2020年3月上旬のコロナ・パンデミックによる株価急落後、米国の著名エコノミスト、投資家のなかでいち早く、〈いまは暗いトンネルの中にいるが、いずれ光が射す〉と3月13日にコメントしたのがジェレミー・シーゲル教授でした。
4月24日には〈二番底をつけに行くには流動性は多すぎる〉との発言に、IS-LM分析との整合性から私はシーゲル教授の発言に注目するようになりました。
6月5日の米国の5月雇用統計の発表を聞いて、私は米国景気の底打ちを確信して、改めてシーゲル教授の発言が他のエコノミストや投資家と比べて際立ってブルであることに興味をもち始めました。
6月23日のシーゲル教授の発言は、禁句である〈今回は違う〉で、来年の株高、経済ブーム、インフレを予測するものでした。異例の通貨発行が根拠には、FTPL物価決定式との整合性から私も半信半疑つまりシーゲル教授に対して信頼確率50%を与えることにしました。
8月4日、〈債券はインカム・ゲインの源泉でなくなりつつある。今後3~5年、投資家にとってインフレに対する保護付きのインカム・ゲインの源泉となりうるのは株式であり、配当株だ〉との発言に私は納得して、2008年世界金融危機以来、株式投資から遠ざかっていたのですが、米国高配当株式ETFと日本の高配当バリュー銘柄に試しに投資してみることに決めました。
この時点でシーゲル教授に対しての信頼確率は60%です。一方、対比するベア派の意見は信頼確率が40%になります。(私が考案したお手軽ベイズ推定です)
以上のような環境の下で、本書「株式投資~長期投資で成功するための完全ガイド」を読みました。
読み終えて最初の印象は、長期的に株式は債券より利回りが高いとしても、普通の人間はボラティリティの激しさに怯えて、長期保有に耐えられないと思います。子孫に財産を継承していく“王朝モデル”を一般の人が選択することはほぼないでしょう。
ただし、私自身はもうすぐ66歳という年齢、投資資金は余裕資金、以前から人間の心理を反映しているマクロ経済の動向について興味があることから、約15~20年くらいの長期保有を検証してみるいい機会だと思っています。
なるべく配当は複利運用に回したいと思います。
なおシーゲル教授の景気循環についての考えについては、私の持論とやや異なるようです。
シーゲル教授はこう述べています。
〈実質的な経済活動の分析によって株式投資を成功させるのは非常に困難である〉
〈景気の転換点は、山であれ谷であれ、数ヵ月後になるまで判定できない場合が多く、判定できたときには、株式市場で行動を起こすにはすでに遅すぎるのです〉
なんとも面白味のない考えですね。
景気サイクル、とくに信用サイクルは信用/負債の状況、金利、社債スプレッド、債券価格、株価、コモディティ価格の動向を分析する、いわゆる「市場間分析」により、いま景気サイクルのどの位置にあるのか推察することは私は可能だと思っています。
まあシーゲル教授に言わせれば、無駄な努力をするより長期保有に専念しろと言うことでしょうか。
バイブルですから(^-^)
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