すこしネタバレします。
表紙がいい、表紙のただ静かにたたずんでいる赤ずきんが、儚く美しい。
いよいよ行動を起こした相手方、なんとあのお世話係のマルコを……。ヴィヴィは哀しみに満ち、彼が贈ってくれた真っ白なウェディング・ドレスを身にまとい敵を薙ぎ払います。この純白のウェディング・ドレスが紅く染まることを揶揄します。
『歪んだ愛』。
この作品を通して伝わったのは、その『歪んだ愛』なのかな、と。
それがいいか悪いかはわかりません。
セオスは叫びます。
「何故俺を拒む」
と。
手に入れたくてたまらなくて仕方なかった愛しい愛しい人物から拒否され身を滅ぼされ、哀しみに飲みこまれながら死んでいくのです。
ルーポのママ、ママ、という愛情も彼女は包み込まなかった。
赤ずきん、いえ、アスタルテは、彼らの愛を拒絶し、ひとり立つことを考えた。
だれかに依存して有耶無耶で破廉恥で自堕落なことはとてもとても楽で便利で抜け出せないものだけれども。
喰うことで、喰われることで、お互いの堕落をむさぼろうとした。
しかし、生きることを選択したのです。
東京赤ずきん 4 (バーズコミックス) (日本語) コミック – 2006/9/22
玉置 勉強
(著)
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|
4巻中4巻: 東京赤ずきん
-
本の長さ232ページ
-
言語日本語
-
出版社幻冬舎コミックス
-
発売日2006/9/22
-
ISBN-104344808452
-
ISBN-13978-4344808454
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.6
星5つ中の4.6
14 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年10月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
★5の上。
胸が震えるラストであった。
この素晴らしい物語に出逢えたことに感謝している。
何度読み返しても傑出しているこの4巻だが、だからこそ3巻(実際には2巻のラスト当たりからの性急な展開)が悔やまれてならない。全7巻くらいの内容を無理矢理詰め込まなければならなかった作者の気持ちは如何だったのであろうか・・・。
萌えやエンタメばかりがハバをきかせ奇譚なるものの居場所が狭いのは何もこの業界に限ったことではないんだけど・・・。
ともあれ5年間本当にありがとう、と感謝の気持ちでいっぱいだ。
また、玉置勉強の新たな挑戦に期待しつつ。
胸が震えるラストであった。
この素晴らしい物語に出逢えたことに感謝している。
何度読み返しても傑出しているこの4巻だが、だからこそ3巻(実際には2巻のラスト当たりからの性急な展開)が悔やまれてならない。全7巻くらいの内容を無理矢理詰め込まなければならなかった作者の気持ちは如何だったのであろうか・・・。
萌えやエンタメばかりがハバをきかせ奇譚なるものの居場所が狭いのは何もこの業界に限ったことではないんだけど・・・。
ともあれ5年間本当にありがとう、と感謝の気持ちでいっぱいだ。
また、玉置勉強の新たな挑戦に期待しつつ。
VINEメンバー
グロさとエロさが目立つ作品ですが、最終巻で見事にまとまりました。
多少説明不足なようも気がしますが…
天使とか悪魔とか言っても、人間にない超常の能力を持つ以外は、人間以上に人間くさいところが印象的でした。
良く考えれば、ギリシャ神話で描かれる神々も近親相姦や浮気や愛憎織り交ぜたドラマの連続であることを考えると、結局は人間臭いのが当たり前なのかもしれません。
この作品で描かれる「天界」も、全然清らかでもなんでもなく、むしろ魔界の赤ずきん=アスタルテの女性としての一面のほうが神々しい…のかな?
単純に冒頭の天界の刺客・キサと赤ずきん=アスタルテの戦いの迫力に酔いしれるのも良いでしょう。
決して一般受けはしませんが、だからこそ普通の人気作にはない魅力を秘めた作品です。
多少説明不足なようも気がしますが…
天使とか悪魔とか言っても、人間にない超常の能力を持つ以外は、人間以上に人間くさいところが印象的でした。
良く考えれば、ギリシャ神話で描かれる神々も近親相姦や浮気や愛憎織り交ぜたドラマの連続であることを考えると、結局は人間臭いのが当たり前なのかもしれません。
この作品で描かれる「天界」も、全然清らかでもなんでもなく、むしろ魔界の赤ずきん=アスタルテの女性としての一面のほうが神々しい…のかな?
単純に冒頭の天界の刺客・キサと赤ずきん=アスタルテの戦いの迫力に酔いしれるのも良いでしょう。
決して一般受けはしませんが、だからこそ普通の人気作にはない魅力を秘めた作品です。
2007年2月5日に日本でレビュー済み
玉置勉強はそのスジじゃかなり知られたエロ漫画家。
その作者が世間様向けにタイトロープダンサー並みのバランスを取りつつ、時に片足を踏み外して書いた作品の最終巻。
4冊に渡るエロとグロとカニバリズムと暴力の吹き荒れる倒錯のスプラッタ嵐を潜り抜けて最後に見えて来たのは意外にも「愛のカタチ」。
セオスのセリフ、
「な・・何故!! 俺を!! 拒む!! この!! 俺をッ!!」
が象徴的。
支配欲故に暴力的になるセオスやジェンティーレ、片倉(?)など男達の愛は相手を取り込もうとする。
この男達の「取り込もうとする愛」には彼女の意思は関係ない。
強引に取り込む(喰う、犯す)時点で世界は収束する。
しかし、アスタルテ(赤ずきん)は男達の世界から拒絶し、分離する。
無視し、強引に取り込んだアスタルテの「意思」こそが男達の愛(世界)を破壊する。
取り込もうにも永遠に取り込めない他者に対する愛のカタチ。
ストーカー、DV等が問題になる昨今、本作品は現代を愛のカタチで鮮やかに切り取ってみせた。
万人にはとてもじゃないが薦められない。
でも読めば癖になる(人もいる)、クサヤの干物のような一冊。
その作者が世間様向けにタイトロープダンサー並みのバランスを取りつつ、時に片足を踏み外して書いた作品の最終巻。
4冊に渡るエロとグロとカニバリズムと暴力の吹き荒れる倒錯のスプラッタ嵐を潜り抜けて最後に見えて来たのは意外にも「愛のカタチ」。
セオスのセリフ、
「な・・何故!! 俺を!! 拒む!! この!! 俺をッ!!」
が象徴的。
支配欲故に暴力的になるセオスやジェンティーレ、片倉(?)など男達の愛は相手を取り込もうとする。
この男達の「取り込もうとする愛」には彼女の意思は関係ない。
強引に取り込む(喰う、犯す)時点で世界は収束する。
しかし、アスタルテ(赤ずきん)は男達の世界から拒絶し、分離する。
無視し、強引に取り込んだアスタルテの「意思」こそが男達の愛(世界)を破壊する。
取り込もうにも永遠に取り込めない他者に対する愛のカタチ。
ストーカー、DV等が問題になる昨今、本作品は現代を愛のカタチで鮮やかに切り取ってみせた。
万人にはとてもじゃないが薦められない。
でも読めば癖になる(人もいる)、クサヤの干物のような一冊。
2007年1月28日に日本でレビュー済み
徹底的にエロくて残酷で美しくて凛として強い女性たちと、様々な意味で弱く情けない男たちとの見事な対比。
強烈でもはや崇拝の域に達するほどの倒錯的な女性の美の描きっぷりはある意味谷崎潤一郎作品に通じるものがあるような気がします。
そして背骨の通ったストーリー展開。
結末はあれしかありえない。
強烈でもはや崇拝の域に達するほどの倒錯的な女性の美の描きっぷりはある意味谷崎潤一郎作品に通じるものがあるような気がします。
そして背骨の通ったストーリー展開。
結末はあれしかありえない。