【ポイント】
・産業革命期の変化
⇒・農村から都市への大規模な人口移動が起こり、・農業従事者や家内手工業の職人から、工場労働者へと働き方がシフトし、・1人当たりの所得が増大して、・消費ブームが起こりました。
⇒負の側面として、・長時間にわたる画一的な作業労働が人々のストレスの源となり、・家族の絆や伝統文化がないがしろにされ、・大規模工場や大量輸送機関によって自然破壊と環境汚染が起こり、・急速な変化についていけない人たちが、都市部で貧困層を形成しました。
・ITの進化は、これまで圧倒的な力をもっていた国や大企業などの大きな組織から、今まではそれらに従属するしかなかった個人や、個人が集まっただけのネットワークへ、パワーシフトを起こしています。
・これまでの社会では、できるだけ多くのストック、すなわち資産をもつことが有利とされていました。資産とは貯金のことでもあり、家族や同級生などの人的ネットワークや、大学の卒業証書や資格などの肩書きも含め、過去において手に入れ「ストックしてあるモノ」。けれど今後、人生100年の時代になれば、ストックが多いことより、その時々になんらかの価値を生み出し続ける「フローの力」の方が重要になります。
・長生きの可能性が高まると、いくら貯金=ストックをもっていても不安は尽きないけれど、稼ぐ力=フローを得る力がある人は、ストック型の人より安楽に構えていることができます。いわば、「過去に貯めた資産をもつ人から、稼げる人へのパワーシフト」が起こる
⇒過去に築いた人的資産の質と量ではなく、何歳になっても新たな人的関係を構築していく能力が問われる時代となる
⇒過去に貯めたものだけではもたないほど人生が長くなると、たくさんの資産をもつ人から生きる力のある人への、パワーシフトが起こる
・需要が圧倒的に大きな市場で手に職をつければ、それとは一線を画した新しい働き方が手に入ります。それは一定期間働くごとに、リフレッシュや個人の趣味のため、そして家族のために、数カ月から一年もの休みを挟むという、いわば「間欠泉的なキャリア」
・大事なのは「資格の有無」ではなく「市場のニーズの有無」
・今までは、一生懸命働き、よりたくさん稼いで、より豊かな生活を目指すことが一種の〝常識〟でした。しかしこれからは、必要生活費をできるだけ抑え、働く期間を最短化するという逆転の発想で人生を設計することも、ひとつの選択肢となります。
・むしろ、「働くこと」と「生きる意味」を切り離し、仕事からは生活費とスキルだけを得て、仲間や社会からの承認、そして生き甲斐に関しては、ボランティアや趣味のコミュニティから得ようと考えるのも、きわめて合理的な判断
・今の時代、必要なのは雇ってくれる組織や与えられる仕事ではなく、働く力であり、稼ぐ力です。それさえ維持していれば、働く生活と働かない生活の境界線だってゆるく越えやすいものにできます。
・労働力の中心である20歳から64歳までの人口は、次の35年で3割以上減るのです。大規模に移民を入れない限り、長期的には労働力が足りなくなることは確実です。仕事の選り好みをせず、収入もそこそこでよいとなれば、何も仕事がないなんてちょっと考えられません。(日本の将来推計人口)
・私が言いたいのは、「自分がやりたいことが明確になれば、人生はものすごく楽になる」ということです。それが明確になれば、世間の常識に自分を合わせる必要がなくなります。より有名な会社に入るとか、より高い地位を目指すとか、よりよいお給料をもらうということに、ほとんど意味がなくなる
・憧れたり、うらやんだりするのではなく、自分自身が本当に欲しいものを見つけましょう。「自分はこれからの人生を、どう過ごしていきたいのか、どんな人生をおくりたいのか」、しっかりと考え詰めましょう。
・キャリア形成とは先行きの選択肢を複数考え、自分が進む道を意識的に選び、その道でやっていくために必要な知識やスキル、経験をどう身につけていくのか、自分で設計し、実現していくことです。「どこの会社に入るべきか」、「どの職業を選ぶべきか」なんていうのは学生の就活レベルの選択であって、社会人のキャリア形成とは呼べません。
・市場が求めているものを提供する力と自信が身につけば、未来に向けて選ぶことのできるシナリオは、今よりずっと自由で多彩なものになります。どんな分野で働く場合でも、マーケット感覚こそが「稼ぐ力」に直結する
・終戦直後の混乱した時代には雇ってくれる企業の数も限られており、日本でもみんな、なんらか工夫をしてお金を稼いでいました。
・その後の日本では高度成長と共に、「雇ってもらうこと」が働くことの中心になりましたが、テクノロジーの進化やグローバリゼーションの進展によって、今はそれがまた、変わり始めています。いろんな人が自分の才覚で市場から直接稼ぎ始め、その中からいくつか大きく育つビジネスが出現する。これからの経済成長は、そういうところから始まっていくのでしょう。
・市場が求めるものとは、突き詰めれば時代が求めているものです。それを提供しようとすれば、自然と自分にも、時代が求めるスキルが身につきます。
・この「稼ぐためには何が必要なのか」理解するという力こそが重要なのです。彼らがもっているのは語学力ではなく、市場で稼ぐ力に他なりません。できるだけ積極的に、市場で稼ぐ経験を積みましょう。そこで身につけた感覚とスキルこそが、新しい時代にあなたが自分の人生を選ぶための、大きな力となってくれる
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