ニューロティックなパズラー、「最悪の館 "Under A Dark Sky"」(ローリー・レーダー=デイ 早川書房)を読みました。
舞台は、ミシガン州、マッキノー・シティ、ダーク・スカイ・パーク(星空保護区の一つ)と言う宿泊施設。(邦題は、クラシックなゴシック小説のようで感心できませんね)イーデンという女性が訪れ、彼女がこの物語を語り、探偵のような役割を担います。イーデンの夫は既に亡くなっていますが、その遺品の中にそのダーク・スカイの予約確認書を見つけ、結婚記念日の数日前にその場所を訪れることになります。しかし、その日イーデン以外にもまるでダブルブッキングのような形で6人の宿泊客が到着していました。イーデンが1泊だけそこにいて帰ろうとした夜、6人の宿泊客の1人、マロイが殺されてしまいます。そして、その後、いくつかの悲劇が立て続けに起こります。
「誰が、何故、マロイを殺害することになったのか?」が、勿論このパズラーのサスペンスを牽引しますが、仕掛けはそれだけではなく、語り手でもあるイーデンの「過去」、亡くなった夫・ビックスに纏わるストーリーが小刻みにイーデンの口から挿入されていきます。
物語は、ほぼダーク・スカイという宿泊施設とその近郊の中で進行していきますが、例えばアガサ・クリスティー的「本格」とは遥か遠くかけ離れた、暗く、ニューロティックで、重苦しい展開が継続します。中盤過ぎの大きな「反転」が特に見事だと思いますが、作者はそもそもイーデンという6人の宿泊客とは何ら関わり合いもない女性の「心理」を語り続けることで、物語が合わせては剥がれ、剝いでは合わせられるパッチワーク・キルトのようにその模様を変えて、読者の目を執拗に惑わせることになります。その多面性が面白く、そして少しだけ鬱陶しい(笑)それは、私の感覚的な<好み>の問題とも言えますので、この作品の価値を貶めることにはならないと思います。
人は「過去」を変えることはできない。でも、悪しき囚われや思い出も自分の足で立とうとする「今」を手に入れるために必要なことであったと思えるならば、それほど悪いものではないのかもしれませんね。"Dark Sky"の中で暗くひかる星のような「過去」にするために。
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最悪の館 (ハヤカワ・ミステリ) 新書 – 2020/4/2
ローリー レーダー=デイ
(著),
岩瀬 徳子
(翻訳)
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ジェフリー・ディーヴァー&アン・クリーヴス絶賛のフーダニット!
夫を亡くして以来、不眠に苛まれているイーデンは、星空の保護区として有名なダークスカイ・パークを結婚記念日直前に訪れる。生前の夫が予約していたのだ。だがゲストハウスでは別のグループと同宿を余儀なくされることに。彼らはマロイという魅力的な男性を中心とした面々だった。その夜、何者かに彼が殺され、疑心暗鬼に陥る宿泊者たち、そしてイーデンは思いがけないことを指摘される……誰一人として信じられないフーダニット。アンソニー賞受賞作。
夫を亡くして以来、不眠に苛まれているイーデンは、星空の保護区として有名なダークスカイ・パークを結婚記念日直前に訪れる。生前の夫が予約していたのだ。だがゲストハウスでは別のグループと同宿を余儀なくされることに。彼らはマロイという魅力的な男性を中心とした面々だった。その夜、何者かに彼が殺され、疑心暗鬼に陥る宿泊者たち、そしてイーデンは思いがけないことを指摘される……誰一人として信じられないフーダニット。アンソニー賞受賞作。
- 本の長さ415ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2020/4/2
- 寸法10.6 x 1.8 x 18.4 cm
- ISBN-104150019541
- ISBN-13978-4150019549
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
夫を事故で亡くして以来、不眠に苛まれているイーデンは、星空の保護区として有名なダークスカイ・パークを結婚記念日直前に訪れる。生前の夫が予約していたのだ。だがゲストハウスで別のグループと同宿を余儀なくされることに。彼らはマロイという魅力的な男性を中心とした同窓の面々だった。その夜、何者かに彼が殺され、疑心暗鬼に陥る宿泊者たち。そしてイーデンは思いがけないことを指摘される…ジェフリー・ディーヴァー絶賛の、誰一人として信じられないフーダニット。アンソニー賞受賞作
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
レーダー=デイ,ローリー
アメリカ、インディアナ州生まれ。2014年に作家としてデビュー。2019年に『最悪の館』でアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)にノミネートされ、アンソニー賞最優秀ペイパーバック賞を受賞した
岩瀬/徳子
お茶の水女子大学文教育学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
アメリカ、インディアナ州生まれ。2014年に作家としてデビュー。2019年に『最悪の館』でアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)にノミネートされ、アンソニー賞最優秀ペイパーバック賞を受賞した
岩瀬/徳子
お茶の水女子大学文教育学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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