1995年、松本人志32歳。毎週ガキの使いやごっつええ感じで、テレビの前の客を笑わせてきた。
しかし彼の追求するお笑いは、お茶の間にいるフツーの人間には、もはや理解できないものになっていた。
90年代後半、深夜枠の一人ごっつや、オリジナルビデオ作品など、松本が新たな笑いを発表する場はシフトしていく。
テレビから放映される映像を受動的に見るのではなく、お笑いマニアが自分から進んで鑑賞していく態度が求められていた(映画や最近のドキュメンタルもそうだろう)。
この松風 '95は、そのムーヴメントの第一歩であった。
松風 '95は、日本武道館で行なわれた単独ライブである。
その内容は、松本が一人で「写真で一言」を100枚ぶっ通しで行なうというもの。
音楽や照明は当然ない。スクリーンに映し出される写真に対し、松本が順番にボケていくだけのミニマルなライブ。
そして観客が満足度に応じて、自分で鑑賞料を設定するという非常に挑戦的なシステム。
一部のファンは5千円や1万円を払ったそうだが、タダ見の客が続出し、興行的には大赤字であった。
しかし「これだけすごいものを見せられてタダで帰るアホな客を入れてしまったのはミスであった」と豪語する、当時の松本の自信たっぷりの傑作である。
さて、本商品は100枚の写真を収めた本と、松本の一言を収めたCDからなる。
CDを聴きながら「カシャ」の音と共に、本を1ページめくり、松本のボケを楽しむ。
観客の笑い声は一切入っておらず、またボケの後の間も若干カットされているのが残念だが、それでも大爆笑してしまう。
さて、ライブでは100枚の写真を用いたが、本商品では15枚くらいの写真が収録されていない。
これは著作者らに拒否されてしまったからである。
IPPONグランプリのようなおもしろ写真ではなく、戦争や飢餓で苦しむ子供の写真など、一瞬不謹慎さを感じる写真が多数収録されていることからも、事情は察してしまう。
奇形の赤ちゃんの写真を使ったことは、当時の一部評論家からも批判されたそうだ。
だがそれでも当時の松本の追求したお笑いの一片を窺うことができる。
お笑いファン必須のアイテム。絶版なのでお早めに入手することをおすすめする。
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松本人志松風’95 単行本 – 1996/6/1
朝日出版社 (1996/06 出版) 1冊(頁 / 21cm / A5判
- 本の長さ99ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日出版社
- 発売日1996/6/1
- ISBN-104255960097
- ISBN-13978-4255960098
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登録情報
- 出版社 : 朝日出版社 (1996/6/1)
- 発売日 : 1996/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 99ページ
- ISBN-10 : 4255960097
- ISBN-13 : 978-4255960098
- Amazon 売れ筋ランキング: - 125,716位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 139位落語・寄席・演芸 (本)
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2017年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わかってたけど、CDがついてなかったね。CDが付かなければなんの意味もない本。エンジンのない車。
2012年12月25日に日本でレビュー済み
入場料を、客に決めさせると云う、気合いの入ったライブ。CDの松本人志の一言と、写真を見比べながら、進んでいくのだが。本人は、後書きで、「死にかけの子供の写真に、敢えて笑いを入れたのは、俺の責任で、客の責任じゃない。可愛そうで笑えなかった。と、アンケートに答えた客が、いたけれど、それは、おかしい。」と、書いているが、松本人志の、笑いを変えた業績を差し引いても、これは、やっては、いけなかった気がする。自身に子供が出来た今、彼が、この本について、どう思っているのか、教えて欲しい。タブーを犯すなら、日本人の、小児科に居るガリガリの子供や、原爆の被害者の焼けただれた写真に、一言を加えて、、小児科に居る子供の親や、原爆の被害者を、笑わせて欲しかった。「タブーを犯す。」と云うのは、そこまでして、成立する言葉じゃないでしょうか?自分の子供が、瀕死の時に、彼は、同じ事をするのだろうか?それならば、ある意味、笑いに人生を捧げた偉人だと思いますが、彼の妻と子供への溺愛ぶりを、TVで見る限り、絶対に有り得ないでしょう。エグイ部類の写真が、自分の家族でも、笑えますか?笑えるのなら、誰かに危害を加える前に、早く、自害して下さい。エグイ部類の写真以外なら、幾つか、笑いました。「森本ぉ!!」が、特に、面白かったです。水泳をしている人を見る度に、笑いそうになってしまいます。松本人志のコアなファンですが(だから、何故、彼が、この様な事をしたか、理解した上で)女性だからではなく、人間だから、笑えませんでした。…追記…。痩せこけた子供が、魚を持って、こちらを見つめている写真に「ドライブスルー」火だるまの馬の写真に「聞いてないよぉ」と、タブー云々より、芸として、面白くとも何ともないんですょ。