで描くクセの強い本です。
自動化についての知見は、終章を除いてほとんどありません。
ただし、救貧院の歴史に関する記述と終章の分析と提言は価値があります。
アメリカの貧困政策等の実情について、著者の主張に合う人々のインタビューやコメントをほぼ無批判に採用し、著者の価値観に満ちた修辞で包んで描くクセの強い本です。
自動化についての知見は、終章を除いてほとんどありません。
ただし、救貧院の歴史に関する記述と終章の分析と提言は価値があります。








