三浪して藝大に入り、博士過程まで10年在学し、同声会(同窓会)に入らなかったので、たぶん行方不明になっている一人です。
以前勤めていた学校に、私の他にも藝大の卒業生がいましたが、二人とも専攻した音楽の教師ではなかったことが心に残っています。
内容の半分くらい、特に「与太話」に近いものは、在学中に聞いたことのあるものでした。
また、インタビューに答えていた今の学生さんたちに似た人もたくさんいました。
一言で言えば、「みな大真面目に、学外の人には異常に思われることに取り組んでいる」、そのような集団でした。
この本を読んで、あらためてそのことに気づきました。
じつは在学中には、どこの大学もみな同じようなものだろうと思っていました。
二宮氏が、率直な驚きとあたたかい視点で書いてくださっているのが、嬉しかったです。
私自身の面白い話を追加させてください。
学部生の時、退屈な講義の最中に指輪を取ったりはめたりして遊んでいたら、別の指に入って抜けなくなってしまいました。
大切にしていた指が次第に腫れてきて、医務室に行ったら、「よかったわね、藝大生で。普通なら消防署に行くところですよ」と、金工科に内線で連絡してくれました。
道路の向こう側では図書館と学生生協と学食以外行ったことがなかったので、初めて美校の教室に入り、無事金工科で指輪を切ってもらいました。
指輪を直してあげようか、と言われましたが、恥ずかしくて、お礼もそこそこに壊れた指輪をもって足早に反対側に帰りました。
あの時直してもらっていたら、何かアートになっていたかもしれませんね。
すみません、コメントからずれて。
ともかく、あのきらきらした時を思い出させてくださって感謝です。
これから受験をお考えになっている方にもおすすめします。
最後の秘境 東京藝大: 天才たちのカオスな日常 (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 2019/3/28
二宮 敦人
(著)
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本の長さ355ページ
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言語日本語
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出版社新潮社
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発売日2019/3/28
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寸法10.6 x 1.3 x 15.1 cm
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ISBN-104101012318
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ISBN-13978-4101012315
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
やはり彼らは、只者ではなかった。入試倍率は東大のなんと約3倍。しかし卒業後は行方不明者多発との噂も流れる東京藝術大学。楽器のせいで体が歪んで一人前という器楽科のある音楽学部、四十時間ぶっ続けで絵を描いて幸せという日本画科のある美術学部。各学部学科生たちへのインタビューから見えてくるのはカオスか、桃源郷か?天才たちの日常に迫る、前人未到、抱腹絶倒の藝大探訪記。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
二宮/敦人
1985(昭和60)年東京都生れ。一橋大学経済学部卒業。2009(平成21)年に『!』(アルファポリス)でデビュー。ユニークな着眼と発想、周到な取材に支えられた数々の小説を世に送り出し人気を博す。著書多数。『最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常』が初めてノンフィクション作品となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1985(昭和60)年東京都生れ。一橋大学経済学部卒業。2009(平成21)年に『!』(アルファポリス)でデビュー。ユニークな着眼と発想、周到な取材に支えられた数々の小説を世に送り出し人気を博す。著書多数。『最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常』が初めてノンフィクション作品となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本では音楽系は悩みや現実的な苦労はいくらか語られるのに、美校の学生は殆どその描写がないように思います。「音楽は一番でないと仕事が無いが、美術系はそういうことが無いからだ」という一文があるように著者がそう切り取ったのだと思います。
”のほほん、のんびりと楽しく思いつきで創作している。考えてたとしても不思議なことで、技術はなんかよくわからないけど出来る奴は一発でできるし出来ない奴はできないみたいな?体力とかカンで生きてる不思議ちゃん?”的な切り口ですね。
絵の仕事をしているのでたまに美術系芸大の中の話を聞くのですが、実際は美術系も大半は卒業までに一度はノイローゼになるとか。芸大卒の漫画家が”芸大出ていかに食っていくかを考える”描いたマンガ「プルーピリオド」等にあるように、大体は才能について悩み、技術習得について悩み、将来の収入について悩み、色々勉強したり悩んでいるとおもわれます。一発で出来る人はものすごい量の練習をしていたりします。普通に。
芸大生の妻と一緒に生活していて、そんな話を微塵も聞いたことがないなら、きっと奥さんが気を使っているのでしょう。美術系だけがまるで現実離れした世界のように描かれているのは、著者が「自分の妻にそんな生臭いリアルな部分があるとは思いたくない」からかなあとおもってしまいました。
面白不思議な一面を主にかかれてるので読むと軽く楽しめる本ではあります。
”のほほん、のんびりと楽しく思いつきで創作している。考えてたとしても不思議なことで、技術はなんかよくわからないけど出来る奴は一発でできるし出来ない奴はできないみたいな?体力とかカンで生きてる不思議ちゃん?”的な切り口ですね。
絵の仕事をしているのでたまに美術系芸大の中の話を聞くのですが、実際は美術系も大半は卒業までに一度はノイローゼになるとか。芸大卒の漫画家が”芸大出ていかに食っていくかを考える”描いたマンガ「プルーピリオド」等にあるように、大体は才能について悩み、技術習得について悩み、将来の収入について悩み、色々勉強したり悩んでいるとおもわれます。一発で出来る人はものすごい量の練習をしていたりします。普通に。
芸大生の妻と一緒に生活していて、そんな話を微塵も聞いたことがないなら、きっと奥さんが気を使っているのでしょう。美術系だけがまるで現実離れした世界のように描かれているのは、著者が「自分の妻にそんな生臭いリアルな部分があるとは思いたくない」からかなあとおもってしまいました。
面白不思議な一面を主にかかれてるので読むと軽く楽しめる本ではあります。
2019年4月8日に日本でレビュー済み
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「鉛筆の芯を削る、顔になすりつける、答案用紙に顔を叩きつける、自画像と主張し提出する」
これは、上野にある東京藝大は入試での出来事である。ちなみに、合格したそうだ。
この人たち、本当にヤバいとしか言いようがない。
ブラの仮面に上半身トップレス、その姿で大学に出現する抜群のスタイルの美人は、ブラジャー・ウーマンと呼ばれている。悪の組織ランジェリー帝国と戦っているのだそうだ。
漆芸専攻のは人は常に漆にかぶれ、近くに座るだけで友達もやられる。
バイオリニストは3歳ほどでバイオリンを始めるため、骨格がバイオリンに合う。顔は左右非対称になり、腰は曲がるらしい。
油画専攻の人は精神を病む程のめり込む。
ちなみに、ブラジャー・ウーマンも油画専攻である。
彼らは人生をかけてのめり込み、人生をかけて遊ぶ。
ベーシックインカムの恩恵を一番受けるのは彼らだと思うし、そうあって欲しい。
この本を読めば、きっと本当に好きの意味がわかるはず。
藝大祭である鞴祭(ふいご)では、ぜひVIP席を用意して、学生さんがアテンドして欲しい。
うちが家族分買います。
これは、上野にある東京藝大は入試での出来事である。ちなみに、合格したそうだ。
この人たち、本当にヤバいとしか言いようがない。
ブラの仮面に上半身トップレス、その姿で大学に出現する抜群のスタイルの美人は、ブラジャー・ウーマンと呼ばれている。悪の組織ランジェリー帝国と戦っているのだそうだ。
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バイオリニストは3歳ほどでバイオリンを始めるため、骨格がバイオリンに合う。顔は左右非対称になり、腰は曲がるらしい。
油画専攻の人は精神を病む程のめり込む。
ちなみに、ブラジャー・ウーマンも油画専攻である。
彼らは人生をかけてのめり込み、人生をかけて遊ぶ。
ベーシックインカムの恩恵を一番受けるのは彼らだと思うし、そうあって欲しい。
この本を読めば、きっと本当に好きの意味がわかるはず。
藝大祭である鞴祭(ふいご)では、ぜひVIP席を用意して、学生さんがアテンドして欲しい。
うちが家族分買います。
ベスト1000レビュアー
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藝大は天才の集まりで一般人の自分とは縁遠い世界。
作品を通じて藝大生の狂気を感じる機会はあるかもしれないが、その人となりについて知ることは難しいと思う。
本書ではそんな天才たちの考えや苦悩を垣間見ることができる。
それがやりたいから藝大に入ったという前向きな学生ばかりと思いきや、幼少期から生活の一部と化してしまい離れようにも離れられないという、呪いにかかってしまった様な学生もいる。
学校は技術を教えることができるが、最も大切な感性は教えてはくれない。
本書に出てくる学生はそれを理解していて、入学してから自分の答えを出すために日夜もがき苦しんでいるのだと感じた。
卒業生の多くが消息不明になるのも腑に落ちた。
学校側からしてみれば、大半の学生は真の天才を生むための養分であり、それを学生に伝え、学生も理解しているのがまた独特だなと感じた。
また、本書では
藝大 > 美校、音校 > 学科 > 学生
と各要素を因数分解したような構成となっており
どの章から読んでも違和感なく読み進めることができる
時間が空いてしまっても読み進めるのが苦にならないのもよかった。
作品を通じて藝大生の狂気を感じる機会はあるかもしれないが、その人となりについて知ることは難しいと思う。
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それがやりたいから藝大に入ったという前向きな学生ばかりと思いきや、幼少期から生活の一部と化してしまい離れようにも離れられないという、呪いにかかってしまった様な学生もいる。
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本書に出てくる学生はそれを理解していて、入学してから自分の答えを出すために日夜もがき苦しんでいるのだと感じた。
卒業生の多くが消息不明になるのも腑に落ちた。
学校側からしてみれば、大半の学生は真の天才を生むための養分であり、それを学生に伝え、学生も理解しているのがまた独特だなと感じた。
また、本書では
藝大 > 美校、音校 > 学科 > 学生
と各要素を因数分解したような構成となっており
どの章から読んでも違和感なく読み進めることができる
時間が空いてしまっても読み進めるのが苦にならないのもよかった。