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本格小説 上 単行本 – 2002/9

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商品の説明

受賞歴

第54回(2002年) 讀賣文学賞小説賞受賞

内容紹介

ニューヨークで、運転手から実力で大金持ちとなった伝説の男・東太郎の過去を、祐介は偶然知ることとなる。伯父の継子として大陸から引き上げてきた太郎の、隣家の恵まれた娘・よう子への思慕。その幼い恋が、その後何十年にもわたって、没落していくある一族を呪縛していくとは。まだ優雅な階級社会が残っていた昭和の軽井沢を舞台に、陰翳豊かに展開する、大ロマンの行方は。 --このテキストは、文庫版に関連付けられています。

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登録情報

  • 単行本: 469ページ
  • 出版社: 新潮社 (2002/09)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 410407702X
  • ISBN-13: 978-4104077021
  • 発売日: 2002/09
  • 商品パッケージの寸法: 19 x 13.4 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2 49件のカスタマーレビュー
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

形式: 文庫
戦後、アメリカに渡って財をなした伝説の男、東太郎の数十年にも及ぶ悲恋の物語。一口に言ってしまえばこうなりますが、作者の知的なたくらみに満ちた、それでいてとびきり読みやすく、味わい深い稀有な小説。「堪能した」という言葉がぴったりの読後感です。

核になるのは太郎の物語ですが、そこに行き着くまでに、アメリカに渡ったばかりの太郎を知る美苗の話、のちに美苗の知らない太郎の歴史を運んでくる祐介の話、祐介が軽井沢で、核となる物語の語り手である冨美子、そして太郎本人と出会う話、と、まどろっこしくも扉が一枚一枚開かれるような過程があり、古い時代の日本の物語へと読者をゆっくりゆっくり運んでくれます。

核となる物語は夢中で読め、戦後の貧しさと富める人々の生活、その没落といった未知の世界がありありと浮かび上がって来ます。そして終盤には物語がくるりと転回するような瞬間が用意されており、また1ページ目から別の視点で読み返さざるを得なくなる・・・・そういう小説です。

先日の新聞である人が作者を「小説の女神」と称していましたが、その名にふさわしい書き手。時代ごとに、場所ごとに、そこに生きる人々の息遣いが聞こえてくるような文章を書き分ける才。さりげないのにこれ以外ないという各章のタイトル。魅了されました。

冬の夜長に、静かに静かにそして熱く読んでいただきたい物語です。
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投稿者 カスタマー 投稿日 2003/5/30
形式: 単行本
久しぶりに長編小説らしい作品に出会えました.最近のムードだか感性だかを重視しているような歯ごたえの無い作品にうんざりしていたので、日本語の表現の豊かさを存分に駆使した文体に感じ入りました、それも少しも難しくなくて.嵐が丘を換骨奪胎した見事な構成と人物の書き分け.下巻とともに読み終わった後も、主人公の東太郎の孤独に引きずられたままです。
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形式: 文庫 Amazonで購入
人生とは、持って生まれた容姿や能力や性格、生まれてきた時代や国、家族や友人など回り逢う人々と、さまざまな要素に影響されるものであること。それぞれが紆余曲折ある違った道を歩むことで、与えられた時を刻んでいくものであること。そうやって少しずつ、しかし確実に時代が変化していくことを感じさせられた大作でした。

展開のある筋、さりげない内面の洞察を交えた人物描写、目の前に景色が浮かぶような風景描写、豊富な語彙、繊細な音楽の旋律のような文章、どれをとっても大満足でした。フィクションはあまり読まないほうですが、この本を読んで、「小説って面白い!」と、すぐに水村美苗さんの他の小説も読んでみたい衝動に駆られましたが、面白すぎて短期間にこの本を読むことに時間を費やしすぎてしまったので、読もうかどうか迷っています。

小説を読んでこんなに満足したのはとても久しぶりというか、初めてかもしれません。
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投稿者 長女 投稿日 2004/6/6
形式: 単行本
主だった登場人物の誰の視線で愛するということについて考えてみても、切なくてやりきれない気持ちになります。時代や年令や背景で愛することの表現の方法が変わっていっても、人はひとを想い続けるのですね。ただ、世間に対する責任や自身の立場と失いたくない愛とのバランスやら…深く考える1冊になりました。また、挿入されている景色や家具や風景の写真もココロに響きました。ひさびさ上下巻1日読破。そして再読。そういう本でした。
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形式: 単行本 Amazonで購入
「本格小説」は7年ぶり、待望の第3作である。序文で著者は「このようなものを読んで下さる読者がいれば幸せに思うだけ」と謙遜しているが、本書の題名は、著者の自信の程を伺わせる。著者はまた、天から贈られた「小説のような話」をもとに書いたと記している。2002年度ノーベル物理学賞の小柴さんが掴まえたのは、超新星爆発に伴うニュートリノという贈り物。装置をニュートリノ用に改造して間もなくだった。水村の得た幸運は、これに匹敵する。どちらの場合も、受ける準備がなければ逃がしてしまったであろう贈り物といえよう。序章において、著者がアメリカのハイスクールにいた時代から知っていた「東太郎」という人物がアメリカで成功する話、そして、後年日本に住むようになった著者がアメリカの大学へ講義に行っていた折、日本から来た「祐介」という若者から、たまたま渡米前の「太郎」の恋物語を聞くことになった話が、私小説スタイルで述べられる。いささか長すぎるようなこの序章と、巻頭にある登場人物たちの系図から、読者はおおよその結末を知ってしまったような気になるが、そのことは、上巻の約3分の1を経過してようやく始まる本格小説部分を読む興味をそぐことには少しもならない。読者は「祐介」と「冨美子」という人の語り手の話に引き込まれてしまい、途中で本を置くことがなかなかできない。長い序章は、主人公「太郎」がどのような経過で渡米することになったのか、その後、彼と女主人公「よう子」との恋はどうなったのか、等々の疑問を読者に深く植え付ける役割を果たしているのである。
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