１０年以上前だろうか。
著者のことを気に入っていてこの本だけでなく、何冊か本を買ったのを覚えている。
東大を出て、一流企業に就職、退職して旧司法試験に合格して弁護士、残業をしないのにしっかり結果を出し、仕事もプレイベートも充実。
この本の内容もビジネス書として素晴らしい。
ところが順調そうに見えた著者がまだ金融機関に勤めていた若い頃からパニック障害を患っていたということ、この後ノー残業でも体調を崩して弁護士活動を辞め、講演活動にのみ専念するようになったことを知り、衝撃を受けた。
そして近年ブログ等でそれを隠さない著者に大変尊敬を覚えた。
私自身も、この本を読んでしばらくしてうつになり、ごくたまにだが、パニック発作も経験する。
それからそれなりにうつの勉強をしてきた。心の病になるのは主に２つのパターンがあるようだ、とわかってきた。
①睡眠不足、パワハラなど心身に直接危害を加えられた場合
②自然と自分を責める思考（認知の歪み）に体力の低下が合わさると最後にはうつ病を発症させる
①については転職してしっかり睡眠をとれば自然と解消するのであるが、②はやっかいだ。
働く時間をセーブしても、いくらプライベートの充実を図っても自分を責める思考というのは自分で気づきにくいので、どれだけ成功を掴んでも、他人から見れば休養しているようでも心を蝕んでいく。
だからこそマインドフルネスや認知行動療法がこれだけ注目されているのだろう。
「人生は（他人から見た視点で）充実させないと意味がない」
これは一歩間違えると大変危険な考え方だ。意味がない人生など無いからだ。
最近講演活動などされてる著者の姿を確認し、安心した。
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