この本は”無駄に”難しいといえる。
私は理系で、物理学に近い学問を専攻していた。さらに、こういった話にはもともと興味があり、かなりの独学を積んでいる。だからこそ、エントロピーの話などはすんなり理解できた。
しかし、それでも難しかった。
たぶん、文系の9割は離脱するだろう。
内容がどうこうではなく、とにかく読みにくい。
言葉づかい、例え話、著者の趣味?である歌や名言など、無駄に難しい言い回しが多い。
ただでさえ難解な話をしているんだから、このような「無駄に話をややこしくするだけの例え」は、不要だったと思う。
例えとは、話を分かりやすくするためにあるのではないのか?
たしかに、かっこいい文章だし、おお!となるような、例え話のギミック的活用法もある。
だが、なんせ分かりにくい。
作者は、多くの理系でない人に向け、この本を書いたのではないのか?だからこそ、数式を使っていないのでは?
数式を使わなかったために、むしろ理系の人にとっても、分かりにくい内容となってしまっている。
こうしてみると、ブルーバックスの素晴らしさがあらためてわかる。
この本でつまずいてしまった人は、
ブルーバックスの
「時間とはなにか?」や、
「僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない」がおすすめだ。
まあ、作者はもう歳だ。
死ぬ前に遺す本として、多くの人に分かりやすく伝えるというよりも、かっこいい文学的センスを理系学問に閉じ込めたような本を目指したんだろう。
そういった意味では星5だと思う。
でも、著者も先人たちの分かりやすく説明された知識の上に立っているわけだ。
その恩返しとして、さらなる時間の解明の助けになるような分かりやすい本を書くべきだったのではないだろうか?
私はもっと科学が進歩して欲しいので、こういう難しい本には断固反対。星1だ。
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時間は存在しない Kindle版
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時間の常識を根底から覆す!
時間はいつでもどこでも同じように経過するわけではなく、過去から未来へと流れるわけでもない──。“ホーキングの再来”と評される天才物理学者が、「この世界に根源的な時間は存在しない」という大胆な考察を展開しながら、時間の本質を明らかにする。本国イタリアで18万部発行、35か国で刊行予定の世界的ベストセラー!
もっとも大きな謎、それはおそらく時間
第一部 時間の崩壊
第一章 所変われば時間も変わる
第二章 時間には方向がない
第三章 「現在」の終わり
第四章 時間と事物は切り離せない
第五章 時間の最小単位
第二部 時間のない世界
第六章 この世界は、物ではなく出来事でできている
第七章 語法がうまく合っていない
第八章 関係としての力学
第三部 時間の源へ
第九章 時とは無知なり
第一〇章 視点
第一一章 特殊性から生じるもの
第一二章 マドレーヌの香り
第一三章 時の起源
眠りの姉
時間はいつでもどこでも同じように経過するわけではなく、過去から未来へと流れるわけでもない──。“ホーキングの再来”と評される天才物理学者が、「この世界に根源的な時間は存在しない」という大胆な考察を展開しながら、時間の本質を明らかにする。本国イタリアで18万部発行、35か国で刊行予定の世界的ベストセラー!
もっとも大きな謎、それはおそらく時間
第一部 時間の崩壊
第一章 所変われば時間も変わる
第二章 時間には方向がない
第三章 「現在」の終わり
第四章 時間と事物は切り離せない
第五章 時間の最小単位
第二部 時間のない世界
第六章 この世界は、物ではなく出来事でできている
第七章 語法がうまく合っていない
第八章 関係としての力学
第三部 時間の源へ
第九章 時とは無知なり
第一〇章 視点
第一一章 特殊性から生じるもの
第一二章 マドレーヌの香り
第一三章 時の起源
眠りの姉
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2019/8/29
- ファイルサイズ13337 KB
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商品の説明
出版社からのコメント
【レビュー】
●きわめて独創的。現代物理学が時間に関する私たちの理解を壊滅させていく様を紹介している。――「ニューヨーク・タイムズ」紙
●わかりやすく目を見開かせてくれるとともに、われわれの時間・空間・現実の見方を覆すような読書体験をもたらす。――「タイム」誌
●時間の本質へと向かう、実に面白くて深い探求。この作品を読む人すべての想像力をとらえて離さない詩情と魅力がある。――「フィナンシャル・タイムズ」紙
●スティーヴン・ホーキングの『ホーキング、宇宙を語る』以来、これほどみごとに物理学と哲学とを融合した著作はない。――「ガーディアン」紙 --このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
●きわめて独創的。現代物理学が時間に関する私たちの理解を壊滅させていく様を紹介している。――「ニューヨーク・タイムズ」紙
●わかりやすく目を見開かせてくれるとともに、われわれの時間・空間・現実の見方を覆すような読書体験をもたらす。――「タイム」誌
●時間の本質へと向かう、実に面白くて深い探求。この作品を読む人すべての想像力をとらえて離さない詩情と魅力がある。――「フィナンシャル・タイムズ」紙
●スティーヴン・ホーキングの『ホーキング、宇宙を語る』以来、これほどみごとに物理学と哲学とを融合した著作はない。――「ガーディアン」紙 --このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
時間はいつでもどこでも同じように経過するわけではなく、過去から未来へと流れるわけでもない―。“ホーキングの再来”と評される天才物理学者が、本書の前半で「物理学的に時間は存在しない」という驚くべき考察を展開する。後半では、それにもかかわらず私たちはなぜ時間が存在するように感じるのかを、哲学や脳科学などの知見を援用して論じる。詩情あふれる筆致で時間の本質を明らかにする、独創的かつエレガントな科学エッセイ。 --このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ロヴェッリ,カルロ
理論物理学者。1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学大学院で博士号取得。イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いる。「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』(河出書房新社)で「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」を受賞。『世の中ががらりと変わって見える物理の本』(同)は世界で100万部超を売り上げ、大反響を呼んだ。『時間は存在しない』はイタリアで18万部発行、35か国で刊行決定の世界的ベストセラー。タイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」にも選ばれている
冨永/星
1955年、京都府生まれ。京都大学理学部数理科学系卒業。一般向け数学科学啓蒙書などの翻訳を手がける
吉田/伸夫
1956年、三重県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院博士課程修了。理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。東海大学と明海大学での勤務を経て、現在はサイエンス・ライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
理論物理学者。1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学大学院で博士号取得。イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いる。「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』(河出書房新社)で「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」を受賞。『世の中ががらりと変わって見える物理の本』(同)は世界で100万部超を売り上げ、大反響を呼んだ。『時間は存在しない』はイタリアで18万部発行、35か国で刊行決定の世界的ベストセラー。タイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」にも選ばれている
冨永/星
1955年、京都府生まれ。京都大学理学部数理科学系卒業。一般向け数学科学啓蒙書などの翻訳を手がける
吉田/伸夫
1956年、三重県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院博士課程修了。理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。東海大学と明海大学での勤務を経て、現在はサイエンス・ライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
著者について
カルロ・ロヴェッリ Carlo Rovelli
理論物理学者。1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学大学院で博士号取得。
イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いる。
「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』で「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」を受賞。
『世の中ががらりと変わって見える物理の本』は世界で100万部超を売り上げ、大反響を呼んだ。
本書はイタリアで18万部発行、35か国で刊行予定の世界的ベストセラー。
タイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」にも選ばれている。 --このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
理論物理学者。1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学大学院で博士号取得。
イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いる。
「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』で「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」を受賞。
『世の中ががらりと変わって見える物理の本』は世界で100万部超を売り上げ、大反響を呼んだ。
本書はイタリアで18万部発行、35か国で刊行予定の世界的ベストセラー。
タイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」にも選ばれている。 --このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B07XBDKG5B
- 出版社 : NHK出版 (2019/8/29)
- 発売日 : 2019/8/29
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 13337 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 254ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 160位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 1位物理学 (Kindleストア)
- - 1位理論物理学
- カスタマーレビュー:
著者について
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カルロ・ロヴェッリ Carlo Rovelli
理論物理学者。1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学で博士号取得。イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いる。「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』(河出書房新社)で「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」を受賞。『世の中ががらりと変わって見える物理の本』(同)は世界で100万部超を売り上げ、大反響を呼んだ。『時間は存在しない』(NHK出版)はイタリアで18万部発行、35か国で刊行予定の世界的ベストセラー。タイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」にも選ばれている。
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2019年11月2日に日本でレビュー済み
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613人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2019年8月31日に日本でレビュー済み
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時間についての 哲学的考察が熱い。先日の「脳と時間」に続いて、「時間は存在しない」を読む。超弦理論と並んで有力視されている量子重力理論のループ量子重力理論の第一人者カルロ・ロヴェッリ。
刺激的なタイトルに聞こえるかもしれないが、二十世紀を通して古典物理学的な「一方向に不可逆的に、一定のペースで、宇宙のどこでも共通である」ような時間の概念というものは、アインシュタインの相対性理論と量子力学によって否定されてきた。相対性理論が描くのはその名の通り速度と重力の干渉によって時間の流れは伸び縮みするゴムのような時空で、量子力学が示す宇宙においては大事なのは相互作用であって因果関係ではない。特に筆者が研究するループ量子重力理論においては、時空はスピンネットワークと呼ばれるネットワークの相互作用の結果としての生じるとされる。本書の1/3はこのような古典的・直感的な時間観の解体にあてられている。
本書が興味深いのは、それなのになぜ私たちはこれほど強く時間が流れているという感覚を持つのか、という疑問に対しての、物理学の枠を超えての考察だ。著者はその答えを、私達人間の存在と、その存在を支える宇宙の部分に求める。物理学の概念の中で、不可逆的な時間の流れを発生させるほぼ唯一の原理は、熱力学第二法則、いわゆるエントロピーの法則である。素粒子のスケールには存在しない不可逆なエントロピーの増大が、私達の知覚がとらえるマクロスケールの世界では発生する。一方で、私達の世界は地球の時点と太陽の周りの公転、月の公転による周期的なリズムによって変化している。太陽は地球にエネルギーを供給し、月は重力を変化させる。人間を含む生命は、このような世界との相互作用の中で、記憶を通じて、一定の周期でかつ一定の方向へと流れる時間を獲得してきた、というのが筆者の主張だ。
筆者は、自らの宇宙観をアリストテレスやアウグスティヌスのようなギリシャ・ローマの哲学者、またインドの古代仏教などの東洋哲学も引用しながら描き出す。実際、ループ量子重力理論の世界観は、仏教の縁起や空、諸行無常の概念と驚くほど近い。
「脳と時間」の感想にも書いた通り、僕はこの考え方が正しいと思っている。私たちが感じる時間は、宇宙に普遍の原理ではなく、人間が相互作用できる世界との間に生じさせているアフォーダンスなのだ。
僕はこれには重大な意味があると思う。二十世紀の人間はエネルギーの制御によって空間の制約を乗り越えることを可能にした。二十一世紀の人類は、エントロピーすなわち情報を制御することで、時間の制約を乗り越えることに向かっているのかもしれないと夢想させられる。
刺激的なタイトルに聞こえるかもしれないが、二十世紀を通して古典物理学的な「一方向に不可逆的に、一定のペースで、宇宙のどこでも共通である」ような時間の概念というものは、アインシュタインの相対性理論と量子力学によって否定されてきた。相対性理論が描くのはその名の通り速度と重力の干渉によって時間の流れは伸び縮みするゴムのような時空で、量子力学が示す宇宙においては大事なのは相互作用であって因果関係ではない。特に筆者が研究するループ量子重力理論においては、時空はスピンネットワークと呼ばれるネットワークの相互作用の結果としての生じるとされる。本書の1/3はこのような古典的・直感的な時間観の解体にあてられている。
本書が興味深いのは、それなのになぜ私たちはこれほど強く時間が流れているという感覚を持つのか、という疑問に対しての、物理学の枠を超えての考察だ。著者はその答えを、私達人間の存在と、その存在を支える宇宙の部分に求める。物理学の概念の中で、不可逆的な時間の流れを発生させるほぼ唯一の原理は、熱力学第二法則、いわゆるエントロピーの法則である。素粒子のスケールには存在しない不可逆なエントロピーの増大が、私達の知覚がとらえるマクロスケールの世界では発生する。一方で、私達の世界は地球の時点と太陽の周りの公転、月の公転による周期的なリズムによって変化している。太陽は地球にエネルギーを供給し、月は重力を変化させる。人間を含む生命は、このような世界との相互作用の中で、記憶を通じて、一定の周期でかつ一定の方向へと流れる時間を獲得してきた、というのが筆者の主張だ。
筆者は、自らの宇宙観をアリストテレスやアウグスティヌスのようなギリシャ・ローマの哲学者、またインドの古代仏教などの東洋哲学も引用しながら描き出す。実際、ループ量子重力理論の世界観は、仏教の縁起や空、諸行無常の概念と驚くほど近い。
「脳と時間」の感想にも書いた通り、僕はこの考え方が正しいと思っている。私たちが感じる時間は、宇宙に普遍の原理ではなく、人間が相互作用できる世界との間に生じさせているアフォーダンスなのだ。
僕はこれには重大な意味があると思う。二十世紀の人間はエネルギーの制御によって空間の制約を乗り越えることを可能にした。二十一世紀の人類は、エントロピーすなわち情報を制御することで、時間の制約を乗り越えることに向かっているのかもしれないと夢想させられる。
ベスト1000レビュアー
評者はこの邦訳ではなく英語版(Rovelli, The Order of Time)を読んで書評を書いた(星5つ)。それを読んでもらえばわかる通り、この本のもっとも重要なメッセージは、「時間が存在しない」ことではなく、「もっとも基本的な方程式には含まれなかった時間が、われわれが経験し、実験し、理論と経験とを突き合わせるレベルでは、なぜ、どのようにして生じるのか」ということ。さらに続けるなら、これまでの物理学や哲学で難問だった「時間の順序、すなわち時間が流れる向き」がどのようにして生じるのか、という問題に独自の答えを与えたこと。それゆえ、英語版(およびもとのイタリア語版)のタイトルは、「時間の順序」となっているのである。したがって、邦訳のタイトルは、予備知識のない読者に、最初から妙な先入見を与えてしまう恐れが大。最後まで読まなければ、ロヴェッリの答えはわからないのでご注意!
邦訳にも目を通したが、タイトルを見ただけで星3つ以上は与えられない。「時間は存在しない」というだけなら、ロヴェッリ以外にもたくさんの論者がいて、それぞれの立論を行っている。「時間が存在しないなんて当たり前」とか「しかじかの事例で時間が存在しないないて言えますか?」という、的外れな書評を書くような方々は、文字を読んでも意味を理解してない、としか言いようがない。その責任の一端は、邦訳タイトルにある!
邦訳にも目を通したが、タイトルを見ただけで星3つ以上は与えられない。「時間は存在しない」というだけなら、ロヴェッリ以外にもたくさんの論者がいて、それぞれの立論を行っている。「時間が存在しないなんて当たり前」とか「しかじかの事例で時間が存在しないないて言えますか?」という、的外れな書評を書くような方々は、文字を読んでも意味を理解してない、としか言いようがない。その責任の一端は、邦訳タイトルにある!
2019年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界でも売れているそうですが、特に良さが分かりません。
前半は物理学と絡めて書かれていますが、途中から論理の飛躍か、難しい部分を省いたようで読者はついていけない。
さらに、後半はプラトンだのアウグスティヌスだのを引用して説明した気になっているが、何も説明になっていない。
また、キリスト教徒の人類は神が作った特別な存在だという不遜が透けて見える。
『時間は存在しない』というタイトルの主張はさっぱり理解できませんでした。
前半は物理学と絡めて書かれていますが、途中から論理の飛躍か、難しい部分を省いたようで読者はついていけない。
さらに、後半はプラトンだのアウグスティヌスだのを引用して説明した気になっているが、何も説明になっていない。
また、キリスト教徒の人類は神が作った特別な存在だという不遜が透けて見える。
『時間は存在しない』というタイトルの主張はさっぱり理解できませんでした。
5つ星のうち3.0
ループ量子重力論には時間の変数がないという意味で時間は存在しない。しかし人間はエントロピーの増大する方向に時間を認識し、脳は過去の記憶を集めそれを使って未来を予測するので、人間には時間が存在する。
2019年9月29日に日本でレビュー済み
「ループ量子重力論」を提唱するイタリア人理論物理学者カルロ・ロヴェッリの書いた啓蒙書。
「量子重力の基本方程式は時間変数を含まず、変動する量の間のあり得る関係を指し示すことでこの世界を記述する。」だから時間は存在しない。
「ループ量子重力論は、ものごとが互いに対してどう変化するか、この世界の事柄が互いの関係においてどのよう生じるかを記述する。(ニュートンの微分方程式のように)時間の進行に対してものごとが展開する様子を記述するものではない。」
「世界は”もの”でできているのではなく、”こと”ででできている。世界は相互に連結された出来事のネットである。そこに登場する変数は確率的な規則に忠実に従う。」
「空間の量子は空間的に近いという関係によって結び合わさり、スピンネットワークと呼ばれるネットになる。そしてこれらのネットは離散的なジャンプによって互いに転換し合う。」
がまず言いたいこと。
その後、その内容をもっと掘り下げた議論が展開されるかと思いきや、そうではなく、ではなぜ人間は時間を認識するのかの説明に紙幅が費やされる。
それは、「人間が一様で順序付けられた普遍的な時間について語る仕組みを持っているから」で、その仕組みは
1)我々の持っている特殊な視点では、エントロピーの増大を頼りとして時間の流れを認識するから(時間の方向性は視点がもたらす)。
2)人間の脳は過去の記憶を集め、それを使って絶えず未来を予測しようとする仕組みを持っているから。
だという。
要するに、ループ量子重力理論の示す世界観を人間はそのまま認識できるわけではないという事。
「量子重力の基本方程式は時間変数を含まず、変動する量の間のあり得る関係を指し示すことでこの世界を記述する。」だから時間は存在しない。
「ループ量子重力論は、ものごとが互いに対してどう変化するか、この世界の事柄が互いの関係においてどのよう生じるかを記述する。(ニュートンの微分方程式のように)時間の進行に対してものごとが展開する様子を記述するものではない。」
「世界は”もの”でできているのではなく、”こと”ででできている。世界は相互に連結された出来事のネットである。そこに登場する変数は確率的な規則に忠実に従う。」
「空間の量子は空間的に近いという関係によって結び合わさり、スピンネットワークと呼ばれるネットになる。そしてこれらのネットは離散的なジャンプによって互いに転換し合う。」
がまず言いたいこと。
その後、その内容をもっと掘り下げた議論が展開されるかと思いきや、そうではなく、ではなぜ人間は時間を認識するのかの説明に紙幅が費やされる。
それは、「人間が一様で順序付けられた普遍的な時間について語る仕組みを持っているから」で、その仕組みは
1)我々の持っている特殊な視点では、エントロピーの増大を頼りとして時間の流れを認識するから(時間の方向性は視点がもたらす)。
2)人間の脳は過去の記憶を集め、それを使って絶えず未来を予測しようとする仕組みを持っているから。
だという。
要するに、ループ量子重力理論の示す世界観を人間はそのまま認識できるわけではないという事。
殿堂入りベスト100レビュアー
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山の上では時間の流れは速く、山の下では時間の流れは遅い。これは太陽と地球の関係、介在する物体の関係である。著者は古代ギリシャの哲学者アナクシマンドロスの言葉を引用して、「事物は〈時間の順序に従って〉変化する」と述べる。時間が相対的に存在することは古代から知られていたのだ。アナクシマンドロスは万物の根源(アルケー)は「無限なもの(ト・アペイロン)」と述べていた。時間が定まらないものであれば、事物も定まらないものである。物理的時間の起源は時空の始まりの時、宇宙誕生の時に遡る。
人間の時間はハイデガーが『存在と時間』で述べているように、有限な時間(人間によって生きられた時間)である。
本書が問うのは、物理的時間の不思議である。文系人間でもある程度は読める内容だ。お勧めの一冊だ。
人間の時間はハイデガーが『存在と時間』で述べているように、有限な時間(人間によって生きられた時間)である。
本書が問うのは、物理的時間の不思議である。文系人間でもある程度は読める内容だ。お勧めの一冊だ。