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東芝 原子力敗戦 単行本(ソフトカバー) – 2017/6/28
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~サラリーマン全体主義は終わった~
東芝原子力事業の暴走と、それを糊塗するためにほぼ全事業部で行われた粉飾には、何千人もの東芝社員が関わった。(中略)まさに「滅私奉公」「全社一丸」だ。
そのやり方では、もはやグローバル競争に勝てないことを、我々は知っている。(エピローグより)
[件名 RE:今期の件
E&Yが暴れていて、手を焼いています。財務部から新日本へプレッシャ(原文ママ)もお願いしています。東京側でのご支援も宜しくお願いします。](2013年3月28日付)
東芝社内で経営陣が交わした粉飾メールをすっぱ抜き、浜松町本社を震撼させた著者。
それだけではない。原子力事業部キーマンの「手帳」、驚くほど緻密に出来事を記録した社内「週報」、そして「原子力事業関係者(政府、国、産業界、海外、社内)及び活動状況について」と名付けられた社内極秘資料を入手。
時に東芝幹部を追い詰め、会見の場に引きずり出してきたスクープ・ジャーナリストが、『月刊文藝春秋』『週刊文春』「文春オンライン」を中心に執筆した記事に、大幅な加筆修正を加えて書籍化した。
全ビジネスパーソン必読の「19万人企業滅亡記」
プロローグ
東芝が現在の惨状に陥った背景には、原子力事業部の田窪昭寛主席主監と、資源エネルギー庁今井尚哉次長の親密な関係があった。
第1章 原子力ルネサンス(2006年~2010年)
「テレビやスマホの代わりに原発を輸出すればいい」という経産省の思惑。その国策に乗った東芝・西田厚聰社長には、経団連会長への野心があった。
第2章 東日本大震災(2011年~2012年)
次々と水素爆発を起こす福島第一原発。メーカーとして最大の危機を迎えてなお「原発輸出」にまい進する佐々木則夫社長を支えたのは、田窪昭寛主席主監だった。
第3章 粉飾決算(2013年~2014年)
買収した米原発機器大手・ウエスチングハウスの減損を隠すため、巨額の粉飾に走る幹部。社内を飛び交うメールからは、粉飾指南役の陰もちらつく
。
第4章 破滅への道程(2015年~2017年)
第二の減損発覚で、土俵際まで追い詰められた東芝。優良事業の売却を繰り返し、残るのは原発事業のみ。東芝本体が倒産の危機に瀕している。
第5章 原発ビジネスの終焉(1956年~2017年)
原発事業は、軍需との両目的で初めて採算が取れる。「国策」への協力を決断したかつての東芝社長、土光敏夫と現経営陣の違いは何か。
第6章 東芝が消える日(2017年~)
原子力業界には、東電を頂点とする絶対的なヒエラルキーがある。「東電の正妻」と言われる東芝の命運を握る東京電力で、いま何が起こっているのか。
エピローグ
「そんなのはゼロ点だ」「俺は聞いてないぞ」と部下を恫喝した佐々木社長。その口ぐせをそっくり真似たのが、原子力事業部の「暴走機関車」田窪主席主監だった。マウンティングが日常の「サラリーマン全体主義」が企業を滅ぼす。
東芝原子力事業の暴走と、それを糊塗するためにほぼ全事業部で行われた粉飾には、何千人もの東芝社員が関わった。(中略)まさに「滅私奉公」「全社一丸」だ。
そのやり方では、もはやグローバル競争に勝てないことを、我々は知っている。(エピローグより)
[件名 RE:今期の件
E&Yが暴れていて、手を焼いています。財務部から新日本へプレッシャ(原文ママ)もお願いしています。東京側でのご支援も宜しくお願いします。](2013年3月28日付)
東芝社内で経営陣が交わした粉飾メールをすっぱ抜き、浜松町本社を震撼させた著者。
それだけではない。原子力事業部キーマンの「手帳」、驚くほど緻密に出来事を記録した社内「週報」、そして「原子力事業関係者(政府、国、産業界、海外、社内)及び活動状況について」と名付けられた社内極秘資料を入手。
時に東芝幹部を追い詰め、会見の場に引きずり出してきたスクープ・ジャーナリストが、『月刊文藝春秋』『週刊文春』「文春オンライン」を中心に執筆した記事に、大幅な加筆修正を加えて書籍化した。
全ビジネスパーソン必読の「19万人企業滅亡記」
プロローグ
東芝が現在の惨状に陥った背景には、原子力事業部の田窪昭寛主席主監と、資源エネルギー庁今井尚哉次長の親密な関係があった。
第1章 原子力ルネサンス(2006年~2010年)
「テレビやスマホの代わりに原発を輸出すればいい」という経産省の思惑。その国策に乗った東芝・西田厚聰社長には、経団連会長への野心があった。
第2章 東日本大震災(2011年~2012年)
次々と水素爆発を起こす福島第一原発。メーカーとして最大の危機を迎えてなお「原発輸出」にまい進する佐々木則夫社長を支えたのは、田窪昭寛主席主監だった。
第3章 粉飾決算(2013年~2014年)
買収した米原発機器大手・ウエスチングハウスの減損を隠すため、巨額の粉飾に走る幹部。社内を飛び交うメールからは、粉飾指南役の陰もちらつく
。
第4章 破滅への道程(2015年~2017年)
第二の減損発覚で、土俵際まで追い詰められた東芝。優良事業の売却を繰り返し、残るのは原発事業のみ。東芝本体が倒産の危機に瀕している。
第5章 原発ビジネスの終焉(1956年~2017年)
原発事業は、軍需との両目的で初めて採算が取れる。「国策」への協力を決断したかつての東芝社長、土光敏夫と現経営陣の違いは何か。
第6章 東芝が消える日(2017年~)
原子力業界には、東電を頂点とする絶対的なヒエラルキーがある。「東電の正妻」と言われる東芝の命運を握る東京電力で、いま何が起こっているのか。
エピローグ
「そんなのはゼロ点だ」「俺は聞いてないぞ」と部下を恫喝した佐々木社長。その口ぐせをそっくり真似たのが、原子力事業部の「暴走機関車」田窪主席主監だった。マウンティングが日常の「サラリーマン全体主義」が企業を滅ぼす。
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2017/6/28
- ISBN-104163906746
- ISBN-13978-4163906744
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
二〇〇六年、米原発メーカー・ウエスチングハウス買収をきっかけに、解体の危機へと追い込まれた東芝。経産省の思惑、国策にすがる幹部、暴走する原子力事業部員の姿を、社内極秘資料を元にあますところなく描く。『日経ビジネス』在籍時代からスクープを連発した、第一人者によるノンフィクション決定版。
著者について
大西康之 1965年生まれ。愛知県出身。1988年、早稲田大学法学部卒、日本経済新聞社入社。1998年、欧州総局(ロンドン)、日本経済新聞編集員、日経ビジネス編集委員などを経て2016年4月に独立。著書に「稲盛和夫 最後の闘い JAL再生に賭けた経営者人生」「ファーストペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦」(以上日本経済新聞出版社)、「三洋電機 井植敏の告白」「会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから」(以上日経BP社)、「ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア佐々木正」(新潮社)がある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大西/康之
1965年生まれ。愛知県出身。1988年、早稲田大学法学部卒、日本経済新聞社入社。1998年、欧州総局(ロンドン)、日本経済新聞編集委員、日経ビジネス編集委員などを経て2016年4月に独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1965年生まれ。愛知県出身。1988年、早稲田大学法学部卒、日本経済新聞社入社。1998年、欧州総局(ロンドン)、日本経済新聞編集委員、日経ビジネス編集委員などを経て2016年4月に独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年12月1日に日本でレビュー済み
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スクープの自慢話かと思いきや、東芝崩壊の原因について著者の考えが展開されている内容となっている。ハンナ・アーレントを引用されている部分は特に一読に値する。ジャーナリストの書いた書籍で引用されている文献が気になる事など皆無だったが、この本は違う。もっと欲張ったタイトルでも良い内容だと思う。著者には他の企業における昨今の不祥事を追求する次回作を期待したい。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年7月3日に日本でレビュー済み
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「東芝」関係の本のなかでは、この本が、東芝問題の経過と問題点をよくまとめて書いてある優れた本で、一気読みした。極秘の内部メールや文書も多数使用されて書かれているので説得力がある。著者のもとには、内部告発者によるたくさんのデータや資料があるようだ。東芝の失敗は、国策(政治)に完全に引っ張られてしまったことで、東芝の幹部達は、物事を総合的にみて判断するという経営者に必要な能力や思考を停止してしまった。東芝の失敗の本質は、日本人のもつ本来的な体質が裏目にでてしまったということで、東芝に限らず、日本のどこの会社や組織でもおこるということ。
ベスト1000レビュアー
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「光る光る東芝、回る回る東芝、走る走る東芝...東芝のマーク」。この歌を聞いたこともある人も多いだろう。その東芝が、事実上、破たんした。なぜ19万人もの人員を抱える日本有数の巨大製造業が破たんしたのか。その経緯が本書に詳しく書いてある。
一言で言えば、経営者がなっていなかったからである。本書には田窪なる奇怪な人物が出てくる。なんでも佐々木則夫の直系の部下で、原子力推進の旗振り役。夜な夜な銀座に繰り出してはクラブ活動に精を出し、経済産業省の幹部と東芝との仲を取り持った。こいつがボスの佐々木則夫直伝のパワハラの塊みたいな男で、それが原因で部下に疎まれ、東芝の重役にはなれなかったという。冒頭、この田窪の自宅に著者が押し掛けるところが出てくる。千葉県の郊外のバス便の不便なところにある狭小なペンシルハウスで、土地縦や含め5千万円もしない物件という著者の見積もりが出ているが、ウソである。千葉でバス便なら、いまならどう見ても3千万円いけば御の字だろう。あれだけ権勢をふるった「やり手」の東芝渉外担当なら六本木の億ションに住んでいておかしくないと著者はいうが、「この家なら、どう見ても年収一千万円レベル」とは恐れ入る。まるで年収一千万円が「安月給」のような口ぶりだ。さすが、高給取りの日本経済新聞社だけのことはある。
東芝はなぜあそこまで原子力にのめり込んだのか。経済産業省に背中を押されたからだという。曰く「これは国策です」。経済産業省で原発推進の音頭を取ったのは、今井尚哉、島田隆、柳瀬唯夫らなのだが、彼らは「推進するだけ」で、その責任はとらない。いくら「これは国策です」と言われても、その国策から生じる事業リスクを引き受けるのは企業であり、そのリスクが企業の体力を上回るのであれば、丁重にお断りして、経済産業省の要求を撥ねつけるのが民間企業経営者の正しい姿である。本書によれば、三菱重工や日立製作所がこれにあたる。三菱重工も日立製作所も経済産業省の要求を拒否している。当たり前である。ところが東芝は違った。経済産業省の誘いに自ら乗って、率先して原発にのめり込んでいったのである。いわく「毒を食べれば皿まで」。しかし、そのつけはあまりに巨大だった。まあ、福島第一の過酷事故の発生は誰しも予見できなかったし、まして原子力三界賠償法の規定にかかわらず、国が責任を負うことを拒否して、すべての責任を東京電力に押し付けることまで誰も予見できなかったと言われれば、それまでかもしれないが、それでもそれまで計算に入れるのが企業経営者なのである。こういうクリティカルな場面での判断ミスは致命的で、だからこそ東芝はいま破たんの瀬戸際にいるわけだが。
それにても東芝の監査を請け負ったアーンストアンドヤングは悲惨である。悪化する一方の事業内容を東芝は決算を粉飾することで切り抜けようとするが、監査法人としては、そういう粉飾は到底受け入れることができない。すると監査法人は雇い主の東芝にぼろくそに言われるのである。いわく「監査法人が暴れて困っている」。困っているのは監査法人の方であって、悪いのは監査法人に粉飾決算を認めるように指示する東芝の方なのだが、監査法人は東芝に雇われている立場なので、ここでは完全に主客が逆転している。しかも監査法人アーンストアンドヤングの影で、ライバル監査法人のデロイトトーマツが東芝の経営陣に接近し、密かに粉飾決算の入れ知恵をしていたというから恐れ入る。東芝に悪魔のささやきをして食い込んだデロイトのパートナーは巨額の報酬を得たのだろうが、この本を読むとデロイトトーマツも東芝とは共犯関係にあったように読めてしまう。
日本では幼少期より学歴獲得レースが始まり、各児童は学力に応じて進学先を振り分けられ、一回しか使えない学歴切符を手に入れる。その学歴切符をただ一度使えるのが新卒一括採用の就職時で、このとき、その人間の渉外年収はおよそ決まる。その昔、理科系のある学科では成績の一番いいグループが東京電力を筆頭とする電力会社に就職し、その次のグループが東芝、三菱重工、日立製作所に就職したという。だから電力会社の社員たちは、こうしてメーカーを最初から出入り業者扱いして格下と見下し、自らは床柱を背に上座に座るのが当然という態度を堅持したという。その東京電力がいま青息吐息である。まあ、そのうち日本航空同様、債務免除その他の優遇措置を政府から受けて奇跡の復活を果たし、再び世界最大の電力会社として地上に君臨する日が来るのだろうが、いましばらくは日本社会のガス抜きが必要で、それまでは東京電力はひたすら隠忍自重の日々を送らねばなるまい。こうして救済される東京電力はまだいい。自己責任がキーワードの東芝に、そういう「明るい未来」はない。東芝よ、さよおなら。
一言で言えば、経営者がなっていなかったからである。本書には田窪なる奇怪な人物が出てくる。なんでも佐々木則夫の直系の部下で、原子力推進の旗振り役。夜な夜な銀座に繰り出してはクラブ活動に精を出し、経済産業省の幹部と東芝との仲を取り持った。こいつがボスの佐々木則夫直伝のパワハラの塊みたいな男で、それが原因で部下に疎まれ、東芝の重役にはなれなかったという。冒頭、この田窪の自宅に著者が押し掛けるところが出てくる。千葉県の郊外のバス便の不便なところにある狭小なペンシルハウスで、土地縦や含め5千万円もしない物件という著者の見積もりが出ているが、ウソである。千葉でバス便なら、いまならどう見ても3千万円いけば御の字だろう。あれだけ権勢をふるった「やり手」の東芝渉外担当なら六本木の億ションに住んでいておかしくないと著者はいうが、「この家なら、どう見ても年収一千万円レベル」とは恐れ入る。まるで年収一千万円が「安月給」のような口ぶりだ。さすが、高給取りの日本経済新聞社だけのことはある。
東芝はなぜあそこまで原子力にのめり込んだのか。経済産業省に背中を押されたからだという。曰く「これは国策です」。経済産業省で原発推進の音頭を取ったのは、今井尚哉、島田隆、柳瀬唯夫らなのだが、彼らは「推進するだけ」で、その責任はとらない。いくら「これは国策です」と言われても、その国策から生じる事業リスクを引き受けるのは企業であり、そのリスクが企業の体力を上回るのであれば、丁重にお断りして、経済産業省の要求を撥ねつけるのが民間企業経営者の正しい姿である。本書によれば、三菱重工や日立製作所がこれにあたる。三菱重工も日立製作所も経済産業省の要求を拒否している。当たり前である。ところが東芝は違った。経済産業省の誘いに自ら乗って、率先して原発にのめり込んでいったのである。いわく「毒を食べれば皿まで」。しかし、そのつけはあまりに巨大だった。まあ、福島第一の過酷事故の発生は誰しも予見できなかったし、まして原子力三界賠償法の規定にかかわらず、国が責任を負うことを拒否して、すべての責任を東京電力に押し付けることまで誰も予見できなかったと言われれば、それまでかもしれないが、それでもそれまで計算に入れるのが企業経営者なのである。こういうクリティカルな場面での判断ミスは致命的で、だからこそ東芝はいま破たんの瀬戸際にいるわけだが。
それにても東芝の監査を請け負ったアーンストアンドヤングは悲惨である。悪化する一方の事業内容を東芝は決算を粉飾することで切り抜けようとするが、監査法人としては、そういう粉飾は到底受け入れることができない。すると監査法人は雇い主の東芝にぼろくそに言われるのである。いわく「監査法人が暴れて困っている」。困っているのは監査法人の方であって、悪いのは監査法人に粉飾決算を認めるように指示する東芝の方なのだが、監査法人は東芝に雇われている立場なので、ここでは完全に主客が逆転している。しかも監査法人アーンストアンドヤングの影で、ライバル監査法人のデロイトトーマツが東芝の経営陣に接近し、密かに粉飾決算の入れ知恵をしていたというから恐れ入る。東芝に悪魔のささやきをして食い込んだデロイトのパートナーは巨額の報酬を得たのだろうが、この本を読むとデロイトトーマツも東芝とは共犯関係にあったように読めてしまう。
日本では幼少期より学歴獲得レースが始まり、各児童は学力に応じて進学先を振り分けられ、一回しか使えない学歴切符を手に入れる。その学歴切符をただ一度使えるのが新卒一括採用の就職時で、このとき、その人間の渉外年収はおよそ決まる。その昔、理科系のある学科では成績の一番いいグループが東京電力を筆頭とする電力会社に就職し、その次のグループが東芝、三菱重工、日立製作所に就職したという。だから電力会社の社員たちは、こうしてメーカーを最初から出入り業者扱いして格下と見下し、自らは床柱を背に上座に座るのが当然という態度を堅持したという。その東京電力がいま青息吐息である。まあ、そのうち日本航空同様、債務免除その他の優遇措置を政府から受けて奇跡の復活を果たし、再び世界最大の電力会社として地上に君臨する日が来るのだろうが、いましばらくは日本社会のガス抜きが必要で、それまでは東京電力はひたすら隠忍自重の日々を送らねばなるまい。こうして救済される東京電力はまだいい。自己責任がキーワードの東芝に、そういう「明るい未来」はない。東芝よ、さよおなら。
2017年7月10日に日本でレビュー済み
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東芝がWHを買収した経緯、粉飾に手を染めて破綻に至った経緯が詳しく述べられています。東芝社員が記録した週報を元に分析をしており、信頼性は高い内容かと思われます。
東芝のような企業をサラリーマン全体主義としてブッタ切る書きっぷりはアッパレです。このような会社は今後自然淘汰されてしまうのかも知れませんが、自分もその全体主義の中にいると思うと考えさせられるものがあります。
この本は全てのサラリーマンの参考になるのではないでしょうか。
東芝のような企業をサラリーマン全体主義としてブッタ切る書きっぷりはアッパレです。このような会社は今後自然淘汰されてしまうのかも知れませんが、自分もその全体主義の中にいると思うと考えさせられるものがあります。
この本は全てのサラリーマンの参考になるのではないでしょうか。
2017年9月11日に日本でレビュー済み
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今回の東芝の事件は、内部告発が連続して起こるという不可解なことから始まった。
この著者は 社員でも追及できないであろうと思われるほどの綿密な調査と、事件にいたるまでの経緯を
鋭く洞察して 舞台裏を描いた。
社風がシックスシグマのあたりから変わったのくだりにおいては、驚くとともに、ボトムアップでなくなった
ことが、腐食を食い止められなかった大きな原因になりうると痛感させられました。
東芝関連のほかの本を読んでいないので断言はできないのですが、自分はこの本は本当に良かったと
思いました。本屋で冒頭を立ち読みして、帰宅しても続きをどうしてもよみたかったので
キンドル版を買いました。
この著者は 社員でも追及できないであろうと思われるほどの綿密な調査と、事件にいたるまでの経緯を
鋭く洞察して 舞台裏を描いた。
社風がシックスシグマのあたりから変わったのくだりにおいては、驚くとともに、ボトムアップでなくなった
ことが、腐食を食い止められなかった大きな原因になりうると痛感させられました。
東芝関連のほかの本を読んでいないので断言はできないのですが、自分はこの本は本当に良かったと
思いました。本屋で冒頭を立ち読みして、帰宅しても続きをどうしてもよみたかったので
キンドル版を買いました。