福島原発のメルトダウンによって、多大な被害を与えた。それは、マグニチュード9.0という大きな地震と15mを超える大津波によって、原発は崩壊させられた。自然の猛威とは計り知れないものだ。
絶対安全だと言われた神話が壊れた。絶対安全だと言っていた人たちは、その言葉をどう自分の中で消化するのだろうか。福島原発のメルトダウンした時には、東京から3700km離れている昆明にいた。それが、宮城県知事の女川原発再稼働承認という報道に接した時に、なぜ?というのが率直だったのだ。そして、私の中の日本というものの空白の時間が存在することが浮き彫りになって来た。
大きな津波によって、街や畑などが押しつぶされていく映像。原発からもくもくと煙が上がっていく映像。それは、現実には思えないほどの衝撃で、人間の命も積み上げられた記憶も全て流されて失うという恐怖は、堪え難いものでもある。そして、原発の本を読みながら、誰も責任は取らなくていい。かってない天変地異を起こした自然が悪いのだということで終わっている。そこからは、実際何も学べない。そして、なぜ?や失敗の原因がうやむやにされて、再び原発を稼働させようとすることに、同じ過ちを繰り返すのではないか?ということが、頭の中にどっかりと座っていて、アタマは興奮状態になっている。
原発訴訟の中で、争点と問題が明らかになった。原発に対するリスクが明確であり、認識していたにも関わらずありえないと無視をしていた。原発エネルギーのコストが安いなどというデタラメを平気で言ってのけるおぞましさ。つまり、責任はどこにあるのか?ということが、この東電代表訴訟の本を読めば、さらに明らかになる。2011年11月に裁判所に提出された「取締役に対する訴え提起請求書」「不起訴理由通知書」2012年3月の「東電株主代表訴訟状」の原文が掲載されていることで、いろんなことが知れる。
請求されている金額は、5兆5045億円。(日本の裁判では一番の高額)訴えられている取締役は、27名。訴訟物の評価160万円。印紙額1万3千円(これがめちゃめちゃ安いと思った)。
株主代表訴訟は、勝ったとしても原告に払われるものでなく、会社に払われるものだから、訴えた人が利益になるとは言えず、会社が適正なあるべき姿に立ち戻ることができるということらしい。
東電側の出した不起訴理由通知書には、「本件取締役について、原子力を担当していたかどうか、総括的地位にあったかどうかにかかわりなく、すべての本件取締役について、提訴請求において指摘のある任務懈怠による責任は認められない」と言っている。
訴訟状では、原発は、超危険物を取り扱うので、善管注意義務の水準は極めて高い。善管注意義務を基礎付ける各種警告の存在があった。それを無視した義務違反、津波対策の不備についての責任、外部電源確保義務違反などを追求し、損害の発生と損害額。つまり、損害額が請求額として5兆円となっている。①農林漁業や観光業などへの風評被害、財物の価値喪失の損害額②避難や営業損害、就労不能など事故の収束までにかかる損害額③廃炉にかかる費用を合わせて5兆円となる。放射能の除染や放射能汚染の処理費などは含まれていない。この裁判はまだ継続していて、現在の請求額は約20兆円になっている。
著者の河合弘之は、弁護団長であり、「すでに起こってしまったことに対して、責任を追及するのは決して私の本意ではない。しかし、福島第1原発事故の原因究明とともに、まずは責任の所在をはっきりさせ、責任者に損害賠償や刑事罰といった然るべき償いを課すこと」が必要としている。
私は、その戦いは勇気ある正義の戦いであると思った。
地震の多発する日本で、果たして原発が安全であるかどうかで言えば、福島原発のメルトダウンをみても明らかである。地球温暖ガスを排出しない原発というが、放射能汚染を撒き散らしていて、もっと悲惨な現実が起きている。世界の地震マップ見ても、日本は地震大国である。
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