年末の休みなので放蕩にも占いの本を読んでみた。
(目についた部分)
・ベストセラー作家になりました→81作を書いて200万部 …気学関係なく著者の努力です
・八卦の話から始まる→伝統の伝承から入ることで権威付けの印象を与える恐れ。
・著者が若い頃、気学占い師に10億は稼げると言われる→年商1億6千万円(所得ではない)
まだ個人事務所レベル。がんばれ。
・中国の奇門遁甲における九星や八卦は、日本の気学とは概念が異なるが、混同させる内容。
・巻末の略歴に高校時代の模試の結果を載せている。
学歴と職歴だけを載せるのが通例だが、権威付けの一環だろうか?
プロフィール(プロファイル)と言えば、何となく何でも書いてしまいがちだが、
「略歴」と言えば普通は簡潔に書くものだろう。
苦労人は実績を強調することが多いが、著者も色々あったのだろう。
・書名が『1分間~』とあるが、内容は八卦の話や前置きが長い。
・科学ではない故、身の回りの出来事と方位の直接の因果関係が不明である。方位に意味がある!と頭ごなし。
できれば数千から数万人レベルの統計が欲しいものである。
・気学を気にする前からそれなりに学問や就職に実績がある件。
もっと自分の努力を認めてあげればいいのに。がんばれ。
(評)
運勢を気にする人々に勧める言葉をついつい考えてしまうに至る書物だった。
・「住めば都」※騒音や悪臭、反社の施設などには要注意だが、それは実用であり占いではない。
・「人生山あり谷あり」
(自己啓発マニアにありがちな意識高い未熟者が最高峰にいきなり挑めば、
山でも谷でもどうすることもできないだろう。
「運命」において「運」を気にしすぎる人間は、「命」(能力や健康)を鍛えないことが多い。
また、山でも谷でも「崖」や「原」というものがあるのだ。)
・「人間到る処青山あり」
(青山-せいざん-とはお墓の意。
「例えどこで死んでも骨を埋める場所くらいは何処にでもあるのだから、
大志を実現するには故郷を出て人生を賭して思い切って活動する覚悟が肝要である。」の意。
逆に言えば、故郷を出るなら何処でも必死に働いて頑張りなさい と言ったところか。)
・『韓非子』より
「用時日、事鬼神、信卜筮、而好祭祀者、可亡也。」
「君主が日時の吉凶を占い、鬼神に仕え、卜占を信じ、祭祀を好んでいると、亡びる。」
古代中国において、占いで戦勝すると予測した趙国は燕国に敗れ、その時の燕国は占いで趙国に勝つと予測していた。
燕はその後も占いの可否で戦争を進め連勝するが、やがて始皇帝の秦国に敗れた。
秦の焚書坑儒で儒家は処刑され、そして秦もまた漢に覆された。
占いを信じる者も信じない者も死んでしまったし、生きている者には占いを信じる者も信じない者もいる。
・「君子占わず。」
「よく易を修める者は占わず」-荀子-
道理をわきまえている人は占いに頼るのではなく自分で考えて判断するし、それに必要な成長を日々遂げている。
また皇帝(トップ)の地位にある人は最終判断の権限は自分自身にあることをわきまえるべきである。最後は自分自身であると。
・福沢諭吉著『學問ノスヽメ』十五篇
信の世界に偽詐多く、疑いの世界に真理多し。試みに見よ、世間の愚民、人の言を信じ、人の書を信じ、小説を信じ、風聞を信じ、神仏を信じ、卜筮を信じ、父母の大病に按摩の説を信じて草根木皮を用い、娘の縁談に家相見の指図を信じて良夫を失い、熱病に医師を招かずして念仏を申すは阿弥陀如来を信ずるがためなり。三七日の断食に落命するは不動明王を信ずるがゆえなり。この人民の仲間に行なわるる真理の多寡を問わば、これに答えて多しと言うべからず。真理少なければ偽詐多からざるを得ず。(中略)一議したがって出ずれば一説したがってこれを駁し、異説争論その極まるところを知るべからず。これをかのアジヤ諸州の人民が、虚誕妄説を軽信して巫蠱神仏に惑溺し、あるいはいわゆる聖賢者の言を聞きて一時にこれに和するのみならず、万世の後に至りてなおその言の範囲を脱すること能わざるものに比すれば、その品行の優劣、心志の勇怯、もとより年を同じゅうして語るべからざるなり。
(その他雑感)
・気学を学ぶなら 気学 関東大震災 や 気学 批判 で検索する事を推奨
・人生を豊かにするはずの占いで気苦労してはならない。 気学 ノイローゼ で検索すると良い反面教師となる。
・このWEBサイトのトップであるジェフ・ベゾス氏は1964年1月12日一白水星生まれ、
1994年7月にニューヨークからシアトルに移住していますが、
その時の包囲盤は北西・年盤暗剣殺、西だったとしても特に吉方位というわけではありませんが、
かなり成功して、今や時価総額1兆ドル(!)です。
彼はニューヨークから一度、南西の吉方位にあるテキサスへ行っていますが、
車を借りるためで気学で言われるような90日間以上の仮移住はしていませんし、
テキサスから見てもシアトルは北西暗剣殺です。生まれ自体の吉方位は北西ですが気学占い師が重視する年盤が悪い。
気にしたらキリがないなこりゃ。技法は他にあるのでしょうが、都合のいい占いを信じればよいのでは?
・引っ越しにはストレスが伴う。それが日々の生活に少なからずの影響を及ぼすことはある。
便利で穏やか、安全な環境であることを重視して住まいを考えた方がいい。
・それでも方位を気にするなら方位除けとして、方違神社や寒川神社などで方位除けのお祓いをしては如何か?
その辺の神社でも方位除けの祈祷を行ってくれます。
有名な処だと他には福島護國神社、川崎大師、佐野厄除け大師、富士山本宮浅間大社、城南宮、足立山妙見宮 御祖神社などでしょうか?
・様々な有名人を試してみましたがここでは字数が増えるので紹介しない。
感じたことは、「大業を成す者は幸運にも悪運にも左右されない。」ということだった。
この本を読んでいて、子供の時に聞いたセリフをふと思い出した。
「予知能力なんかいらない。未来を変えていく勇気があれば充分だ。」-ソリッド・スネーク-
占いの本はキリがない。しばらく読まない方がいいだろう。本を読むなら仕事の本や文学、趣味の本に触れたいものである。
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