福島原発事故直後からアメリカ(NNSA)は莫大な費用を使い、福島を中心にセシウムの汚染度を正確に測定している。本書によればその正確度はSPEEDDをはるかにしのぐものであったが、そのデータはすみやかに日本政府に提供されたがその結果を全く公表しなかった。
著者は、地図や地形図のデータを駆使した防災の研究を応用し、NNSAのデータを地理情報システムを使い、1平方メートル当たり10万ベクレル毎の等高線を作成している。これから、各自治体の地表の汚染度とそこに住んでいる人数を計算した一覧表を作っている(P160-161)。
ただ、そのデータに関して著者に問い合わせたかったのですが、著者は既に亡くなられていました。ご冥福をお祈り痛いします。この著者の業績を京大の今中哲二氏も称賛されて要る文章を読みました。素晴らしい本なのでぜひみなさんに読んでもらいたいと思います。
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
本当に役に立つ「汚染地図」 (集英社新書) 新書 – 2013/12/17
沢野 伸浩
(著)
地理情報から“危険”が見える。
「自分の家がどれくらい汚染されたか、皆、知りたいはずだ」
地図データを駆使した防災研究を専門とする著者は、福島原発事故後、米軍がネットで公開した放射能実測値をGIS(地理情報システム)という最新ソフトウェアに落とし込んで「セシウム汚染地図」を作成した。「地図屋」の立場で放射能問題に関わるようになった著者が、地理情報の実践的な活用ノウハウを提示する。福島第一原発周辺汚染状況の3Dマップ、飯舘村の地区単位の汚染濃度分布図、関東一帯の「放射線管理区域該当エリア」など、貴重なオリジナル図版を本書に多数収録。
また、大型水害時の「見えない水路」を可視化する試みなど、災害対応に役立つ広範な事例も報告する。
[著者情報]
沢野伸浩(さわの のぶひろ)
一九六〇年群馬県生まれ。金沢星稜大学女子短期大学部教授。専門は社会システム工学・安全システム。ナホトカ号重油流出事故の漂着油調査、ベトナムでのダイオキシン類による環境汚染に関する研究などのフィールドワークを行う。また、二〇〇七年度学術振興機構特定国長期派遣研究者としてフィンランド国立技術研究所に滞在し、地理情報システムを用いた船舶航行安全と海洋汚染防止の研究に従事した。
「自分の家がどれくらい汚染されたか、皆、知りたいはずだ」
地図データを駆使した防災研究を専門とする著者は、福島原発事故後、米軍がネットで公開した放射能実測値をGIS(地理情報システム)という最新ソフトウェアに落とし込んで「セシウム汚染地図」を作成した。「地図屋」の立場で放射能問題に関わるようになった著者が、地理情報の実践的な活用ノウハウを提示する。福島第一原発周辺汚染状況の3Dマップ、飯舘村の地区単位の汚染濃度分布図、関東一帯の「放射線管理区域該当エリア」など、貴重なオリジナル図版を本書に多数収録。
また、大型水害時の「見えない水路」を可視化する試みなど、災害対応に役立つ広範な事例も報告する。
[著者情報]
沢野伸浩(さわの のぶひろ)
一九六〇年群馬県生まれ。金沢星稜大学女子短期大学部教授。専門は社会システム工学・安全システム。ナホトカ号重油流出事故の漂着油調査、ベトナムでのダイオキシン類による環境汚染に関する研究などのフィールドワークを行う。また、二〇〇七年度学術振興機構特定国長期派遣研究者としてフィンランド国立技術研究所に滞在し、地理情報システムを用いた船舶航行安全と海洋汚染防止の研究に従事した。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2013/12/17
- ISBN-104087207196
- ISBN-13978-4087207194
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
地図データを駆使した防災研究を専門とする著者は、福島原発事故後、米軍がネットで公開した放射能実測値をGIS(地理情報システム)という最新ソフトウェアに落とし込んで「セシウム汚染地図」を作成した。「地図屋」の立場で放射能問題に関わるようになった著者が、地理情報の実践的な活用ノウハウを提示する。福島第一原発周辺汚染状況の3Dマップ、飯舘村の地区単位の汚染濃度分布図、関東一帯の「放射線管理区域該当エリア」など、貴重なオリジナル図版を本書に多数収録。また、大型水害時の「見えない水路」を可視化する試みなど、災害対応に役立つ広範な事例も報告する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
沢野/伸浩
1960年群馬県生まれ。金沢星稜大学女子短期大学部教授。専門は社会システム工学・安全システム。ナホトカ号重油流出事故の漂着油調査、ベトナムでのダイオキシン類による環境汚染に関する研究などのフィールドワークを行う。また、2007年度学術振興機構特定国長期派遣研究者としてフィンランド国立技術研究所に滞在し、地理情報システムを用いた船舶航行安全と海洋汚染防止の研究に従事した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1960年群馬県生まれ。金沢星稜大学女子短期大学部教授。専門は社会システム工学・安全システム。ナホトカ号重油流出事故の漂着油調査、ベトナムでのダイオキシン類による環境汚染に関する研究などのフィールドワークを行う。また、2007年度学術振興機構特定国長期派遣研究者としてフィンランド国立技術研究所に滞在し、地理情報システムを用いた船舶航行安全と海洋汚染防止の研究に従事した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1分以内にKindleで 本当に役に立つ「汚染地図」 (集英社新書) をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2013/12/17)
- 発売日 : 2013/12/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4087207196
- ISBN-13 : 978-4087207194
- Amazon 売れ筋ランキング: - 613,496位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
カスタマーレビュー
5つ星のうち5.0
星5つ中の5
3 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年4月10日に日本でレビュー済み
違反を報告する
Amazonで購入
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2014年1月17日に日本でレビュー済み
著者によると、GIS(地理情報システム)技術を使えば、地図上に人口や汚染物質の情報も重ね合わすことができ、高さも加え3次元での解析もできる。
このGISの技術は、19年前の阪神・淡路大震災を機に本格的な導入が始まった。7年前にはこの技術を活用するため 「地理空間情報活用推進基本法」 という法律まで作られた。民間ではマクドナルドの出店計画にも使用されているが、なぜか放射能影響予測SPEEDIには活用されていなかった。著者はこれを知った時、驚きを通りこし呆(あき)れたと述べている。
著者は、ナホトカ号重油流出事故を機に知ったこのGISを使って、福島第1原発事故による放射能汚染の実態を1戸建ての家のレベルまで明らかにしていく。データは、米国エネルギー省の国家核安全保障局(NNSA)が事故後に測定していたものだ。この計測データはすぐに日本政府に伝えられたが、国からは公表もされず住民の避難にも全く使用されていなかった。著者はアメリカが公表していたこのデータを、事故の7カ月後にWEB上で偶然見つける。
NNSAのデータは強い汚染地域が対象だった。一方日本の法律で規定される「放射線管理区域」という比較的低い汚染の地域については、GIS活用が想定されていない文部科学省のデータの方を使用、教え子たちが手作業で取り込み詳細な地図を作成、汚染地域の人口まで明らかにしていく。放射線管理区域以上の地に居住していた人口は、チェルノブイリ原発事故591万人に対し福島原発事故は158万人(チェルノブイリの27%)に上ることを明らかにしていく。作成した地図は、小さな新書に白黒で載せるにはもったいない労作だ。
民間事故調が、SPEEDIを 「見せ球」 にすぎなかったと結論づけたように、著者は、『 「原子力防災」 の世界ではSPEEDIなど、どうでも良いという扱いだったのだろうか』 と述べている。本書を通じて、国は原発事故発生時、本気で住民の被ばくを防ぐ意志がなかったことをあらためて思い知らされた。
このGISの技術は、19年前の阪神・淡路大震災を機に本格的な導入が始まった。7年前にはこの技術を活用するため 「地理空間情報活用推進基本法」 という法律まで作られた。民間ではマクドナルドの出店計画にも使用されているが、なぜか放射能影響予測SPEEDIには活用されていなかった。著者はこれを知った時、驚きを通りこし呆(あき)れたと述べている。
著者は、ナホトカ号重油流出事故を機に知ったこのGISを使って、福島第1原発事故による放射能汚染の実態を1戸建ての家のレベルまで明らかにしていく。データは、米国エネルギー省の国家核安全保障局(NNSA)が事故後に測定していたものだ。この計測データはすぐに日本政府に伝えられたが、国からは公表もされず住民の避難にも全く使用されていなかった。著者はアメリカが公表していたこのデータを、事故の7カ月後にWEB上で偶然見つける。
NNSAのデータは強い汚染地域が対象だった。一方日本の法律で規定される「放射線管理区域」という比較的低い汚染の地域については、GIS活用が想定されていない文部科学省のデータの方を使用、教え子たちが手作業で取り込み詳細な地図を作成、汚染地域の人口まで明らかにしていく。放射線管理区域以上の地に居住していた人口は、チェルノブイリ原発事故591万人に対し福島原発事故は158万人(チェルノブイリの27%)に上ることを明らかにしていく。作成した地図は、小さな新書に白黒で載せるにはもったいない労作だ。
民間事故調が、SPEEDIを 「見せ球」 にすぎなかったと結論づけたように、著者は、『 「原子力防災」 の世界ではSPEEDIなど、どうでも良いという扱いだったのだろうか』 と述べている。本書を通じて、国は原発事故発生時、本気で住民の被ばくを防ぐ意志がなかったことをあらためて思い知らされた。
2013年12月29日に日本でレビュー済み
1980年から2009年まで116億円を使い国民を被曝から守るSPEEDIシステム開発されたものの、原子力緊急事態宣言から2週間近く経過した3月23日でした。内容もメッシュが荒く個別的避難には役に立ちそうにないなぁと記憶しています。本書から、このシステムが日常で使用されている携帯やカーナビにも劣るものだったと知りました。著者は、1997年のナホトカ号重油流失事故の海岸浸食という現象を調べるための手段としてGISに出会ったとのことです。著者は、学生にPCを教える立場でありながら、手にしたGISソフトの分厚いマニュアルを読みかえしたものの、サンプル地図データも開けないという難易度の高いものだったと回顧してます。これが一番個人的には感動したエピソードです。実は、今から約5年前、私も職場の上司から地図情報システムを立ち上げて欲しいと言われました。いままで、何度か、事業立ち上げの際、新事業をにらみシステム会社と対応システム作り上げた実績からと思いました。さっそく地図情報システムを調べるとGISという単語に行き当たりました。ところが事務屋の私はGISとは何ができて何をするものがさっぱり解らない。言葉も概念もどうも今までとは違う。「テーマ」「紐づけ」・・・何じゃ??業者に発注するにはこちらもGISが何者で自分の仕事にどう利用できるかという基本は理解する必要があります。どうやらアクセスやエクセルといった従来のテキストデーターを集計、計算、加工するものとは別物ということだけは感じとりました。ただの画像データでもなさそう。しかし、その先が見えない。運よく友人に、困ると助けてもらっていた、凄腕のシステムエンジニアがいたのでさっそくご教授願いました。彼も詳細は不明なものの概念を一通り教授してくれました。仕上げは、地図業者からのプロポーザルという名目で情報収集。私なりに見えてきたのは、おなじみの1/500の住宅地図に透明板を何重にも重ね、この透明な板に特定の住宅等の情報を掲載し、これらを自由に入れ替えたり重ねたりして結果を見る。さらに、おなじみのテキストデータも紐づけという行為でリンクもできる。テキスト項目で地図のデータや物件検索もできるし、地図という視覚的なものからテキストデータの検索や集計もできる。3Dもあるらしい(まだ私には手におえない)。知れば知るほど、概念を変えるソフト、感想は「すげぇ」。なんでもできるという可能性とは、アクセスとエクセルのあの違いの感覚。そう、使う側の力量が問われます。
さて、本書ではまずSPEEDIシステムの概略これを比較してながらGISとは?について解説します。旧概念との比較でGISが理解しやすいのは気のせいかな。
著者が福島の事故を目にして、事故直後観測し公開されていた米軍航空機のデータ等を基にGISで1平方メートル4万ベクレル以上の放射線管理区域以上の詳細な汚染地区を浮かび上がらせるまでの解説が具体的に記されています。GISをこれから地図会社と共同でシステム作成することを考えている方には、GISの概念理解と利用法理解にフィールドアプローチも含め参考になる1冊です。文部省が翌年10月に公表した汚染地区データがGISに乗らない加工データであった余談も、GISを理解するに役立ちます。私的にもGISの新しい可能性を求めた応用システムと格闘中です。
さて、本書ではまずSPEEDIシステムの概略これを比較してながらGISとは?について解説します。旧概念との比較でGISが理解しやすいのは気のせいかな。
著者が福島の事故を目にして、事故直後観測し公開されていた米軍航空機のデータ等を基にGISで1平方メートル4万ベクレル以上の放射線管理区域以上の詳細な汚染地区を浮かび上がらせるまでの解説が具体的に記されています。GISをこれから地図会社と共同でシステム作成することを考えている方には、GISの概念理解と利用法理解にフィールドアプローチも含め参考になる1冊です。文部省が翌年10月に公表した汚染地区データがGISに乗らない加工データであった余談も、GISを理解するに役立ちます。私的にもGISの新しい可能性を求めた応用システムと格闘中です。